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収用等の場合の課税の特例が適用される経費補償金

Q.収用等に伴い起業者から交付を受ける経費補償金のなかで、収用等の場合の課税の特例が適用されるものには、どのようなものがありますか。

A.経費補償金は通常、収用などの場面での課税特例の適用対象外です。しかし、以下の状況では特例が適用されます。ある資産(例:土地や建物、機械装置)が収用等により売却せざるを得なくなった際、その売却による損失の補償として起業者から受け取る補償金は経費補償金とみなされます。特に、事業全体を廃止した場合や、従来行っていた業種の事業を廃止し、かつ、該当する機械装置等を他で使うことができない場合に受け取る機械装置等の売却損の補償金に関しては、対価補償金として扱われます。この場合、該当機械装置等の会計上の価値のうち対価補償金に相当する部分は特定の計算式に基づいて算出する必要がありますが、計算式で求めた金額が対価補償金に相当する会計上の価値として記録されている場合は、その扱いが認められます。例えば、機械装置の対価補償金が900万円、帳簿価額が600万円、処分見込み価額または処分価額が100万円、処分による費用が無い場合、900万円の対価補償金のうち、600万円×900万円 ÷ (900万円 + 100万円)=540万円が帳簿上の価値に相当します。この計算により、特例の対象となる金額は360万円(900万円-540万円)となります。また、通達のただし書きに従う場合、600万円のうち900万円の対価補償金に相当する金額は、600万円-100万円=500万円となり、この場合特例の対象となる金額は400万円(900万円-500万円)です。機械装置等の売却損の補償金は一般的に特定の計算式に従って求められるため、この例のように対価補償金が帳簿価値を上回ることがあります。

非常用食品の購入費用の取扱い

Q.当社は、この度、地震、水害等の災害に備え非常用食品を購入しました。この非常用食品は、酸素を除去し缶詰にしたもので品質保証期間は20年とされています。

この非常用食品は、非常食として配備してから食料として消費されるまでの間、継続して事業の用に供するものと思われますが、減価償却資産として資産計上の必要がありますか。

A.減価償却資産とは、棚卸資産、有価証券及び繰延資産以外の資産で、用役を長期間にわたって提供しながら時の経過や使用のために徐々にその機能及び価値が減少していくものをいいます。

ところが食料品は、それが食事の用に供されることによって消費されるものですから、減価償却資産には該当せず、消費されるまでは、貯蔵品と考えられます。

しかしながら、非常用食品は、非常時に備え所定の場所に配備することに意義があるものですから、配備した時に事業の用に供したと考えるのが合理的です。

したがって、御質問の非常用食品の購入費用は、その非常用食品を所定の場所に配備した日を含む事業年度の損金の額に算入することができるものと考えられます。

参考:令13(減価償却資産の範囲)

機械及び装置等の予備部品の取扱い

Q.当社は、連続式鋳造鋼片製造設備を有していますが、この設備を構成する部品の予備品(比較的少額で消耗しやすいものを除いています。)があります。これらの予備品についても、その設備と一括して減価償却してもよいでしょうか。

A.御質問の予備品については、機械及び装置が故障したときなどに取り替え、使用されるものですから、未使用のままで貯蔵中のものは、事業の用に供されていませんので、減価償却の対象とはなりません。

なお、例えば航空機の予備エンジンや電気自動車の予備バッテリー等のように、本体を事業の用に供するために必要不可欠なものとして常備され、繰り返して使用される専用の部品(通常他に転用できないものに限ります。)は本体と一体のものとして、減価償却の対象となります。

この場合の償却開始の時期は、本体を事業の用に供したときであると考えられます。

また、停電時の予備電源のように、必要に応じていつでも稼働し得る状態にあるものは、事業の用に供したものとして、減価償却の対象となります。

参考:令13(減価償却資産の範囲)、基通7-1-3(稼働休止資産)、基通7-1-4の2(常備する専用部品の償却)

