Q.従業員の福利厚生事業を行う団体に会社が毎月定額の助成金を支出し、従業員もその費用の一部を負担しています。会社の支出する助成金は、税務上どのように取り扱われますか。
A.会社が従業員の福利厚生を目的として活動する団体に対して支出する助成金は、特定の条件が満たされた場合、税務上会社の収益や費用として扱われます。会社が団体の経費の相当部分を支出し、さらに次のいずれかの条件に該当する場合は、団体の収益や費用を会社のものとして計算します。条件は、(1) 団体の役員が会社の役員や従業員から選ばれる場合、(2) 団体の事業運営に会社の許可が必要な場合、(3) 団体の事業に必要な施設の大部分を会社が提供している場合です。
会社は、団体から得た収益や費用の全額を自身の計算に入れ、事業年度の終了時には団体の純資産残高を自社の純資産として申告加算する必要があります。ただし、会社と従業員からの負担が適切に区分されている場合、その区分に基づいて会社に帰属すべき収益や費用の計算が可能です。この区分は、「任意組合等の組合事業から分配を受ける利益等の額の計算」に沿って行います。分配割合に基づいて団体の収支や資産を配分し、これを法人に帰属するものとして税務上調整を行うことができます。この方法で剰余金や損失が発生した場合、団体に寄附金や交際費が含まれる場合にも、特定の分配割合に基づく計算が可能です。ただし、預金利息などの収入に対する所得税額の控除や、特定の準備金の積立て規定の適用は認められません。