役員に供与した経済的利益と仮装経理等により支給した役員給与の関係

Q.役員に毎月定額の渡切交際費を支給した場合や、法人が毎月役員の家事使用人の給料を負担した場合、そのような費用を支出することが仮装経理に該当し、仮装経理等により支給した役員給与として、その全額が損金不算入とされますか。

A.ご質問の主旨は、「毎月定額で支給される渡切交際費や家事使用人の給料が、仮装経理等による役員給与とみなされ、全額が税務上の損金算入の対象外になるか」ということです。ここでいう仮装経理とは、実際の経済的取引を偽装する会計処理を指します。例えば、会社が役員に無利息でお金を貸し出すケースでは、このお金に対する利息相当額を役員給与として処理しない限り、事実の隠蔽にはならず、これは仮装経理には該当しません。しかし、貸し出される元本そのものが帳簿に記載されていない場合、無利息の貸付けそのものが経済的利益として認識され、事実隠蔽となり得ます。

また、渡切交際費や家事使用人の給料は、実際の費用内容を隠す目的があるため、これらは仮装経理に該当する恐れがあります。しかし、会社がこれらの費用について役員給与として所得税の源泉徴収を適切に行っていれば、事実を隠蔽しているわけではないため、税法上意図的な違反とはみなされません。したがって、これらの支出が自動的に損金不算入の対象になるわけではありません。

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