稼働休止資産と事業の用に供していない資産

Q.当社は、縫製業を営む法人です。この度、電動ミシンを20台購入しましたが、そのうち5台は未使用のまま倉庫に保管しています。

この保管中のミシンは、いつでも使える状態に整備されていますから稼働休止資産として減価償却してもよいでしょうか。

A.稼働休止資産で償却の対象となるものは、いったん事業の用に供していた資産のうち、稼働を休止している資産で、その体止期間中も必要な維持補修が行われており、いつでも稼働し得る状態にあるものをいいます。

御質問の場合のように、購入したものの未使用の状態で保管中の資産は、稼働休止資産ではなく、いまだ事業の用に供されていない資産ですので、減価償却資産ではありません。したがって、減価償却をすることはできません。

参考:令13(減価償却資産の範囲)、基通7-1-3(稼働休止資産)

遊体資産の減価償却の取扱い

Q.当社には、工場が3か所ありますが、業況不振のため操業を縮小することとなり、 1か所の工場を閉鎖し、従業員は他の2か所の工場に配置換えをしました。

閉鎖した工場の建物と機械及び装置については、操業停止直前のまま放置していますが、建物と機械及び装置について減価償却してもよいでしょうか。

なお、操業再開については、景気の動向を見極めてからということで現在のところ再開の見通しはありません。

A.工場の建物と機械及び装置に区別して、次のように取り扱うのが適当であると考えます。

1 工場の建物については、機械及び装置等がそのまま存置されていますので、建物としての効用を果たしているものと考えられることから、償却しても差し支えありません。

2 機械及び装置については、稼働休止期間中においても必要な維持補修が行われており、いつでも稼働し得る状態にあるものは、償却の対象とすることができますが、例えば、シートで覆って、放置されているものは償却することはできません。

参考:令13(減価償却資産の範囲)、基通7-1-3(稼働休止資産)

事業の用に供した日の判定

Q.当社は、金属機械の製造業を営んでいます。今回、最新式の工作機械を買い入れ、据え付けたところで決算期末を迎えました。まだ、この機械を使って製品の生産を始めておりませんが、当期において減価償却してもよいでしょうか。

A.減価償却資産の償却開始の日は、事業の用に供した日となっています。この「事業の用に供した日」とは、一般的にはその減価償却資産のもつ属性に従って本来の目的のために使用を開始するに至った日をいいます。

御質問の場合、機械を工場内に搬入しただけでは事業の用に供したとはいえず、その機械を据え付け、試運転を完了し、製品等の生産を開始した日が事業の用に供した日となります。

なお、事業の用に供した日とは、資産を物理的に使用し始めた日のみをいうのではなく、例えば、工具の場合には、使用するために用品倉庫から工場(現場)へ払い出したときに事業の用に供したものと考えられています。

また、賃貸マンションの場合には、建物が完成し、入居募集を始めたときに事業の用に供したものとされており、全室に賃借人が入居しなくてもその建物の全部について償却を開始することができます。

参考:令13(減価償却資産の範囲)、措通65の7(2)-2(買換資産を当該法人の事業の用に供した時期の判定)

平成26年12月31日以前に取得した美術品等の取扱い

Q.当社は3月決算法人で、平成26年4月1日に20号の大きさの絵画を60万円で購入し応接室に飾りました。この絵画については、非減価償却資産としていましたが、取扱いの変更に伴い、再判定を行った結果、減価償却資産に該当することとなります。

この場合、この絵画の償却方法はどのようになりますか。

A.平成26年12月31日以前に取得した美術品等で資産区分を非減価償却資産から減価償却資産へ変更するものについては、平成27年1月1日以後最初に開始する事業年度(以下「適用初年度」といいます。)から減価償却を行うこととなります。

この場合の償却方法は、その美術品等を実際に取得した日に応じて旧定額法、1日定率法、定額法、50%定率法又は200%定率法によることになりますが、取得日を適用初年度開始の日とみなすこととして定額法又は200%定率法を選択できるほか、中小企業者等にあっては、中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例の規定を適用することもできます。

御質問のケースの場合、平成28年3月期から定額法又は200%定率法を用いて減価償却を行うこととなります。

なお、この取扱いは平成26年12月31日以前に取得した美術品等について、適用初年度に減価償却資産に該当するかの再判定を行い、減価償却資産に該当することとなった美術品等に限り、その適用初年度以後の事業年度において減価償却を行うことができるものであり、適用初年度において減価償却資産の再判定を行わなかった場合には、従前の取扱いのとおり、減価償却を行うことはできません。

