納税猶予制度の適用要件

Q.農地等についての相続税の納税猶予及び免除等の適用要件について説明してください。

A.相続税の納税猶予及び免除等の特例を受けるには、特定の条件を満たし、所定の申告書と必要書類を相続税申告期限までに提出し、相続税額および利子税に相当する担保を提出するか、特例が適用される農地等全体を担保として提供する必要があります。以下が具体的な要件です。

(1)被相続人は、以下いずれかに該当する必要があります。

 イ. 死亡時まで農業を営んでいたこと(農業委員会の証明が必要)。

 ロ. 生前に農地等を一括で贈与し、死亡時まで贈与税の納税猶予、免除、納期限の延長の特例を受けていたこと。

(2)農業相続人について、農業委員会の証明を受け、以下いずれかに該当する必要があります。

 イ. 相続税申告期限までに農業経営を開始し、継続する見込みであること。

 ロ. 生前一括贈与の特例を受け、経営移譲年金を受け取る条件で使用貸借権を設定し、農業経営移譲を申告した受贈者であること(贈与者死亡後も農業経営を継続する場合に限る)。

(3)特例の対象となる農地等は、以下の条件を満たすものです。

 イ. 被相続人が農業用に使用していた農地等で、申告期限までに遺産分割されたもの。

 ロ. 被相続人から生前に一括贈与され、贈与税の納税猶予、免除、納期限の延長の特例を受けていた農地等。

 ハ. 相続または遺贈で財産を取得した人が、被相続人から生前に一括贈与された農地等。

農地等とは、一定の条件を満たす農地、採草放牧地、または準農地を指し、準農地とは10年以内に農地や採草放牧地に開発して農業用に供する土地を指します。

自己資金で認定長期優良住宅を新築した場合の所得税額の特別税額控除

Q.自己資金で家を建て替える場合、住宅ローン控除は受けられないと聞きましたが、他に税金で受けられる控除はありますか?建て替える家は認定長期優良住宅(200年住宅)で、建築面積が100平方メートルの鉄骨造です。

A.ご指摘の通り、住宅ローンを組まない場合、住宅ローン控除は受けることができません。しかし、お建てになる住宅が認定長期優良住宅で、2009年6月4日から2023年12月31日までの間に移り住む場合、「認定住宅新築等特別税額控除」の適用を受けることができます。認定長期優良住宅とは一般に「200年住宅」として知られ、下記の基準を満たすものを指します:

1. 購入後6か月以内に居住用途として使用していること。

2. 家屋の床面積が50平方メートル以上であること。

3. 床面積の半分以上が居住用として使用されていること。

4. 長期優良住宅に関する法律に基づく特定の証明を受けていること。

これらの条件を満たしているかどうかは、適切な証明書類により確認されます。

この特別税額控除を受けるには、年間の合計所得金額が3,000万円以下である必要があります。また、この特別控除を受ける年以降10年間は住宅ローン控除を受けることができなくなるため注意が必要です。さらに、控除できるのは居住開始の年度のみですが、控除できなかった金額は翌年に繰り越すことが可能です。

控除額の計算は、「認定住宅の構造及び設備に係る標準的な費用の額」に10%を乗じて求められます(最大650万円まで、100円未満は切り捨て)。2014年4月1日から2023年12月31日までの間に居住用に供された場合の標準的な費用は、住宅の構造に関わらず、一定の金額(45,300円、または2019年12月31日までは43,800円)に床面積を乗じて計算されます。

この特別税額控除制度には他にも「認定低炭素住宅」や「ZEH水準省エネ住宅」が対象となっており、詳細については別途確認が必要です。

既存住宅の耐震改修をした場合の所得税額の特別控除制度の適用

Q.既存住宅の耐震改修をした場合に所得税額の特別控除制度があると聞きましたが、その概要について教えてください。

A.日本では、大地震が頻繁に起きているため、住宅の耐震強化が大切な課題です。この問題に対処するため、政府は既存の住宅に対して耐震改修を行った場合、一定の条件を満たした場合に限り、所得税額から特別控除する制度を設けました。この制度は、平成26年4月1日から令和5年12月31日までに昭和56年5月31日以前に建築された家屋に新耐震基準を満たす耐震改修を行った人が対象です。条件としては、改修される家屋が現行の耐震基準に適合していない昭和56年5月31日以前に建てられたものであること、そしてその改修が指定された期間内に行われることなどがあります。制度を利用するためには、特別控除額に関する記載がある確定申告書と、必要な書類の提出が必要です。控除額の計算方法には、耐震改修工事の標準的な費用に関する計算などが含まれます。また、耐久性向上改修工事を行った場合も特定の控除が適用されます。この制度を通じて、住宅の耐震化を進めることが奨励されています。

