Q.本年、賃貸用の土地付建物を取得した際に支払った仲介手数料は、土地付建物の取得価額に算入する必要がありますか?
A.賃貸用の土地付建物を取得する際に支払う仲介手数料は、「購入のための手数料」に当たり、そのため土地及び建物の取得価額に含める必要があります。具体的にいうと、仲介手数料は土地と建物の取得価額に加算しなければならず、この仲介手数料を土地と建物に関して合理的に分配し、それぞれの取得価額に加えます。
Q.本年、賃貸用の土地付建物を取得した際に支払った仲介手数料は、土地付建物の取得価額に算入する必要がありますか?
A.賃貸用の土地付建物を取得する際に支払う仲介手数料は、「購入のための手数料」に当たり、そのため土地及び建物の取得価額に含める必要があります。具体的にいうと、仲介手数料は土地と建物の取得価額に加算しなければならず、この仲介手数料を土地と建物に関して合理的に分配し、それぞれの取得価額に加えます。
Q. 貸マンションを建設した後、近隣の住民からテレビの難視聴問題解消の要求があり、共同受信用アンテナ設置等の対策費用を負担した場合、これらの費用は建設費とは区分して不動産所得の計算上、支払時の必要経費に全額算入できるか?
A. 貸マンションの建設後に周囲の住民から電波障害に関する苦情に対応するため、共同受信用アンテナの設置などの費用は、建物の取得価額に含まれる直接要する費用の一部とみなされます。これは、建設会社に支払う建築費用だけでなく、その建物を業務用に使用するため直接要した費用や、所有権を確保するために必要な費用も含むからです。特に、建設に際して予測された公害補償費用など、事前に計画されていた支出は、建設後であっても取得価額に算入されるべきとされています。従って、事前に予想された電波障害への対策として行った共同受信用アンテナの設置費用なども、マンションの取得費に含まれ、不動産所得の金額の計算において減価償却の対象となります。
Q.店舗を新築し事業用に使っています。新築にあたって地鎮祭、上棟式、落成式を行い、その費用を支出しました。この費用は事業所得の計算上、必要経費に算入できるでしょうか。
A.減価償却資産の取得にかかる費用は、その建設に直接必要だったものが含まれます。しかし、減価償却資産取得後にかかった費用は、取得価額ではなく必要経費として計上することができます。従って、ご質問の地鎮祭と上棟式の費用は、取得前にかかった費用なので取得価額に含めます。一方、落成式の費用は、取得後の費用なので必要経費として計上するのが適切です。
Q.サラリーマンでしたが化粧品店を開業することになり、借入金600万円に退職金1,000万円を加えて9月から店舗の建築に着工し12月完成と同時に開店しましたが、開店までの支払利子(4か月分20万円)については、事業所得の必要経費に算入できますか。
A.開店するために建てた店舗にかかわる借入金の利子は、特定のルールに従って取り扱われます。基本的に、事業のために固定資産を購入する際にかかった借入金の利子は、その支払をした年度の事業経費に含めることができます。しかし、利用開始日、つまり開店日までの利子に関しては、店舗の購入費用に加えることが許されています。新規に事業を開始する場合、開店するまでは店舗は業務利用されていないと見なされ、借入金の利子は翌年の事業経費には含めることができませんが、使用開始日までの期間に対応する利子は購入費用に加算されます。これにより、店舗の取得費用は、借入金600万円、退職金1,000万円、支払利子20万円を合わせた1,620万円となります。また、土地と建物を同時に取得した場合、支払利子は土地と建物の購入費用へ按分して算入されます。
Q.製造業を営んでいた父が本年5月に死亡したため、長男である私が相続により事業を引き継いで経営しています。本年分の事業所得の金額の計算において、機械の減価償却費の額を父が採用していた定率法によって計算したいと思いますが認められますか。なお、私は、減価償却資産に係る償却方法の届出はしていません。
A.減価償却資産の償却方法には、定額法や定率法など様々な方法があり、これらは事業者が自ら届出を行うことで選択できます。しかし、届出を行っていない場合には、一般的に定額法が採用されることになっています。質問にあるように、お父様の事業を引き継ぎ、お父様が用いていた定率法を採用したい場合には、事業を引き継いだ年度の確定申告書の提出期限までに、その選択を税務署へ届出する必要があります。お父様の方法を引き続き使うこと自体は可能ですが、そのためには正式な手続きを踏む必要があるということです。
Q.平成19年1月に車両運搬具のため旧定率法の届出を行い、その後償却方法の届出はしていません。令和5年7月に営業車として新たな乗用車を購入した場合、その減価償却費はどう計算するのですか?
