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宅地造成契約に基づく土地の交換等 (2)

Q.造成契約を締結するときに、譲渡する土地の面積を定めている場合はどうなりますか。また、「区画形質の変更に要する費用の額」はどのようにして計算したらよいのですか。 A.譲渡所得の収入金額の計算では、「区画形質の変更に要する費用の額」が重要です。この費用の額は、契約で特定の金額が定まっている場合にはその金額を使います。もし契約で費用の金額が定められていない場合は、事業を実施する側が支払う区画形質の変更に必要な工事の原価と、その工事に関する通常の利益を合わせた額で計算します。ただし、譲渡する土地の面積が契約時に決まっており、税務上の問題がないと認められる場合は、その土地の契約時の価格を収入金額として計算できることが許されています。

宅地造成契約に基づく土地の交換等

Q.土地区画整理法等の法律の規定に基づかない一団の土地の区画形質の変更に関する事業を行っている業者から隣接の土地の買取りの申し入れを受け、売りたくなかった土地を造成契約で事業施行者に移転し、後にその区域内の土地の一部を取得した場合、金銭を受け取っていない場合でも課税関係はどうなるのでしょうか?

A.金銭を直接受け取っていなくても、従前の土地と交換した土地の面積が異なっている場合、その差異に相当する土地を譲渡したとみなされ、それにかかる費用相当の金額に対して所得税(譲渡所得)が課税されます。つまり、事業施行のために提供した土地と事業完了後に取得した土地の面積が異なる場合、その差分に対しては、譲渡したものと見なされて税金がかかる可能性があります。

土地を造成して譲渡した場合の所得区分

Q.今から25年前に買った林地を売却しようと思い、不動産業者を通じて売りに出したところ、現状のままだと5,000万円ぐらいの価値があるが、宅地造成して分譲すればもっと有利に売れるかもしれないと教わりました。そこで、1億5,000万円を投入して造成工事を行い分譲したところ、総額2億5,000万円で売ることができました。私はこれまで農業経営をしており、今回初めてこの方法で売却しましたが、この場合の譲渡所得金額の計算は次のようでいいでしょうか。売却価額が2億5,000万円、必要経費が1,250万円プラス1億5,000万円で、所得金額が8,750万円です。

A.あなたが行った土地の譲渡は、基本的に事業所得または雑所得に分類されますが、その土地を長期間(約10年以上)所有していたことで、区画形質の変更による利益を雑所得とし、それ以外の利益を譲渡所得として申告することも可能です。所得の区分と計算方法は以下の通りです。譲渡所得の場合、5,000万円から1,250万円を引いた3,750万円が所得金額です。この場合、分譲地の総売却価格25,000万円から造成前の価値5,000万円を引いた20,000万円が雑所得の基礎となり、そこから造成に掛かった費用15,000万円を差し引いた5,000万円が雑所得となります。林地や原野などの土地を造成して譲渡する場合、その土地に造成工事や区画形質の変更を加えて宅地等として売却した場合の所得は、事業所得または雑所得に該当します。ただし、その区画形質の変更等の土地が小規模である場合や、法律の規定に基づいて行われたものである場合、譲渡所得として扱われる場合があります。また、区画形質の変更等に係る土地が長期間所有されていた場合、その利益の一部は雑所得として、その他の部分は譲渡所得として扱うことができます。この時、譲渡所得に対応する収入金額は区画形質の変更等の着手直前のその土地の価額となり、譲渡に要した費用は全て事業所得または雑所得の計算上必要経費に算入されます。

継続して資産を譲渡している場合の所得

Q.16年前に5000万円で買った10000坪の雑種地を売却しようとした際、面積が広すぎて一度に買手が見つからないため、知人の経営する不動産会社に相談した結果、数年間に分けて売ることになりました。この売却から得た収入は譲渡所得として申告しても問題ないでしょうか。