納税猶予制度の適用要件

Q.農地等についての相続税の納税猶予及び免除等の適用要件について説明してください。

A.相続税の納税猶予及び免除の特例を受けるためには、次の条件を満たす必要があります。まず、一定の事項を記載した申告書と必要な書類を、相続税の申告期限までに提出しなければなりません。さらに、納税猶予分の相続税額と利子税の額に相当する担保を提出するか、または特例の対象となる農地等全体を担保にしなければなりません。具体的な適用要件は以下の通りです。

1. 被相続人が農業を営んでいた者、または農地等の生前一括贈与をした者で、一定の条件を満たしていること。

2. 農業相続人が被相続人の相続人であり、農業経営を開始し続ける者、または特定条件下で農業経営の移譲を行った者であること。

3. 特例の対象となる農地等は、被相続人が農業に使用していた農地、被相続人から生前一括贈与により取得した農地、または相続開始の年に被相続人から生前一括贈与を受けた農地であること。

また、「農地等」とは、農地及び採草放牧地、または準農地を指します。準農地とは、農用地区域内で農業振興地域整備計画に基づき用途区分が農地や採草放牧地とされている土地であり、10年以内に農業の用途に供するものを指します。

特定個人の判定時期

Q.令和5年12月に自宅のバリアフリー改修工事を計画しています。この改修工事に関し、50歳以上の特定個人の場合、住宅特定改修特別税額控除の対象となることを知りました。現在49歳で、工事完了時には50歳となりますが、この控除を受けられるでしょうか?その他の要件は全て満たしています。

A.住宅特定改修特別税額控除は、50歳以上などの一定条件を満たす個人が自己の住宅に高齢者等を対象とした居住改修工事を行い、平成26年4月1日から令和5年12月31日までの間にその住宅を自己の居住用として供した場合、所得税から一定額を控除できる制度です。特定個人の定義には、50歳以上の人、要介護や要支援の認定を受けた人、障害者、またはそれらの条件を満たす親族や65歳以上の親族と同居している人が含まれます。この年齢や同居状況の判定は居住年の12月31日の状況に基づいて行います。したがって、あなたが居住年の12月31日に50歳となるため、住宅特定改修特別税額控除の適用を受けることができます。

住宅特定改修特別税額控除の連年適用

Q.55歳の会社員であり、令和3年5月に同居している80歳の母のために住んでいる家でバリアフリー改修工事をし、住宅特定改修特別税額控除を受けました。今年(令和5年)、浴室や便所などの改修工事を行いました。住宅特定改修特別税額控除は3年以内に適用できないと聞きましたが、控除を受けることはできますか?他の要件は満たしています。

A.平成26年4月1日以降に、特定の個人がバリアフリー改修工事を行い、その住宅を居住目的で使用した場合、原則として前年を含む過去3年間に住宅特定改修特別税額控除を受けていたら、その年の控除を受けることはできません。しかし、前回の控除を受けた住宅が違う場合や、3年以内に特定の例外(介護保険法施行規則に定める特定の条件を満たす人)に該当していた場合は控除を受けることが可能です。したがって、あなたが令和3年に住宅特定改修特別税額控除を受けたのと同じ家で今回改修を行った場合、特定の例外に該当しない限り、控除を新たに受けることはできません。

