転居した年の前年に住宅借入金等特別控除の適用を受けていなかった場合の再適用制度の取扱い

Q.令和3年に住宅を購入し、その年は住宅借入金等特別控除の適用を受けましたが、令和4年に合計所得金額が3,000万円を超える譲渡所得があったため、控除の適用がありませんでした。令和5年4月に転勤が決まり、転居しましたが、将来その住宅に再び住むことになった場合、住宅借入金等特別控除の再適用を受けられるのでしょうか?

A.住宅借入金等特別控除の再適用は、一度適用を受けたことがある人に許可されます。重要なのは、家を住宅として使用しなくなった年の直前年まで連続してこの控除の適用を受けている必要はないということです。ですから、あなたが令和3年にこの控除の適用を受けていて、令和4年に所得制限で適用されなかったとしても、他の条件を満たしていれば、住宅借入金等特別控除の再適用が可能です。

住宅借入金等特別控除の対象となる家屋の新築、購入及び増改築等

Q.住宅借入金等特別控除の対象となる家屋の新築、購入及び増改築等とは、どのようなものをいうのでしょうか。

A.住宅借入金等特別控除の対象となる家屋の新築、購入及び増改築等には以下の条件を満たす家屋が含まれます。これらの家屋は自分が所有し、住むために使うものに限ります。もし自分が使用する家が複数ある場合は、主に住む家が対象です。

1. 新築および購入される家屋

   – 床面積が50平米以上必要です。

   – 床面積の半分以上が住居用に使われていること。

   – 認定住宅等の特例を受ける家屋は、認定を受けた家屋である必要があります。

2. 買い取り再販される家屋

   – 購入条件は1の新築・購入と同じ床面積の要件を満たす必要があります。

   – 宅建業者が特定の条件を満たして改修した既存の家屋で、取得から2年以内のもの。

   – 1982年以降に建てられた家屋、またはそれ以前でも特定の耐震基準に適合する家屋。

3. 中古住宅の購入

   – 新築・購入と同じ床面積の要件を満たす必要があります。

   – 令和4年以降に住む場合は、特定の耐震基準に適合している必要があります。

   – 購入日以前25年以内に建てられた耐火建築物、または20年以内のその他の建築物。

4. 耐震改修が必要な住宅の購入

   – 新築・購入と同じ床面積の要件を満たす必要があります。

   – 既に使用されている家屋で、必要な耐震改修を申請し、改修後に耐震基準に適合している証明がされた家屋。

5. 増改築等工事

   – 工事費用が100万円以上。

   – 工事の半分以上が住居用に関わる部分でなければなりません。

   – 添加増や修繕など、特定の種類の増改築が対象となります。

相続税の総額の分割計算方法

Q.相続税法第17条の規定による相続税額の計算について教えてください。私(妻)が3分の1、長男が3分の2を相続する状況で、相続税の総額を各相続人の割合で分ける際、割合を妻0.33、長男0.67とせず、妻0.34、長男0.66として申告してもよいのでしょうか。

A.はい、妻を0.34、長男を0.66として申告しても問題ありません。相続税法の第17条では、相続財産の価値がその財産を受け取る全ての人々の中で占める割合に関して述べています。ここでは、小数点以下第2位の数字を調整して、全ての受け取る人々の割合の合計が1になるようにすることが許されています。つまり、すべての相続人が同意する方法で割合を調整し、相続人それぞれの税額を計算する際に、その調整後の割合を使うことが可能です。

再適用

Q.令和元年6月に住宅を取得し、住宅借入金等特別控除の適用を受けていましたが、令和5年4月に勤務先からの転任命令で3年間転居し、その後再び同居する予定です。この場合、住宅借入金等特別控除の適用はどうなりますか?

A.勤務先からの転任命令などやむを得ない理由で住宅を居住用途に使えなくなり、その後再び居住用途に使った場合、住宅借入金等特別控除の再適用が可能です。具体的には、再居住した年から再度、特別控除を受けられる期間が始まりますが、転居前に特定の条件を全て満たしている必要があります。これには以下のポイントが含まれます:1) 控除の適用を受けていたこと、2) 転居の理由が転任命令などやむを得ないものであること、3) 再居住日が控除期間内であること、4) 再居住日以降、その年の12月31日まで続けてその家に住んでいること、5) 居住用途に使わなくなる前に特定の届出や書類を提出していること、6) 再適用を受ける初年度の確定申告で、特別控除に関する情報と必要な書類を提出することです。これらの条件を満たす場合、再び居住した年以後に再度特別控除の適用を受けることができます。あなたの場合、令和7年から令和9年まで再適用を受けることが可能です。

2年目以後の年分に係る添付書類

Q.私は令和4年6月に住宅を取得し、住宅借入金等特別控除の適用を受けました。住宅借入金等特別控除は10年間適用を受けられると聞きましたが、2年目以後の手続きはどのように行えばよいのでしょうか。

