譲渡所得等の課税の特例

Q.私は、5年前から居住しているマンションをこの度、譲渡しようと思っています。このマンションのうち建物は私が区分所有していますが、その敷地は区分所有に係る建物の床面積の比による共有となっています。この場合、居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除の特例は、その敷地部分についても適用できるでしょうか。

A.はい、居住していたマンションを譲渡する場合、建物だけでなく敷地の持分に関しても、3,000万円の特別控除の特例が適用可能です。具体的には、譲渡する不動産が居住用であった場合、その敷地持分も共に居住用財産と見なされます。ただし、敷地の共有持分の比率と、建物の床面積の比率がほぼ同じである場合に限ります。その敷地部分についても居住用財産として特例の適用を受けることができます。

土地と家屋の所有者が異なる場合の税金特例

Q.私が所有している土地に父名義の家屋が建っており、私が居住しています。この土地及び家屋を譲渡する場合、私の譲渡所得の計算上、居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例を適用できますか?なお、父は別に住宅を持っており、別居しています。 A.残念ながら、お父さんがその家屋に居住していないため、あなたもお父さんも居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除を適用することはできません。家屋の所有者と土地の所有者が異なる場合、一般に家屋の所有者だけが居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除を利用できます。しかし、特定の条件を全て満たしている場合、土地の所有者もこの特例の適用が可能です。この条件には、家屋と土地が同時に譲渡され、家屋の所有者と土地の所有者が親族関係にあり、共に生計を立てていること、そして土地の所有者が家屋の所有者と同居していることが含まれます。特別控除はまず家屋の譲渡所得から控除され、残額があれば土地の譲渡所得から控除されます。

居住用家屋を取り壊し、新しく建てたマンションと交換する場合の特別控除適用条件

Q.居住用家屋を取り壊し、その敷地に建築されたマンションと交換した場合、居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除の適用を受けることができますか?

A.居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除の適用を受けるためには、以下の3つの条件を全て満たす必要があります:

1. 家屋を取り壊した日から貸し出しやその他の目的で利用していないこと。

2. A建設会社との交換契約を、取り壊した翌年度の4月1日までに結ぶこと。

3. 建築された後のマンションの取得を、交換契約を結んでから2年と9ヶ月以内までに完了すること。

この特別控除は、居住用の家屋または家屋と一緒にその敷地を譲渡した場合に基本的に適用されます。しかし、譲渡の際に家屋を取り壊す方が条件がよい場合が多いため、家屋を取り壊して敷地のみを譲渡した場合でも上記の条件を満たせば特別控除が適用されます。

譲渡所得等の課税の特例

Q.戦前から居住の用に供していた家屋を取り壊して、その跡地にマンションを建築し分譲しました。このマンション分譲による譲渡益のうち、土地の譲渡による所得については、居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除の特例を適用することができますか。なお、私は他に居住用建物を取得し転居しています。

A.居住用財産の土地を含めたマンション建設後の分譲では、マンション建設前に居住していた家屋を壊しているため、その土地は居住用財産とはみなされません。その結果、居住用財産を譲渡した場合に適用される3,000万円の特別控除の特例を利用することはできません。土地の譲渡による所得は、主に事業所得または雑所得として扱われますが、特定条件の下では一部が譲渡所得として扱われることもあります。該当する場合でも、マンション建築に関連する土地譲渡の利益からは建築利益や土地の価値上昇分を除いた部分のみが譲渡所得として考慮されます。

居住用財産の一部の譲渡

Q.子供たちが独立して妻と2人だけになったので、これまで家族と共に住んでいた2棟の家のうち1棟を売却しました。現在は残った1棟で妻と暮らしていますが、この売却に関して3000万円の特別控除の特例を受けられるかどうか知りたいです。

A.譲渡された後、残った1棟の家に居住しているので、居住用財産の一部を譲渡したことになります。そのため、居住用財産を譲渡した場合の3000万円特別控除の特例を受けることはできません。この特例は、自分が実際に住んでいる家全体を売った場合にのみ適用されます。したがって、以下のような場合は、家全体を譲渡したとはみなされないため、特例を適用できません:1) 居住している家の一部だけを売った場合、2) 複数の建物からなる一つの住宅のうち一部だけを売った場合。ただし、売却後に残った部分が独立した住宅として機能しない場合に限り、譲渡された家の一部は「居住用家屋の譲渡」と見なされ、特例の対象になります。

