特定期間に取得 した土地等の長期譲渡所得の 特別控除

特定期間に取得した土地等の長期譲渡所得の特別控除

Q.特定期間に取得した土地等の長期譲渡所得の特別控除の概要について教えてください。

A.平成21年1月1日から平成22年12月31日の間に日本国内で購入した土地や土地に関連する権利(以下「土地等」とします)を、購入後5年以上経過してから売った際の利益(譲渡所得といいます)に対して、最大1,000万円の控除が受けられます。この控除は、売却した年の1月1日時点で所有している期間が5年を超える場合に適用される特別なルールです。ただし、特定の家族や特殊な関係にある人から購入したり、相続や贈与などで取得した土地等はこの特別控除の対象外となります。

被相続人居住用家屋の敷地等の判定

Q.令和5年1月に父が死亡し、父が亡くなる直前まで居住していた父所有の建物(母屋:350ボ、離れ:100ボ、倉庫:50ぷ)とその敷地(L000ゴ)を、それぞれ私が4分の3、弟が4分の1の割合で相続しました。建物を全て取り壊して更地にした後、同年10月、私と弟はその更地を売却しました。被相続人の居住用財産の譲渡所得の特別控除の特例の適用に当たっては、被相続人居住用家屋の敷地等の部分しか対象とならないと聞きましたが、どのように特例が適用となる部分を計算するのですか?

A.特例が適用される部分の計算には、相続開始直前にその土地が母屋や離れなど、用途上不可分の関係にある2つ以上の建築物があった場合、その土地内で母屋(被相続人居住用家屋)の床面積が占める割合を基に計算されます。この割合をその土地の面積に適用して、特例の対象となる土地部分の面積が求められます。具体的には、譲渡した土地の面積と相続開始直前にその一団の土地に存在した建物の床面積を使って計算します。この場合、あなたが相続し、その後売却した土地750ボのうち、被相続人居住用家屋の敷地等に該当する部分は525ボ、あなたの弟が売却した土地250ボのうち、該当する部分は175ボとなります。

被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別 控除

被相続人の居住用財産 に係 る譲渡所得の特別控除の特例 について

Q.被相続人の居住用財産の譲渡所得の特別控除の特例があると聞きましたが、どのような制度なのですか。

A.この制度は、相続や遺贈で被相続人が住んでいた家やその敷地を取得した個人が、平成28年4月1日から令和9年12月31日の間にその財産を譲渡した場合、譲渡所得から最大3,000万円を差し引くことができる特例です。ただし、令和6年1月1日以降の譲渡では、相続人が3人以上の場合は控除額が2,000万円に減額されます。特定の事由により被相続人が最初に住んでいた以外の場所で生活していた場合も、この特例の対象となります。この特例は、被相続人が主に住んでいた家が条件に合う場合、及び特定の耐震基準を満たすリフォームがされた家や、家を取り壊した後の土地の譲渡でも適用されます。他の特例との選択適用が可能で、複数の特例を組み合わせて利用することができます。

住民基本台帳に登載されていた住所が譲渡資産の所在地と異なる場合

Q.私は、O市で飲食店を経営し、住居はA市にあります。この度、A市の住宅を譲渡することになりましたが住民登録は営業所であるO市にあります。居住用財産の3,000万円特別控除の特例の適用を受けるためにはどうすればよいのでしょうか。

A.もしあなたが売却する不動産が住民基本台帳上の登録住所と異なる場合、特別控除を受けるためには次のような準備が必要です。まず、譲渡した日から2ヶ月以内に受け取った戸籍の附票の写し、またはそれが消去された場合の戸籍の附票の写しを用意してください。加えて、住民基本台帳に登録された住所と財産の所在地が異なる理由を詳細に説明した文書、そして財産に実際に居住していたことを示す書類(例:公共料金の領収証)も必要とされます。これらの書類を確定申告書に添付して提出することで、特例の適用を受けることができます。

事業用資産の買換えと特別控除の関係

Q.令和2年7月に居住用家屋の一部を改造し店舗として使用していましたが、令和5年4月にこの店舗兼住宅を譲渡しました。この場合、居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除の特例を適用できますか?また、事業用部分の譲渡については、特定の事業用資産の買換えの特例を適用できますか?

