「資産税」カテゴリーアーカイブ

区分所有の高層住宅等の評価

Q.マンションのように区分所有している家屋については、どのように評価するのですか。

A.マンションなどの区分所有されている家屋の評価は、その家屋の固定資産税の評価額に特定の倍率(現在は1.0倍)を掛けることで算出されます。区分所有の家屋では、全体の評価価額を基にして、それぞれの部分がどの程度使用され収益をあげているかを考慮に入れ、各部分の価値を算定します。マンションなどの固定資産税の評価額は、専有部分と共用部分の割合に応じた面積の合計で算定されます。そのため、マンションのように区分所有されている家屋は、固定資産税評価額に一定の倍率(1.0倍)を掛けることで評価することになります。

都市公園の用地として貸し付けられている土地の評価について

Q.私が父から相続した土地は、都市公園の用地として市へ貸し付けています。相続税の申告に当たって、この土地はどのように評価するのですか。

A.都市公園の用地として貸し付けられている土地は、まずその土地が都市公園の用地として貸し付けられていない場合の評価額を算出します。次に、その評価額の40%を計算して差し引きます。この差し引いた後の金額がその土地の評価額となります。この評価方法は、都市公園を構成する土地が私権の行使が制限されており、公園管理者には保存義務があるため、長期間その利用が制限されることを反映しています。土地がこの特別な評価の対象となるためには、土地所有者と地方公共団体との間に20年以上の貸借契約があり、土地所有者が一定条件下でのみ土地を返還できないこと、相続人または受贈者全員がその土地を引き続き公園用地として貸し出すことに同意していることなどの要件を満たしている必要があります。この特別な取扱いを受けるには、土地が都市公園の用地として貸し付けられていることを証明する地方公共団体の証明書を税務署に提出する必要があります。

取引事例のある占用権の評価

Q.大阪市の船場センタービルの店舗を所有していますが、このビルは道路の占用の許可に基づき建築されたもので、敷地には私の所有権はありません。この店舗の評価は、家屋の評価額だけになるのでしょうか。

A.いいえ、店舗の評価は、家屋の評価額と道路占用権の価額の合計で行います。船場センタービルは、高架道路と一体の構造で建設されており、ビルの区分所有権が譲渡される際には、建物の区分所有権と道路占用権も一緒に移転されるため、特殊な事例になっています。道路占用権の価額は、「各号館の階層別占用権積算価額表」に示された価額に専有部分の面積を乗じて計算されます。専有部分の面積は、「船場センタービル規約」に基づき計測した面積になります。例えば、3号館の2階にある専有部分が60平方メートルの場合、その占用権の価額は105,700円×60平方メートル=6,342,000円となります。家屋の価額は、固定資産税評価額にある係数を乗じて評価します。

占用権の評価

Q.占用権の価額はどのように評価するのですか。

A.占用権の価額の評価は3つの方法があります。以下の通りです:

1. 取引事例のある占用権の場合は、その土地の価額に国税局長が定める割合を乗じたものです。

2. 取引事例がないが、地下街や家屋の所有を目的とする占用権の場合は、土地の価額に「借地権割合」を乗じたものです。

3. 上記のどちらにも当てはまらない占有権(例:河川敷ゴルフ場など)の場合は、土地の価額に「法定地上権割合」を乗じたものです。ここで言う法定地上権割合は、相続税法第23条によって定められた占用権の残存期間に応じた割合です。また、占用権の残存期間は、実質的に更新されることが明らかな場合には、その更新によって延長されると認められる期間を加えた期間とします。

占用権の目的となる土地の価額は、その土地の近くの土地の価額を基に、位置や形状などの差異と占用の許可の内容を考慮して算出されます。

雑種地の賃借権の評価

Q.私は雑種地を知人から借り受け、賃借権の登記を行いました。このような雑種地の賃借権の価額は、どのように評価するのですか?Q.私は雑種地を知人から借り受け、賃借権の登記を行いました。このような雑種地の賃借権の価額は、どのように評価するのですか?

A.雑種地の賃借権の価額は、賃貸借契約の内容やその利用状況などを基にして決められます。賃借権を評価する方法は以下のように分けられます。一つは、その賃借権が地上権とみなされうるような状況の場合、自用地の価額に特定の割合を掛ける方法です。例えば、賃借権が登記されている、一時金などの対価が支払われている、堅固な建物を所有する目的がある場合などがこれにあたります。もう一つは、上記の条件を満たさない賃借権の場合で、自用地価額に法定地上権割合を掛ける方法があります。この法定地上権割合は、その賃借権が地上権であったとして、適用される相続税法に定められた割合を指します。契約の残存期間や更新の可能性などを考慮して、残存期間が計算されます。あなたのケースでは、賃借権の登記がされているため、最初の方法で評価することができます。