A.この土地の売却は6年程度の保有期間を経て、当初の契約から5年間にわたって継続して売却する計画に基づいているため、事業所得に似た行為と見なされます。そのため、これらの売却から得た所得は雑所得として申告する必要があります。普通、不動産を売却して得た収入は、不動産業者が商品として持っていた場合は事業所得、一般人が持っていた場合は譲渡所得になりますが、売却のやり方によっては所得の種類が異なる扱いになることがあります。不動産を一定期間に渡って継続して売却する場合、たな卸資産や営利目的で継続的に行われる資産の売却は、譲渡所得以外の所得として扱われることがあります。しかし、非常に長い期間所有していた不動産の売却であれば、譲渡所得と見なされる場合もあります。

土地改良区の調整地の譲渡

Q.土地改良のための事業費を調達するために、土地改良区の一部の組合員に調整地として増歩換地し、その譲渡の対価として金銭を収受しました。全額を事業費に充てていますが、この増歩換地分の譲渡所得は名義人の一部組合員だけではなく、土地改良区の組合員全体に帰属するものとして申告してもよいですか?

A.はい、調整地の譲渡代金が土地改良事業費に充てられた場合、その譲渡による所得は土地改良区の組合員全体に帰属することになります。そのため、名義人だけでなく組合員全体の所得として申告する必要があります。

区有の土地の譲渡

Q.農業を営んでいる場合に区有の空地が売れ、その売却益を受け取った際にかかる税金はどのようなものですか?

A.区有の土地を譲渡した際の税金は、土地が区民全員による共有か、区が全体として所有しているかによって異なります。土地が区民の共有である場合は、共有持分に応じてその年の分離課税の譲渡所得として申告する必要があります。一方、土地が区の総有であり区民が共有持分を持たない場合は、譲渡代金の分配を受けた区民はその金額をその年の一時所得として申告する必要があります。したがって、受け取った200万円に関しては、売却された空地に共有持分があるかどうかにより、分離課税の譲渡所得または一時所得として申告する要件があります。区有の資産が共有か総有かの判断は、権利変動(地区外への転出入や分家など)や売却代金の分配方法(一律か持分比例か)によって行われます。

水利権の議題

Q.私の村では最近、宅地造成のためにため池が埋められ、昔からその水を農業に使っていた18人の私たちに、農地面積に応じて農業用水利権の消滅に対する補償が支払われました。私は農地を3,000平方メートル持っていて、450万円受け取りましたが、この収入は「土地の上に存在する権利」の譲渡として、分離課税の譲渡所得で申告すべきかと思っていますが、これでいいでしょうか。

A.いいえ、この場合、収入は総合課税の譲渡所得となります。一般に、土地の上に存在する権利とは、土地そのものを利用する権利のことを指し、地上権、借地権、地役権、耕作権などが該当します。しかし、水利権は土地とは異なり、用水や流水などの独占的または排他的な利用権を指しますので、土地の上に存在する権利には含まれません。そのため、このケースでは分離課税ではなく総合課税の対象となる譲渡所得です。

民法上の組合が資産を譲渡した場合の課税

Q.民法上の組合で共に出資し営んでいる自動車運送業から、20年前に取得した土地を1,000万円で譲渡しました。この土地の譲渡について組合として課税されるのでしょうか?

A.組合の皆さん全員に出資持分に応じた譲渡による収入が発生し、これは分離課税の対象となる譲渡所得として課税されます。

参考:ご質問の組合は民法上の組合(民法667条〜688条)であると見られます。民法上の組合の財産は組合員全員の共有関係にあり、出資持分が4分の1であれば、1,000万円の4分の1である250万円を譲渡所得の収入金額として計算する必要があります。

工業所有権の譲渡の対価に対する課税関係

Q.今年、工業所有権をA法人に譲渡しました。対価として、一時金のほかに工業所有権の使用期間中、生産高に比例して毎年使用料を受け取ることになりました。この対価はどのように申告すればよいですか?

A.一時金については、譲渡所得として総合課税の対象となりますので、譲渡所得として申告する必要があります。毎年受け取る使用料に関しては、雑所得として申告する必要があります。

新聞販売権の譲渡と所得税

Q.新聞販売権を譲渡し受け取った代金の申告は、どのように行うべきですか?

A.受け取った代金は営業権の譲渡対価として、総合課税の譲渡所得の収入金額に算入して申告する必要があります。新聞販売権の減価償却費の累計額は、事業所得の計算において必要経費に算入された償却費の累計額です。