Q.土地の収用に伴い、その土地上の建物の移転補償金を受けましたが、建物を移転せずに取り壊し、代わりの建物を新築する予定です。建物を取り壊して代わりの建物を新築する事業年度が、土地の収用があった日を含む事業年度後の事業年度となる場合、移転補償金について特別勘定に経理する金額はどのように計算すればよいですか?
A.土地の収用に関連して建物の移転補償金を受け取った場合、その建物を移転せずに取り壊すと、その補償金はその建物の対価補償金として扱われます。この場合、代替資産(新しい建物)を取得する際にその資産の価値を調整する圧縮記帳が可能です。代替資産の取得が土地の収用があった日を含む事業年度の翌年度以降に延びる場合、補償金が交付された事業年度の確定した決算で、次の計算式によって求められる金額を特別勘定として経理し、損失として計上することができます。計算式は「(補償金の額(既に代替資産の取得に使われた部分を除く))/(補償金全額)×(取り壊し前の建物の帳簿価格)」となります。ただし、代替資産の取得が収用日を含む事業年度から原則として2年以内に限定されます。もし取り壊しも翌事業年度以降となる場合、取り壊し費用等の金額は確定せず、また取り壊し前の建物の帳簿価値の処理がその事業年度の末では不可能です。このため、代替資産の取得に向けた補償金全額を特別勘定として計上することが許されています。