参考:令13(減価償却資産の範囲)、令48、48の2(減価償却資産の償却の方法)、措法67の5(中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例)、基通7-1-1(美術品等についての減価償却資産の判定)、平26課法2-12第1二経過的取扱い(経過的取扱い…改正通達の適用時期)

美術品等についての減価償却資産の判定

Q.歴史的価値又は希少価値を有し、代替性のないもの(古美術品、古文書、出土品、遺物等)に該当しない美術品等についての取扱いが改正されたと聞いていますが、その概要について教えてください。

A.平成27年1月1日以後に取得した御質問の美術品等については、原則として取得価額が1点100万円未満であるものは減価償却資産に該当し、取得価額が1点100万円以上であるものは非減価償却資産に該当するものとして取り扱うこととされました。

なお、取得価額が1点100万円以上の美術品等であっても、「時の経過によりその価値が減少することが明らかなもの」に該当する場合は減価償却資産として取り扱うことができます。

この「時の経過によりその価値が減少することが明らかなもの」とは、例えば、次に掲げる事項の全てを満たす美術品等が挙げられます。

1 会館のロビーや葬祭場のホールのような不特定多数の者が利用する場所の装飾用や展示用(有料で公開するものを除く。)として取得されるものであること。

2 移設することが困難で当該用途にのみ使用されることが明らかなものであること。

3 他の用途に転用すると仮定した場合に、その設置状況が使用状況から見て美術品等としての市場価値が見込まれないものであること。

また、取得価額が1点100万円未満の美術品等であっても、「時の経過によりその価値が減少しないことが明らかなもの」は、減価償却資産に該当しないものとして取り扱われます。

参考:令13(減価償却資産の範囲)、基通7-1-1(美術品等についての減価償却資産の判定)

置物の購入費用の取扱い

Q..当社は、この度、社長応接室に飾るための置物を40万円で購入しました。この置物は減価償却資産として認められますか。

A.美術品等には絵画や彫刻等の美術品のほか工芸品などが該当し、取得価額が1点100万円未満の美術品等は原則として減価償却資産に該当します。

減価償却資産に該当する美術品等は、その構造や材質等に応じて、耐用年数省令別表第一に掲げる区分に従って判定することとなります。

御質問については、置物の材質等が分かりませんが、一般的には、同別表第一の「器具及び備品」の「1 家具、電気機器、ガス機器及び家庭用品(他の項に掲げるものを除く。)」の「室内装飾品」として、その材質に応じた耐用年数により減価償却することとなります。

ただし、この置物の素材が貴金属である場合や時の経過によりその価値が減少しないことが明らかな場合は、非減価償却資産に該当することも考えられます。

なお、取得した置物を社長の自宅に設置するなど、法人の業務遂行に関係がないと認められるものについては、法人の減価償却資産には該当しないので注意してください。

参考:令13(減価償却資産の範囲)、耐用年数省令 別表第一、基通7-1-1(美術品等についての減価償却資産の判定)、基通7-1-2(貴金属の素材の価額が大部分を占める固定資産)

物故社員の供養塔の建設費の取扱い

Q.当社は、この度、某寺院の霊地に物故社員の供養塔を建立してその霊を祭るとともに、社員に対する事故防止のいましめにしたいと思いますが、その取扱いはどうなりますか。なお、建立等の費用の見積りは次のとおりです。(1)霊地の永代使用料 500万円(2)供養塔(みかげ石)600万円

A.御質問の供養塔の建設費については、次のように取り扱われます。

1 霊地の永代使用料は、土地の上に存する権利の取得の対価であり、非減価償却資産となります。

2 供養塔の建立費については、会社が将来にわたって保守管理し、事故防止に対する姿勢を示すとともに、物故社員の霊を合祀していくものですから、固定資産に計上し、減価償却していくことになります。

なお、耐用年数は、耐用年数省令別表第一の「構築物」の「石造のもの」の「その他のもの」の50年となります。

参考:令12(固定資産の範囲)、耐用年数省令 別表第一