貸倒損失の損金経理について

Q.法人税基本通達9-6-2に示された状況に該当し、回収不能となった債権の貸倒引当金設定部分について、貸倒引当金/売掛金という仕訳をした場合、この仕訳によって取り崩した利益積立金額の部分を申告減算し、損金に算入できるか?

A.法人税基本通達9-6-2に基づくと、貸倒処理は債務者の資産状況等から全額回収不可と明確になった場合、その年度で貸倒として損金処理が可能です。この処理は、貸倒引当金の使用目的に応じて帳簿上資産勘定から当該債権を除去することにあります。もし法的に債権が消滅した場合、帳簿上資産勘定からその債権が除去されていない状態でも申告減算が認められます。しかし、税務上の「損金経理」を満たすためには、貸倒損失として費用又は損失として会計処理する必要があります。これは、貸倒したことを損益計算書に反映させ、税務署に提出する損益計算書に注記することでも十分です。したがって、貸倒引当金/売掛金という処理を行い、帳簿上から当該売掛金を除去することで、企業会計上意味のない両建仕訳を行う必要はありませんが、税法上の損金経理要件を満たすためには、必要な処理を施すことが重要です。

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