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固定資産の前期末取得価額の算定方法

Q.「10%基準」の判定に当たっての固定資産の前期末における取得価額は、どのように算定するのですか。

A.固定資産に対する支出が資本的支出なのか修繕費なのかが不明で、その支出が固定資産の前期末の取得価額の10%以下である場合、修繕費として計上できます。この「10%基準」では、修理や改良にかかる固定資産の取得価額を、その部分だけでなく、例えば建物の場合は建物全体の取得価額で算定します。資本的支出が行われると、それによって取得された追加資産は新たな減価償却資産として計上されますが、この「10%基準」を適用する際は、既存の減価償却資産と追加取得資産を合わせて一つの資産として扱い、その合計取得価額で判断します。これは、修理や改良の支出が資産全体に対してどの程度の重要性を持つかを合理的に判断するためです。また、複数回の資本的支出がある場合でも、翌事業年度開始時に、それらの支出の合計額から該当事業年度の減価償却費を引いた金額で判断します。このように算定した取得価額は、資本的支出と修繕費の区別が不明な場合にも適用されます。

固定資産の前期末取得価額の算定方法

Q.「10%基準」の判定に当たっての固定資産の前期末における取得価額は、どのように算定するのですか。

A.固定資産に対する支出が資本的支出なのか修繕費なのかが不明で、その支出が固定資産の前期末の取得価額の10%以下である場合、修繕費として計上できます。この「10%基準」では、修理や改良にかかる固定資産の取得価額を、その部分だけでなく、例えば建物の場合は建物全体の取得価額で算定します。資本的支出が行われると、それによって取得された追加資産は新たな減価償却資産として計上されますが、この「10%基準」を適用する際は、既存の減価償却資産と追加取得資産を合わせて一つの資産として扱い、その合計取得価額で判断します。これは、修理や改良の支出が資産全体に対してどの程度の重要性を持つかを合理的に判断するためです。また、複数回の資本的支出がある場合でも、翌事業年度開始時に、それらの支出の合計額から該当事業年度の減価償却費を引いた金額で判断します。このように算定した取得価額は、資本的支出と修繕費の区別が不明な場合にも適用されます。

「20万 円基準」と「60万円基準」の関係

Q.法人税基本通達7-8-3の (1)の「20万 円基準」と、同7-8-4の (1)の「60万 円基準」の関係を説明してください。

A.法人税の規定において、「20万円基準」と「60万円基準」は、修理や改良などにかかる費用が資本的支出(長期にわたり利益をもたらす支出)か、それとも修繕費(短期間の利益のための費用)かを判断する際に用いられる基準です。「20万円基準」は、固定資産の修理や改良に要した費用が20万円未満の場合、その費用が資本的支出に該当しても修繕費として損金処理できるというものです。これは、同じ固定資産に関する計画に基づき、1つの事業年度または複数の事業年度にわたって行われた修理や改良の費用に適用されます。

一方、「60万円基準」は、修理や改良に係る支出の内訳が資本的支出か修繕費かが不明確な場合に、その金額が60万円未満であれば、修繕費として扱うことが認められるルールです。もし支出が60万円未満でも、「明らかに資本的支出に該当するもの」については資本的支出として処理しなければなりません。また、「60万円基準」や「10%基準」のように、資本的支出か修繕費かが不明瞭な場合でも、特定の条件下で修繕費として損金処理できる規定があります。これにより、修理や改良のための出費が資本的支出と見なされるか修繕費と見なされるかを判断する際の基準が整備されています。

資本的支出と修繕費の金額による判定方法

Q.資本的支出と修繕費の区分について、通達に示されている金額による判定方法のあらましを説明してください。

A.資本的支出と修繕費の違いは、事業で使う期間が関係しています。たとえば、少しの価格の減価償却資産は100,000円、一度に償却する資産は200,000円と定められていることが事務を簡単にします。この基準は、法人税の基本的な案内である7-8-3から7-8-6までに書かれています。災害時の資本的支出と修繕費の違いの特例も説明されていますが、以下の点に注意してください。