農地等についての相続税の納税猶予及び免除等

納税猶予制度

Q.農地等を相続した場合には、納税猶予制度があると聞きましたがその制度の趣旨について説明してください。

A.昭和50年の税制改正で始まったこの制度は、永続的に農業を続ける意思がある相続人を支援するために考えられました。この制度では、農地などが農業目的でしか使えないと見做された際に算出される「農業投資価格」を超える部分の相続税について、支払いを後回しにできます。この猶予された税金は、基本的には期限までに特定の条件(例えば、農業を止める、農地を売り渡すなど)が達成されなければ支払わなくても良くなります。ただし、猶予されていた期間中に農業をやめたり、農地を別の用途に変えるなど、法で定められた条件を満たした場合は、その猶予されていた税金と利子を支払う必要があります。

所得税の特別税額控除について

Q. 自己資金で同居している80歳の母のために住んでいる家屋のバリアフリー改修工事を行いました。費用は320万円で、市から35万円の補助金を受けました。この改修工事について、住宅特定改修特別税額控除の適用と計算方法について教えてください。

A. 令和5年2月に実施したバリアフリー改修工事に関して、住宅特定改修特別税額控除の対象になります。まず、補助金を除いた改修工事費用が50万円を超えることを確認します。この場合、改修工事の標準的な費用から補助金を差し引いた金額が2,546,300円となり、条件を満たしています。控除は次の方法で計算されます。

1. まず、バリアフリー改修工事の標準的な費用(補助金を差し引いた額で2,000,000円を上限とする)の10%と、改修工事とともに行った増築や改築工事費用など(200万円を超えた分の工事費と追加工事費の合計、1,546,300円を上限とする)の5%を計算します。

2. この計算結果は、200万円の10%である200,000円と、1,546,300円の5%である約77,300円(100円未満を切り捨て)を合わせた合計277,300円が特定改修特別税額控除として適用されます。

この計算により、あなたは合計277,300円の特定改修特別税額控除を受けることが可能です。この控除を受けるためには、工事証明書などの必要書類を準備し、確定申告を行うことが必要です。

住宅特定改修特別税額控除の適用要件等

Q.自己資金で省エネ改修工事を行った場合、税金の計算上どのような控除が受けられるのでしょうか。

A.自己資金で自宅の省エネ改修工事を行った場合でも、一定の要件を満たしていれば「住宅特定改修特別税額控除」の適用を受けることができる可能性があります。この制度は、個人が省エネ改修工事など特定の改修工事を実施した場合に、税金から一定額が控除されるものです。控除を受けるためには、改修工事が標準的な費用の範囲内であることや、個別の適用要件を満たしていることが必要です。さらに、控除額の計算には補助金等の交付額も影響するため、具体的な計算方法や限度額について理解することが重要です。したがって、省エネ改修工事によって太陽光発電装置を設置した場合に、自己資金であっても適切な手続きと条件を満たせば税額控除を受けることが可能です。

特定増改築等住宅借入金等特別控除額の計算(省エネ改修工事)

Q.令和2年10月に、今住んでいる住宅に省エネ改修工事(特定断熱改修工事)を行い、令和3年2月に入居しました。特定増改築等住宅借入金等特別控除の適用を受けようと考えていますが、控除額はどのように計算するのでしょうか?住宅の増改築等の費用の額は900万円、うち、省エネ改修工事等の費用の額は200万円、住宅の増改築等に係る住宅借入金等の年末残高の合計額は800万円、市からの補助金の合計額は100万円で、共有者はいません。控除の適用を受けるための要件は満たしています。

A.あなたが受けることができる特定増改築等住宅借入金等特別控除額の計算方法は次のとおりです。まず、適用要件として、特定断熱改修工事等に要した費用が、国や地方自治体などからの補助金を引いた後の額が50万円を超えることが条件です。この場合、200万円の省エネ改修工事費用から100万円の補助金を差し引いた100万円がこの要件を満たします。次に、「特定増改築等住宅借入金等の年末残高の合計額(A)」の計算では、お持ちの費用100万円が考慮され、最終的な特定増改築等住宅借入金等特別控除額の計算においては、100万円の費用に対して2%、残りの700万円(800万円の借入金から100万円を引いた額)に対して1%の控除が適用され、合計90,000円の控除を受けられます。これによって、あなたは特定増改築等住宅借入金等特別控除として90,000円を受けることができます。ただし、令和4年1月1日以降に居住用に供する場合には、この特別控除の適用はありませんので注意してください。