Q.鉄筋コンクリート造の建物を賃借し、小料理店にするための内部造作を施した場合、その造作の減価償却は建物本体の耐用年数に従うべきですか、それとも木造建物の耐用年数に従うべきですか。賃借契約には貸付期間の定めがなく、有益費の請求や造作の買取請求もできないことになっています。
A.賃借建物に追加した内部造作の減価償却基準となる耐用年数は、賃借契約の内容によって異なります。具体的には、賃借契約で賃借期間の定めがあり、その期間を更新できない場合は、賃借期間を耐用年数とします。しかし、賃借期間の定めがない、更新可能、あるいは賃借期間の終わりが明らかで有益費や買取請求ができる場合は、建物の耐用年数、造作の種類、用途、使用材質などを総合的に考慮して、耐用年数を合理的に見積もります。ご質問のケースでは、賃借期間の定めがないため、造作の耐用年数を合理的に見積もる必要があります。建物と造作の材質が異なるため、同じ耐用年数を適用するのは不適切です。内部造作の種類や材質に基づき、個別の使用可能年数による年間償却費を計算し、その加重平均によって全体の耐用年数を見積もる方法が妥当ですが、結果として木造建物の耐用年数に近くなることが予想されます。