1. 災害でダメージを受けた固定資産の価値が下がったとき、全ての支出が資本的支出と考えられます。

2. 災害でダメージを受けた財産を元通りにする費用は修繕費になります。

3. 災害前の状態を保つための強化やその他の措置にかかった費用も修繕費に入ります。

4. 資本的支出か修繕費か不明確な支出は、その額の30%を修繕費として、残りを資本的支出として処理できます。

5. 災害後に新しい財産を得るか、特別な施設を作る場合、それは新たな資産の取得とみなされます。

6. 他人の資産に対して支払った費用で、税法上繰延資産となるもの(共同施設の設置など)も、災害でダメージを受けた資産の修復に使われた場合、特例が適用されます。

資本的支出を行った場合の償却限度額の計算

Q.資本的支出を行った場合、その対象となった資産及び資本的支出について償却限度額はどのように計算するのでしょうか。

A.資本的支出を減価償却資産に行った際は、その支出の金額をその資産の取得価額とみなします。これにより、既存の資産と資本的支出は別々の資産として扱われ、それぞれに異なる減価償却方法が適用されることがあります。例えば、ある会社が建物に500万円の資本的支出を行った場合、既存の資産は定率法で償却できますが、資本的支出部分は定額法で償却する必要があります。このため、それぞれの償却限度額を別々に計算し、次の事業年度でも同様に別々に扱います。税法改正前は、資本的支出の金額を既存資産の取得価額に加える方法が一般的でしたが、改正後は資本的支出を別の資産として扱うことが基本となっています。ただし、特定の条件を満たす場合は、既存資産の取得価額に資本的支出の金額を加算することが可能です。また、定率法を用いる場合に複数の資本的支出を行ったとき、それらを合わせて一つの資産として扱うこともできますが、これは資産の数を増やしたくない企業に配慮した措置です。

集中生産を行う等のための機械装置の移設費の取扱い

Q.機械装置の移設費用は、修繕費として損金算入することができるが、集中生産を行う等のためのものは、原則として資本的支出としてその機械装置の取得価額に算入しなければならないとされています。その内容を説明してください。

A.通常、機械装置の移設に係る費用(運賃や試運転費など)は、修繕費として費用計上できます。しかし、生産効率向上などの目的で他の事業場へ移設する場合や、特定の機械(ガスタンクや鍛え圧プレスなど)の移設の場合は、このような費用を修繕費ではなく、その機械装置の取得価額に加算しなければなりません。ただし、公共事業のために移設する場合のように、企業の自発的な意思に基づかない時は例外として、修繕費としての計上が認められます。移設費用が、移設前の機械装置の帳簿価額の10%以下である場合は、その重要性が低いと見なされ、その費用を同じ事業年度の損金として計上できます。また、新しい生産設備のために既存設備を移設する場合は、基本的には上記の対象外です。これは、新規生産設備の導入が主な目的であり、既存設備の移設は副次的なものだからです。

機械の部分品を品質の高いものに取り替えた場合の資本的支出の額

Q.機械の部分品を品質または性能の高いものに取り替えた場合、取替費用のうち資本的支出とすべき金額はどのように計算するのですか。事例で説明してください。

A.機械の部品をより高品質や性能のものに変更する際、その費用のうち普通の部品交換であればかかる費用を超える部分が資本的支出とみなされます。例えば、もし部品交換のために180万円がかかった場合、一般的な部品交換だと100万円かかるとします。このケースでは、資本的支出とみなすべきは180万円全額ではなく、180万円から100万円を引いた80万円のみです。この80万円が資本的支出に、残りの100万円は修繕費とされます。重要なのは、実際の費用180万円の領収書に加え、一般的な交換費用の見積もりを業者から取得し、保管しておくことです。一般的な交換費用は、通常の部品交換が機械の使用可能期間を延長させない範囲で考えられるので、交換部品と同等品質のものの価格と交換工賃の合計で評価することが適切です。

資本的支出と修繕費の区分についての法令及び通達のあらまし

Q.資本的支出と修繕費の区分について、税法の規定と通達の取扱いのあらましを説明してください。

A.法人が固定資産に対して行う支出は、その内容によって資本的支出と修繕費に分けられます。資本的支出に関しては、次のいずれかの条件を満たす支出で、固定資産の使用可能期間を延長させるか、その価値を増加させる部分に該当する場合です。これらの支出は、その固定資産の取得価額に加算されます。(法 政令132)

1. 資産の使用可能期間を延長させる部分の金額

2. 資産の価値を増加させる部分の金額

資本的支出の具体例としては、建物に避難階段を追加する費用、用途変更のための改造や改装費用、特に品質や性能の高い部品に交換するコストの通常の交換費用を超える部分などが挙げられます。一方、修繕費とは、建物の移設や解体移築、機械装置の移設、土地の地盛り、改良工事に該当しない床上げや地上げの費用など、基本的に既存の資産の機能を維持するための費用です。

