Q.取締役甲を被保険者とし、死亡保険金及び満期保険金ともその受取人を会社とする養老保険に加入して、既支払保険料の合計額320万円を資産に計上しています。甲は次の株主総会終結の時をもって取締役を退任する予定ですが、甲と話合いの結果、上記の生命保険に関する権利を同人に対する退職給与の一部として支給することにしました。当該生命保険に関する権利の評価額はどのように計算するのですか。
A.退職給与として生命保険関連の権利を提供する際、その権利の評価は、保険契約を解除した場合に得られる解約返戻金、加えてもしあれば前納保険料や剰余金の分配額などを合計した金額で行います。例えば、解約返戻金が200万円であれば、退職給与200万円、雑損失120万円、生命保険料積立金320万円として記録します。この合計金額で退職者に対する退職所得に関する所得税の源泉徴収を行い、その金額が不当に高くないか確認する必要があります。なお、この権利の評価について特定のケースでの取り扱い(例えば、解約返戻金の額が支給時の資産計上額の70%未満である場合など)も規定されています。重要なのは、金銭以外の退職給与を提供する場合、それを承認するために株主総会等の決議を経る必要があるという点です。