A.平成19年3月31日以前に旧定率法を選定していて、それ以降に新しく取得した減価償却資産に対し「所得税の減価償却資産の償却方法の届出書」を提出していない場合、その償却方法は定率法で行うこととされます。今回、車両運搬具に関して既に定率法の届出をしているため、新たに購入した乗用車の償却費も定率法で計算することになります。具体的には、購入金額1,950,000円と定められた耐用年数、償却率を用いて計算を行います。令和9年以降、調整前の償却額が保証額に満たない場合、それ以降の償却は改定取得価額と改定償却率を使用して計算します。未償却残額が1円になるまで償却を続け、最終的に令和11年分の償却費の額は160,122円となります。
Q.減価償却費を定率法で計算したいと思いますが、何か届出をしなくてはいけませんか。
A.定率法を含む減価償却方法を選択する場合、特定の状況で税務署長へ書面による届出が必要です。これらの状況には新たにビジネスを開始する場合、以前選択した償却方法を変更する場合、新たに事業所を設けた場合が含まれます。届出がない状態で減価償却を行う場合、法律で定められた償却方法に基づく必要があります。鉱業権には生産高比例法を、それ以外の資産には定額法が適用されます。選択した償却方法を変更するには、特定の適用期限までに変更承認申請書を提出する必要があります。ただし、建物や特定の資産には法定償却方法以外の選択が認められていないため注意が必要です。また、償却方法を変更する際には、一定の条件を満たす必要があり、合理的な理由がない場合は変更が却下されることがあります。
Q.事業所得者が令和5年5月に新たな印刷設備を取得した場合、定率法による減価償却方法の届出は必要ですか?
A.減価償却方法の届出が必要なケースは主に3つあります。(1)新たに特定の所得を生む業務を開始した場合、(2)これまでとは異なる資産区分の減価償却資産を新たに取得した場合、および(3)新たに事業所を開設し、既存の事業所の資産とは異なる償却方法を適用しようとする場合です。しかし、印刷設備の場合、この質問の状況ではこれらの条件に該当しないため、新たに減価償却方法の届出をする必要はありません。ただし、もし新たに採用する減価償却方法がこれまでと異なる場合は、変更承認申請書を提出する必要があります。
Q.商業デザイナーとして、高価な専門書を研究用に外国から購入しています。これらの書籍は減価償却資産になりますか?また、消耗品費として扱うことはできますか?
A.減価償却資産とは、仕事で使う資産の中で、時間が経つにつれて価値が下がるものを指します。しかし、全ての資産が減価償却資産になるわけではなく、特定の条件を満たさないものは対象外となります。これには、時間とともに価値が減少しない資産、現在業務で使われていない資産、棚卸資産や有価証券などが含まれます。また、取得価額が10万円未満の資産や使用可能期間が1年未満の資産は、その年の費用として計上できます。
研究用の書籍は業務で使用され、時間が経つと利用価値が減少する可能性があるため、減価償却資産として扱うことが適切です。書籍が1冊あたり10万円以上の場合は通常の減価償却資産として扱い、10万円未満の場合はその年の費用に算入します。1冊あたり10万円以上20万円未満の書籍は、一括償却資産として扱い、その取得価額の合計額の1/3をその年の費用に算入できます。さらに、一定の中小事業者に該当する場合、取得価額が30万円未満の少額減価償却資産は、その年に全額を費用に算入できますが、合計額が300万円を超える場合はその限度までです。
書籍の通常の耐用年数は5年とされており、古文書など価値が時間とともに減少しないものは減価償却資産にはなりません。また、10万円未満の減価償却資産、一括償却資産、少額減価償却資産は、基本的に業務で使われるものであり、業務外で貸し出されるものはこの規定から除かれます。
Q.私は飲食業を営んでおり、平成15年1月に金庫を購入しました。この金庫の減価償却費の累積額は、令和5年分で取得価額の95%相当額に達することになりますが、残りの5%部分の5年均等償却は、その95%に達した令和5年分から適用することができますか。
A.平成19年3月31日以前に取得した一定の減価償却資産に対し、累積した減価償却費が購入価格の95%に達した場合、その年の翌年からの5年間にわたって、残りの5%を均等に償却することができます。これは、累積償却額が購入価格の95%に到達した年の翌年から適用されるルールです。例えば、令和5年で95%に達した場合は、令和6年から次の5年間で残りの5%を均等に償却し、最終年には1円が残るようになります。実際の償却額の計算では、初年度の償却後の残額は100,000円となり、続く5年間で毎年20,000円を償却し、最終年には19,999円を償却して1円が残る計算となります。