Q.子会社に土地の貸付けをした後、路線価の引下げによって、当該土地の財産評価基本通達による評価額が1,500万円になった場合、この評価額によって算定した年額90万円の相当の地代を適用することは問題ないですか?また、地代を減額しなかった場合、何らかの問題が生じますか?
A.地価の下落による路線価の引き下げを受けて、地代の適正な額を再評価することは通常発生します。土地を他人に使用させ、その後で地代を減額した場合、一般的には、その減額に正当な理由があるとみなせる場合を除き、減額時の土地の価値に基づいて計算された権利金の額相当を地主が借地人に贈与したものとみなされます。しかし、この処理は主に、法人が地主である場合に借地権の無償または低価格での譲渡を通じて課税を避ける行為を防止するためです。本件のような地価の下落に基づく路線価の引下げによる地代の減額は、適正な理由に基づくものとみなされるため、1,500万円の評価額に基づいて算定された年90万円までの地代の減額は問題ありません。評価額が下落しても、過去3年間の平均評価額が1,500万円を上回る場合が考えられますが、相当の地代計算においてはその年の評価額または過去3年間の平均評価額のいずれかを基にするため、問題ありません。一方で、土地価値の下落にも関わらず地代を減額しなかった場合には、相当の地代が高額であり続けるため、直接的な借地権設定に関する問題は生じませんが、高価な部分が親会社への贈与と見なされる可能性があります。路線価の引下げがあった場合でも、適正な地代の額の見直しは約3年ごとに行うべきとされていますので、その期限まで地代を減額しなくとも問題はありませんが、地代率を約6%に保つため、路線価の引下げが続く場合は地代の減額が適切です。