採算を承知の上で生産した製品の評価減

Q.採算がとれないことが明らかでも製品の品揃えのために生産を続けた場合、事業年度終了時に保有するその製品を販売価額まで評価減できるのか、税務と企業会計のそれぞれの観点から教えてください。

A.税務の観点からは、製品を販売価額まで評価減することが認められるのは、製品が物理的または経済的な価値の大幅な損失を受けた場合のみです。採算がとれないことを理由にした評価減は認められません。しかし、もし企業が低価法を評価方法として選択している場合は、この方法に基づいた評価減による損金算入が認められる可能性があります。ただし、採算の良い製品の販売を促進するためのセット品に該当する場合、低価法の適用による評価減は行えません。

企業会計の観点からは、保守主義の原則に従って、製品の正味売却価額が取得原価よりも低下している場合には評価減を行うべきです。これは、収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合、品質低下や陳腐化に限らず、帳簿価額を減額する会計処理として考えられます。したがって、正味売却価額までの評価減が必要とされ、税務と企業会計の取り扱いの差異は申告調整で対処すべきとされています。

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