農地の評価方法

Q.農業経営基盤強化促進法の規定により公告された農用地利用集積計画に従い、賃貸借により貸し付けられた農地はどのように評価するのですか。

A.農業経営基盤強化促進法により定められた農用地利用集積計画のもとで貸借権が設定されている農地は、その自用地としての価額から、その価額の5%を乗じて得た金額を差し引いた価額で評価されます。この場合、賃貸借された農地は、一般的に期間は10年以内とされ、期間が満了すると賃貸借権は自動的に消滅します。また、賃貸借権消滅時に支払われる離作料などは発生しません。このため、通常の耕作権と農用地利用集積計画により貸し付けられた農地の賃貸借権とは価値が異なり、賃貸借に付された農地は自用地としての価額から5%を乗じた金額を差し引いて評価されます。これに関する権利は、相続税や贈与税の課税価格には含まれません。この取り扱いは、10年以上の期間が定められている農地の賃貸借にも適用されます。

市街化調整区域内にある雑種地の評価

Q.市街化調整区域内で、国道沿いにあり店舗などが建ち並ぶ地域にある駐車場として利用している土地を相続しました。この土地は、倍率方式で評価する地域にありますが、どのように評価したらよいのですか?また、市街化調整区域内の雑種地として、何かしんしゃくができますか?

A.市街化調整区域内にある雑種地の評価は、周囲の宅地化された状況と該当土地の条件の差(例えば、位置や形状)を考慮して行います。具体的な評価手順は以下の通りです。まず、周辺の標準宅地の価額を計算します。これは、固定資産税評価額に倍率をかけて算出されます。次に、雑種地の価額を、求めた標準宅地価額に形状等の条件差や造成費を調整して計算します。最後に、その雑種地の評価額は、計算した雑種地の価額に土地の面積を乗じて算出されます。周囲に店舗等が密集しており、宅地価格と同様の価格で取引される実態がある場合、市街化調整区域内であっても特別な考慮(しんしゃく)は行われません。しかし、市街化調整区域であることによる建築可能性の扱いについては、具体的な周囲の状況に応じて異なり、その区域内でも様々な状態が想定されるため、個別に評価が必要になります。

農業用施設用地の評価

Q.私は農用地区域内にある宅地を相続しましたが、その宅地のうち農産物貯蔵施設として一部利用している宅地があります。このような農産物貯蔵施設の敷地として利用している農業用施設用地は、どのように評価するのですか。

A.農用地区域内にある農業用施設として使われている宅地の価格は、その場所が農地だったと仮定した時の価格に、農地を農業用施設用の地とするのに普通に必要とされる造成費用を上乗せした金額で評価されます。評価方法は以下のようになります。まず、農業用施設用地の1平方メートルあたりの評価額を、農地の価格にその農地の倍率を掛け合わせたものに、造成費を加えて計算します。農地の価格は近隣の農地の固定資産税評価額をもとにし、造成費は近隣の農地を農業用施設用地に変える際に一般的に必要とされる造成費用の金額(国税局長が定めた金額)で計算します。その後、この1平方メートルあたりの評価額に土地の面積を掛け合わせて、農業用施設用地全体の評価額を求めます。ただし、農業用施設用地が市街化調整区域や農用地区域内にある場合でも、現状が宅地である場合は原則として農業用に限られ、近隣の農地の価格に基づいてその価値を算出し、必要な造成費用を加算した金額で評価されます。但し、この地域の宅地(農業用施設用地を除く)が似たような価格で取引される場合は、近隣の宅地の価格を基準として評価が行われます。

特定市民農園として貸し付けている農地の評価

Q.特定市民農園として貸し付けている農地は、どのように評価するのですか。

A.特定市民農園として使用されている土地の評価は、その土地が特定市民農園としての用途に使われていない場合の評価から、その価額の30%を差し引いた価額で行います。特定市民農園とは、地方公共団体が設置し、特定の基準に合致する市民農園を指します。この基準には市民農園の設置条件や設備の規制、敷地面積や建築面積の限界、開設面積に関する条件等が含まれます。また、土地が特定市民農園として使用され続けるためには、貸付期間が20年以上で、更新の約束が必要であり、途中で土地を返してはいけません。この特定市民農園としての評価方法を利用するためには、地方公共団体の長からの証明書の提出が求められます。

市民農園として貸し付けている農地の評価

Q.父から相続した生産緑地地区内の農地を市民農園として貸し付けていますが、この農地はどのように評価するのですか?

A.市民農園として貸し付けている農地の評価は、生産緑地としての利用制限と賃貸借契約の期間制限に基づいて行われます。市民農園用に貸し出されている農地は、特定農地貸付法に基づく農地貸し付けに該当し、農地所有者と地方公共団体との間で結ばれた賃貸借契約に従っています。この賃貸借の解約制限の規定は適用されず、耕作権の対象となる農地には該当しません。評価は、賃貸借契約の期間に基づく制限と、生産緑地としての利用制限に基づいて行われ、賃借権の残存期間に応じた評価が行われます。特定の要件を満たす市民農園用農地では、残存期間が20年以下である場合、特定の割合で評価をすることが可能です。さらに、条例によって設置される市民農園や特定の条件を満たす賃貸借契約が結ばれる場合も同じ方法で評価されます。