A.店舗兼住宅の事業用部分を譲渡する際、特定の事業用資産の買換えに関する特例の適用が可能です。さらに、居住用財産を譲渡する際の3,000万円特別控除の特例については、その適用には二つの条件があります。

1. もし事業用部分の譲渡で特定の事業用資産の買換えの特例を受けない場合、その店舗兼住宅全体に対して居住用財産の譲渡に際する3,000万円の特別控除を適用できます。

2. しかし、事業用部分の譲渡で特定の事業用資産の買換えの特例を利用する場合、居住用部分に対してのみ3,000万円の特別控除が適用可能です。

居住用財産を他人に賃貸し、2年経過後に売却した場合の特例適用について

Q.私は、家が狭くなったので、新しい家を建ててそこに引越ししました。前の家は2年間他人に貸していましたが、今回借主の希望で売却しました。この場合、居住用財産を売却した際の3,000万円の特別控除の特例を受けることは可能ですか。

A.はい、可能です。居住用として使用していた家を、それを使用しなくなってから3年以内の12月31日までに売却した場合は、3,000万円の特別控除の特例が適用されます。ここで重要なのは、その家が居住用の家かどうかは、その家を居住用として使用しなくなった時点で判断される点です。

居住している者が譲渡人と生計を一にする親族でない場合の譲渡

Q.妻の所有する家屋に現在妻の母が居住しています。妻の母は亡父の遺産で生計を立てていますが、高齢になったので引き取って扶養することになり、その家屋を譲渡することになりました。この場合、居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除の特例の適用を受けることができますか。

A.あなたの妻の母は、あなたの妻と経済的に一つの生活を共にしている親族ではありませんので、家を売った際の3,000万円の特別控除の特例を利用することはできません。生活を共にしている家族が住んでいる家を売る際に、3,000万円の特別控除が適用される家の基準については、以前説明した通りです。

生計を一にする親族の居住の用に供している家屋

Q.私はマイホームを購入し、妻と娘、息子と住んでいましたが、4年前に転勤により東京の社宅に妻と入居しました。マイホームには学校の関係で娘と息子が住んでいましたが、それぞれ就職、進学するため、この機会に売却しようと考えています。この場合、居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除の特例の適用を受けることはできますか。

A.はい、以下の条件を全て満たす場合には、居住用財産を譲渡した際の3,000万円特別控除の特例を適用することができます。1) 譲渡する家屋は、あなたが過去に自ら居住用として使っていたものであること。2) あなたが居住用として使わなくなった後も、あなたと生計を一にする親族が居住用として使っていたこと。3) あなたがその家屋を居住用として使わなくなった後、居住用財産の譲渡による税制上の特例(3,000万円特別控除や、買換え特例など)の適用を受けていないこと。4) あなたが現在居住している家は、あなたの所有する家ではないことです。これらの条件を満たしていれば、特例の適用が可能です。

居住用家屋の所有者と土地の所有者が異なる場合の譲渡と3年に1回の適用との関係

Q.私は2年前に居住用財産を譲渡し、その譲渡所得については、居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除の特例の適用を受けました。その年に私は、その譲渡代金で父の所有する宅地に家屋を新築して父と居住していたのですが、事情があって今年、この私の家屋とその敷地である父の宅地とを同時に譲渡しました。この場合、居住用財産を譲渡した場合の特別控除の特例は適用できるでしょうか。

A.あなたは2年前に3,000万円の特別控除を使いましたので、今年あなたの家を売った時の利益にこの特別控除を利用することはできません。また、この特別控除は家の所有者であるあなたに適用されないため、土地の所有者であるあなたのお父さんもこの特別控除を受けることはできません。居住用財産を売った時に利用できるこの3,000万円の特別控除は、直前の年やその前の年にこの免除を利用していたり、特定の条件がある場合には使えないことがあります。また、家を売る時に一緒に土地も売る場合、その特別控除は家の所有者だけが利用できるため、家の所有者がそれを使えなければ、土地の所有者も使えません。

譲渡所得等の課税の特例

Q.共有家屋とその敷地をAとBが譲渡した場合、居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除の特例の適用関係はどうなりますか?なお、家屋の各階部分の床面積の比はすべて等しいとします。

A.AとBは、共に家屋と敷地の持分のうち、3分の2に相当する部分について特別控除の特例が適用されます。居住用財産の譲渡に関するこの特例は、その人が居住している家屋やその敷地を譲渡した場合に適用されます。譲渡された家屋に居住用と非居住用の部分がある場合、特例適用は居住用に供している部分に限定されます。共有で家屋と土地を持ち、家屋の各階が異なる用途で使われている場合、居住用部分の認定が重要です。この場合、特例対象となる部分を判定するには、家屋と敷地の共有持分が反映されます。AとBのケースでは、それぞれの居住専用割合が共有持分の割合未満であるため、家屋と敷地の持分のうち3分の2が特例の対象となります。