季節遅れの商品を評価減する場合の時価

Q.流行の移り変わりが激しく、季節商品が売れ残る場合、どのようにしてその商品の時価を算出すればよいですか?

A.流行が変わりやすく季節物の商品が次のシーズンまで売れ残った場合、通常の価格で販売できなくなることが過去の実績やその他の状況から明らかであれば、その商品は価値が大きく落ちたとみなし、事業年度の終了時にその時点での市場価格(時価)まで価値を下げることができます。この「時価」とは、その資産が通常売りに出される価格を指しますが、例えば年度末が12月31日の場合、その時期に夏物を売ろうとしても売れないため、次の夏までに売れるであろう価格が時価となります。これは、売れ残りの季節商品に対して、その時点での取引実績がないため、類似の商品の過去の販売実績などを参考にして、どれだけ値下げすれば次のシーズンに売れるかを推測し、その価格を時価として設定します。棚卸資産の価値が著しく落ちるのは、商品自体に物理的な欠陥がなくても、季節遅れや流行遅れ、新製品の登場など経済的な環境が変わることでその価値が大きく下がり、今後価値が戻る見込みがない状態を指します。価値の大幅な低下の具体的な基準は示されていませんが、棚卸資産は価値が下がった場合に価値が回復する可能性がほとんどないため、市場有価証券のように「50%相当額を下回る」ことを基準にするのは適切ではありません。つまり、棚卸資産では50%の減少に達していなくても、評価損を損金として計上できる場合があります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です