Q.当社は、金属機械の製造業を営んでいます。今回、最新式の工作機械を買い入れ、据え付けたところで決算期末を迎えました。まだ、この機械を使って製品の生産を始めておりませんが、当期において減価償却してもよいでしょうか。
A.減価償却資産の償却開始の日は、事業の用に供した日となっています。この「事業の用に供した日」とは、一般的にはその減価償却資産のもつ属性に従って本来の目的のために使用を開始するに至った日をいいます。
御質問の場合、機械を工場内に搬入しただけでは事業の用に供したとはいえず、その機械を据え付け、試運転を完了し、製品等の生産を開始した日が事業の用に供した日となります。
なお、事業の用に供した日とは、資産を物理的に使用し始めた日のみをいうのではなく、例えば、工具の場合には、使用するために用品倉庫から工場(現場)へ払い出したときに事業の用に供したものと考えられています。
また、賃貸マンションの場合には、建物が完成し、入居募集を始めたときに事業の用に供したものとされており、全室に賃借人が入居しなくてもその建物の全部について償却を開始することができます。
参考:令13(減価償却資産の範囲)、措通65の7(2)-2(買換資産を当該法人の事業の用に供した時期の判定)