家屋と土地の譲渡先が異なる場合

Q.居住の用に供していた家屋とその敷地を譲渡することになりましたが、不動産仲介業者のあっせんにより、家屋とその敷地を別々に譲渡することになりました。この場合、譲渡先が異なっても3,000万円の特別控除の特例の適用はありますか。

A.居住用の家屋とその土地を別々の人に同時に譲渡しても、3,000万円の特別控除が適用されます。この特別控除は、自分が住んでいた家とその土地を一緒に譲渡すれば、譲渡先が異なっても大丈夫です。つまり、家と土地を同時に売れば、3,000万円の控除を受けられるということです。

譲渡所得等の課税の特例

Q.共有物件2戸のうち1戸の譲渡では、兄弟3人の中で居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除の特例はすべての兄弟に適用することができるのでしょうか?

A.居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除の特例について、長男が住んでいた家に対しては適用されますが、その他の2人の弟には適用されません。この特例は、本人が実際に生活の根拠地として使用している家にのみ適用されます。このケースでは、譲渡された家は長男が実際に住んでおり、生活の中心として使用していたため特例の対象となりますが、弟たちはその家を生活の本拠として利用していないため、特例は適用されません。

譲渡所得等の課税の特例

Q. 私は、本年1月に20年間居住の用に供した家屋とその敷地を3,000万円で譲渡し、同月銀行ローン1,000万円を加えて4,000万円で分譲住宅を取得し、翌月2日にそこに居住しました。しかし、個人事業が不振に陥り、運転資金が必要になったため、その土地建物を本年10月に4,500万円で譲渡しました。このように同一年中に2度居住用財産を譲渡した場合、3,000万円特別控除の特例の適用関係はどうなりますか?

A. 同一年中に2度居住用財産を譲渡した場合でも、3,000万円の特別控除の特例をそれぞれの譲渡に対して適用することができます。この特例は、譲渡した年の前年または前々年に特定の条件に該当しない場合に限り適用できます。この特例により、2つの譲渡による譲渡益の合計から、最大3,000万円を控除できます。控除はまず10月に譲渡された譲渡益から適用され、残りが1月に譲渡された譲渡益から控除されます。また、自己および被相続人の居住用財産を同一年中に譲渡した場合の3,000万円控除も、合わせて3,000万円が上限となります。

転勤により居所を離れた家屋の譲渡

Q.数年前に転勤で住んでいた家を離れて単身赴任しました。転勤が終了したら元の家に戻る予定でしたが、現在の場所に家を買い、家族と共に住んでいます。元の家は母と長男が住んでいますが、長男の高校卒業後に売る予定です。この場合、居住用財産を譲渡した際の税金の特例を受けるためには、いつまでに売れば良いですか?

A.新しい住居を取得してから3年後の年末までに元の住居を売却すると、居住用財産の譲渡に関する税金の特例を受けることができます。たとえ転勤や特定の理由で家族と離れて別の場所で暮らしていても、その事情がなくなり、再び家族と同じ居所で暮らすことになる場合、その人が居住していない家も居住用の家とみなされます。しかし、この特例を受けるためには、その人が主に住んでいる家が一軒だけである必要があり、この家に対して最大3,000万円までの控除が適用されます。

譲渡所得等の課税の特例

Q.今年の2月に妻と離婚し、子供は妻が養育することになりました。この離婚に伴い、居住していた居宅を妻に分与し、さらに子供が大学を卒業するまで毎月生活費として10万円を支払うことになりました。この場合、居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除の特例の適用は可能ですか?

A.はい、あなたと元奥さんは、居住用財産を譲渡した場合に適用される3,000万円特別控除の特例を利用できます。離婚による財産分与は、離婚が原因で発生した財産分与義務を果たす行為と見なされ、この義務の消滅という経済的利益をもたらす譲渡に該当します。そのため、財産を譲渡したとみなされ、所得税がかかります。しかし、分与された財産が住居の場合、3,000万円の特別控除が可能ですが、これは通常、特定の近親者への譲渡には適用されません。ただし、離婚に伴う財産分与は、離婚後に行われる譲渡であり、特定の近親者への譲渡とは見なされず、さらに、養育費によって生計を維持しているとしても、特殊な関係のある者とは見なされません。また、分与された資産が長期所有されていた場合は、特定の税率が適用されますが、特例を利用するには確定申告を行う必要があります。財産分与を受けた側には通常、贈与税はかかりませんし、その財産の取得費は分与時の価値で計算されます。