レジャークラブの入会金と消費税

Q.従業員の福利厚生としてレジャークラブの法人会員として入会し、入会金を支払った場合、この入会金は課税仕入れになるでしょうか?

A.ゴルフクラブや宿泊施設などのレジャー施設を運営する団体から返還しない入会金を受け取る場合、その入会金は消費税の課税対象となります。従って、入会金を支払った場合、その入会金は課税仕入れとして扱われます。しかし、入会金を受け取る団体と会員の間の対価関係が明らかでない場合、その入会金を課税仕入れとしなくても許容される場合があります。

参考:法2①十二、基通5-5-4、 5-5-5、 11-2-7

従業員クラブのレクリエーション費用と課税仕入れ

Q.従業員団体に対してレクリエーション費用の一部または全部を賄うために支出した金銭が課税仕入れに該当するか、また、支出した金銭がレクリエーション費用として消費されたことが領収書で確認できる場合はどうか。

A.従業員団体に一括して交付される金銭は、事業者から見て独立した団体への補助金のようなものであり、課税仕入れには該当しません。ただし、その支出した金銭がレクリエーション費用として消費されたことが従業員団体の領収書で明確にされている場合、その金額は課税仕入れとして扱うことができます。

消費税法基本通達1-2-4では、事業者の役員や使用人で構成される団体が、親睦や福利厚生に関する事業を主な目的として行い、その経費の相当部分を事業者が負担する場合、事業の全部を事業者が行ったものとみなします。これには、事業計画や重要な運営案件の決定に事業者の許諾が必要な場合、事業に必要な施設の大部分を事業者が提供している場合などが含まれます。

利子補給金の消費税取扱い

Q.従業員の住宅取得を促進させるために、会社が設けた住宅取得資金貸付制度において、従業員の金融機関からの借入に対し会社が利子補給金として支払利息の一部を補助する場合、この利子補給金に関する消費税の取扱いはどのようになりますか?

A.会社が従業員に対して住宅取得資金の利息の全部または一部を利子補給金として給付する場合、この利子補給金は従業員への経済的利益の供与と見なされ給与に該当します。ただし、利子補給金の支給を受けても従業員の自己負担金利が年利1%以上である場合は、所得税が課税されません。このため、利子補給金は課税仕入れには該当せず、仕入税額控除の対象外になります。金融機関においては、利子補給金部分も含めた総利息が受取利息として非課税売上となります。

参考:法2①十二、6①、法別表第一第3

会社が一部負担する社員の借家料

Q. 当社では、従業員の借家の賃料の一部を会社で負担しています。この場合、当社が支払う賃料は仕入税額控除の対象になりますか?

A. 従業員の借家料の一部を会社が所有者に直接支払う場合でも、その金額は給与に相当するため、仕入税額控除の対象にはなりません。

参考:法2①十二、基通11-1-2

航海日当の税法上の取り扱い

Q.当社では乗船中の船舶乗組員に日当を支給しており、所得税法上では非課税所得とされていますが、消費税法においては航海日当も課税仕入れに該当するかどうか知りたいです。

A.従業員に支給される出張旅費、宿泊費、日当は、その旅行が通常必要であると認められる部分に関しては課税仕入れに該当します。ただし、海外出張で支給されるものについては、消費税の輸出免税対象であるため、国内での課税仕入れには該当しません。航海日当もこの扱いに準じますので、内国航海に係る航海日当は課税仕入れに該当しますが、外国航海に係るものは該当しないとされます。その結果、内航船の乗組員への航海日当は課税仕入れに該当し、仕入税額控除の対象となりますが、外航船や遠洋漁業船の乗組員に支給される航海日当は控除対象にはなりません。

参考:法2①十二、基通11-2-1

外国貨物の保税運送の場合の運送代について

Q.我々輸入業者は、外国から輸入した貨物をA保税蔵置場から税関の承認を得て、B保税蔵置場に搬入する運送を甲海運に頼みました。この時、甲海運に支払う運送代は消費税法上の課税仕入れに当たり、仕入税額控除の対象になるでしょうか?

A.仕入税額控除の対象となる課税仕入れは、事業者が役務の提供を受けること、ただし非課税や免税を除く、とされています。このケースでは、貴社が甲海運に依頼した外国貨物の運送は、「外国貨物の荷役、運送、保管、検数、鑑定等に関する免税対象役務」として免税されます。従って、甲海運に対する運送代の支払いは課税仕入れにあたらず、仕入税額控除の対象外となります。

参考:法2①十二、7①五、令17② 四

転勤に伴い支払われる支度金

Q. 社員が人事異動で転居する際に支給される「転居支度金」は、課税仕入れに当たるか。

A. 社員が転勤で転居する際に事業者が支払う引越費用、旅費、宿泊費など、通常必要とされる費用については課税仕入れに該当します。この「通常必要」とされる範囲については、所得税基本通達に基づき判定され、非課税とされる部分であれば、仕入税額控除の対象となります。非課税範囲かどうかの判断には、支給額が適正かつ業界内で相当と認められるかどうかが考慮されます。

参考:法2①十二、30、 基通11-2-1 

自動車通勤の場合の通勤手当

Q.自動車通勤を認めている従業員にガソリン代相当額を通勤手当として支給している場合、この通勤手当は課税仕入れに該当しますか?

A.従業員に支払う通勤手当は、通勤に必要な交通機関利用や交通用具の使用にかかる費用を補填するものとして、通常必要と認められる範囲の金額であれば、課税仕入れに係る支払対価として扱われます。従って、自動車通勤者に対し、通勤に必要なガソリン代を通勤手当として支給している場合、その支給額全額が課税仕入れに関わる支払対価に該当します。

参考:法2①十二、30、基通11-2-2

所得税の非課税限度額を超える通勤手当

Q.遠隔地から通勤する従業員に対して、特急料金を含む通勤手当を支給しています。所得税法上の非課税限度額を超えた場合、消費税法上この超えた部分は課税対象になりますか?

A.所得税法では通勤手当の非課税限度額について明確な基準がありますが、消費税法上はそのような制約はありません。従業員が実際に通勤にかかる費用として特急料金等を含む通勤手当を支給され、それが特急利用のために使われている場合、この支給された通勤手当は課税仕入れに関する支払対価として扱われます。

参考:法2①十二、30、 基通11-1-2、 11-2-1 

従業員からの自家用車の借上げ

Q.従業員所有の自家用車を借り上げて営業活動に使用している場合、その借上料は課税仕入れに該当するか。

A.従業員から自家用車を借り上げる場合、走行キロ数やガソリン代の実費を基に算出される車両の賃借料は、仕入税額控除の対象となります。これは課税資産の譲渡や貸し付けに該当するからです。ただし、借上料の中に実費を超えて従業員への給与として課税されるべき部分が含まれる場合には、その部分は課税仕入れには該当しません。

参考:消費税法第12条、基本通達11-1-2、11-1-3