収用等の場合の圧縮記帳の適用 と特別控除の適用 との関係

Q.3月31日決算の会社が、令和5年7月に工場用地の一部を土地収用法の規定に基づき道路用地として収用された場合、補償金7650万円を受け取り、収用された土地の帳簿価額は750万円、譲渡に要した経費は150万円です。この補償金で、当期中に別の土地を6000万円で購入した場合、収用の場合の課税の特例の適用はどのようになりますか?

A.まず、会社が意図しないで資産を強制的に買い取られるケースでは、その取得した補償金で別の資産を買った際、税法上2つの重要な特例が適用されます。一つ目は、収用等について資産を取得してから2年以内に代替資産を取得した場合、その代替資産に対して圧縮記帳の特例が使えるというものです。この場合、補償金から新しく購入した土地の金額を差し引いた後、さらに収用された土地の帳簿価額と譲渡にかかった費用を差し引いた金額が、圧縮記帳の対象となります。具体的には、6000万円から譲渡資産の帳簿価額と譲渡費用を差し引いた5400万円が、新しく購入した土地の帳簿価額として設定されます。この結果、新しい土地の税務上の帳簿価額は600万円となり、これによって通常は課税される7650万円から5400万円を差し引いた1350万円が今回の収用で課税されます。

二つ目は、「収用資産の譲渡益」と「一暦年につき5000万円」のいずれか低い金額について、特別控除の特例を適用することができるというものです。このケースでは、特別控除の額が5000万円になります。これらの特例は、法人が意図しない状況下で資産を失い、それを補填するための補償金で代替資産を取得するときに税負担を軽減するために設けられています。ただし、これらの特例の適用を受ける場合は、その詳細を申告書に添付する必要があります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です