以前には、家屋や壁の塗り替え、床の毀損部分の取替え、畳の表替え、瓦やガラスの交換、ベルトや自動車のタイヤの取替えなども修繕費として例示されていました。これらの取り扱いは現在も有効ですが、法令の解釈上疑義がなく、特に定める必要がないとされています。

有姿除却の処理に関する諸問題

Q.有姿除却の処理に当たり、今後事業の用に供する可能性がないにもかかわらず、該当する固定資産の解撤、破砕、廃棄等をしていないことについて、特に理由を要しますか?除却する資産が機械の場合、その解撤、破砕等をしていなくても、生産ラインからはずしておく等の処置が必要ですか?事業の用に供しなくなった固定資産を翌事業年度以後に中古資産として下請会社等に売却する予定の場合、有姿除却に準じて、当該資産の帳簿価額からその売却予定価額を控除した金額を、除却損失として損金の額に算入することができますか?

A.まず、今後事業に使用しない予定の固定資産を解撤、破砕、廃棄していない場合に特別な理由が必要かという問いに対して、通常、解体費用が高額になるため、固定資産をそのままにしておくことは通常の対応であり、特別な理由を必要としません。次に、除却予定の機械などを生産ラインから取り外すかどうかについては、そのままの位置にあっても他に影響がなければ問題なく、取り外す行為は今後再利用しないことの明確化につながりますが、重要なのは文書によって使用しないことが明確にされているかです。最後に、中古資産としての売却予定がある固定資産については、これまでの価値や使用寿命が尽きているわけではなく、売却後も固定資産として使用され続けるため、有姿除却に準じた処理を適用することはできません。売却による損失は、売却が完了した事業年度において処理されます。

有姿除却

Q. 使用しなくなった固定資産は、廃棄処分していないものであっても、税務上その帳簿価額からその処分見込価額を控除した金額を除却損として損金算入することができるとのことですが、どのようなことなのか説明してください。

A. 固定資産とは、会社が事業で使うための長期にわたって使用される資産のことを言います。このような固定資産が使われなくなった場合、解体や破壊、廃棄などにかかる費用が多くかかるため、すぐに処分されないことがあります。例えば、将来的にわずかながら使うかもしれない、または解体に多額の費用がかかる等の理由でそのまま保持している場合がそれにあたります。このような状態で、資産がもはや事業で通常通りに使える可能性がなくなり、その価値が失われたことが証明されれば、その資産の帳簿上の価値から処分時に期待される価値を引いた金額を、損金として計上することが許されます。これを「有姿除却」といいます。

有姿除却が適用される固定資産には主に以下の2つがあります。

1. その使用が中止され、今後通常の方法で事業で使用される可能性がないと判断される固定資産。

2. 特定の製品を作るためだけに使われていた金型などで、その製品の生産が止まったため、将来ほとんど使われることがないと思われるもの。

有姿除却に当たっての取壊 し費用見積額等 【間6-61l ① 有姿除却処理によつて計上する除却損失に、その 対象資産の取壊し費用の見積額を加えることができますか。 ② 廃品回収業者に買取価額を見積 もってもらったところ、スク ラップ価額よりも廃棄費用の方が高く、業者にその差額を支払 わなければならないような場合は、いかがでしようか。 【答l ①について……有姿除却資産の取壊し費用は、有姿除却時には取壊し の事実がまだ生じておらず、確定債務の要件(基 通2-2-12、 【問2-23】 参照) を満たしていませんので、除却損失に加えることはできません。 また、有姿除却 によつて除却損 として損金の額に算入することができる金 額は、対象資産の帳簿価額か らその処分見込価額を控除 した金額 とされてい ますが、この処分見込価額 とは当該資産のスクラップ価額その もので、スク ラップ価額から取壊 し費用の見積額 を控 除 した金額ではあ りません。いいか えれば、処分見込価額を取壊 し費用の見積額を控除 した後の金額 として、有 姿除却 に当たっての除却損失の金額 を高 くすることはで きません。 ② について……除却する資産を廃品回収業者に売却するときの処分見込価 額 は、廃品回収業者の買取価額ですが、その価額は、事実上スクラップ価額 か ら当該廃品回収業者において要すると見積 られる廃棄費用の額 を控除 した 金額 となるで しょう。その場合は、当該買取価額 を処分見込価額 として、除 却損の計算 をすることがで きます。 したがって、御質問のようにスクラップ 価額 よ りも当該廃品回収業者において要する廃棄費用の見積額の方が高い と きは、処分見込価額 をゼロとして除却損失を計算することがで きます。