A.住宅借入金等特別控除は10年間、あるいは13年間の適用が可能です。2年目以降については、手続きが簡便化されており、確定申告または年末調整の際に特定の書類を添付することで、引き続き控除を受けることができます。確定申告で控除を申請する場合には、住宅取得資金に関する借入金の年末残高証明書、および(特定の場合には)住宅借入金等特別控除額の計算明細書が必要です。給与所得者が年末調整で控除を申請する場合には、前年に確定申告で控除を受けた人は、特定の申告書と住宅借入金等特別控除証明書を供出する必要があります。控除を適用後の年には、税務署から必要な書類が送付されるため、申請が簡単になります。ただし、令和5年1月1日以降に住宅を居住用に供した場合、年末残高証明書の添付は基本的に不要です。

身分関係が重複する養子がいる場合の相続人の数

Q.次のような場合、相続税の総額を計算する上での法定相続人及び法定相続分はどのようになりますか。

A.この場合、相続税を計算する際に考慮する法定相続人は、亡くなった人の妻と、子ども3人(A、b、そして養子1人)です。ここで、「孫b」は、亡くなった人の養子であるBの子供ですが、Bの死により孫bは代襲相続人となるため、養子の数の上限に関するルールを適用せずに実子と同様に扱われます。つまり、法定相続人として数えられます。法定相続分については以下の通りです:

– 妻乙は2分の1

– 実子Aは8分の1(半分を2人で分けるため)

– 孫bは4分の1(実子Aの分と同じく半分をさらに2人で分けるため)

– 養子1人も8分の1(実子Aと同様) 重要な点として、孫bは亡くなったBの代わりに相続する立場と、亡くなった人との養子関係によって直接相続人となる2つの権利を持っています。

身分関係が重複する場合の相続人の数

Q.間4-21の場合、私は亡父の代襲相続人としての身分(民法887条)と、養子縁組による嫡出子たる身分(民法809条)の二重の相続権を有していますが、相続税の総額を計算する場合の相続人の数はどうなりますか。

A.相続税を計算する際に、1人の相続人が複数の相続権を持つ場合でも、その人が2人分の相続人として数えられるわけではありません。したがって、この場合の相続人は祖母、叔母、あなたの合計3人となります。

住宅借入金等特別控除を受けるための手続

Q.住宅借入金等特別控除の適用を受けたいと思いますが、確定申告書に添付しなければならない書類について説明してください。

A.住宅借入金等特別控除の適用を受けるため、確定申告書には以下の書類を添付する必要があります。まず、控除を受ける金額の明細と計算方法が記載された計算明細書を含めます。その次に、「住宅取得資金に関する借入金の年末残高等証明書」が必要で、これは複数の金融機関から借り入れている場合、すべての証明書が必要です。令和5年1月1日以降に住宅を取得し住み始めた場合は、この証明書の提出は原則不要です。さらに、新築や中古の住宅、または増改築に関する書類、具体的には取得年月日、床面積、対価などが記載された書類が求められます。また、補助金の額や住宅取得等資金の額を証明する書類のコピーも必要とされます。住宅が耐震基準に適合していることを示す書類や、中古住宅とその敷地を一体で購入した場合は、その購入に関する書類も添付する必要があります。特定の認定を受けた住宅に関しては、その認定に関する書類も必要です。また、新型コロナウイルスに関する税制上の特例を利用する場合は、特定の申告書や証明書を添付する必要があります。重要なのは、必要な書類は購入した家の状態や取得経路、また利用する特例によって異なるため、各自の状況に応じて必要な書類を確認し、適切に準備することです。

住宅借入金等特別控除の控除額の特例

Q.平成19年改正で税源移譲実施の対応として創設された住宅借入金等特別控除の控除額の特例について、その概要を教えてください。

A.平成18年に行われた税制改正で、国と地方自治体の関係を改善するために、税金の一部を地方自治体に移譲する措置が取られました。この結果、所得税の金額が減り、住宅ローンを利用している人が受けることができる税金の特別控除(住宅借入金等特別控除)が十分に活用されない可能性が出てきました。それに対応するため、平成19年から平成20年にかけて、新しい家を購入して居住する場合に限り、特別な控除額を設ける特例が作られました。この特例は、住宅ローンの特別控除を従来の10年から選択により15年間受けられるようにするもので、控除額や控除率が特定の条件下で変更されます。この特例を利用するには、自己の住宅を購入した年の確定申告で選択する必要があり、一度選択すると後から変更はできません。また、平成19年から平成20年の間に自己の居住用に供した住宅に限られること、そして平成21年から平成28年までの間に供した場合は、住民税からの特別控除が可能となる別の制度があることも覚えておくと良いでしょう。

法定相続人の数に算入する養子の数の制限

Q.法定相続人の数に算入する養子の数の制限規定について説明してください。

A.相続税の計算で考慮される法定相続人の数への養子の含め方には制限があります。もし被相続人に実子がいる場合は、養子を1人までしか算入できません。実子がいない場合には2人までとなります。このルールは相続税の基礎控除、生命保険金や退職手当の非課税限度額、相続税総額の計算にのみ適用されます。しかし、死亡保険金や退職金の非課税規定、未成年者控除や障害者控除の適用は、これらの養子にも適用されます。ただし、税務署長が相続税の負担を不当に減少させると認めた場合には、養子の数を否認し相続税額を更正することがあります。

特別養子や被相続人の配偶者の実子である養子、代襲相続人にあたる者は、この制限の対象外として実子とみなされます。