「資産税」カテゴリーアーカイブ

遺贈により取得した財産から債務控除できる葬式費用等

Q.内縁関係にある甲の死亡により、甲が加入していた生命保険から3,000万円を受け取りました。この生命保険金から私が負担した葬式費用を相続税の課税価格の計算上、控除できますか?

A.葬式費用は生命保険金から控除できません。相続税の計算では、遺贈によって得た財産から葬式費用などを控除することができますが、この控除は納税者が全財産の相続人である場合や特定の遺贈を受けた場合に限られています。もし相続を放棄した人や相続権を失った人が葬式費用を負担した場合、その費用は遺贈によって得た財産(生命保険金を含む)から控除することが認められています。

控除できる債務の範囲

Q.次のような債務は、相続税法上控除の対象となりますか。① 被相続人が生前に購入した墓石の未払金 ② 保証債務 ③ 連帯債務 ④ 消滅時効の完成している債務 ⑤ 被相続人に対する罰金で未払のもの ⑥ 特別寄与料 (民法1050)を 支払った場合

A.相続税法では、被相続人の債務について、その債務が相続時に実際に存在し、認定されるものである場合に限り、控除の対象となります。具体的には以下のようになります。

① 墓石の未払金は、相続税の非課税財産に関連するため、相続税法の規定により控除することはできません。

② 保証債務は基本的に控除できませんが、主たる債務者が支払い不能であり、保証人が支払わざるを得ない状況で求償権を行使できない場合のみ、その金額が控除の対象となり得ます。

③ 連帯債務は、債務控除を求める人の支払うべき金額が明確であれば、その金額は債務控除の対象になります。また、連帯債務者のうち支払い不能者がいて、その負担分を負担しなければならないと認められる場合、その金額も控除対象です。

④ 消滅時効が完成した債務は、相続税法の定める「確実な債務」とは認められないため、控除できません。

⑤ 罰金は刑事罰であり、相続性を有しないため、未払いであっても債務とはみなされません。 ⑥ 特別寄与料については、相続人が支払った場合、これは被相続人の死に起因するものであるため、課税財産から減額できます。そして、特別寄与者に支払うべき料金が、その人に関する課税価格に含まれる際、その支払い分は相続または遺贈によって得た財産から控除されます。

限定承認をした後に生命保険金が支払われた場合の課税価格

Q.月前、父が死亡し相続人全員(4人)で限定承認の手続を済ませました。その後、父が支払った生命保険から母に1億円の死亡保険金が支払われました。相続税の課税価格はどうなりますか?

A.相続税の課税価格は、受け取った生命保険金から非課税とされる部分を差し引いた残りの8,000万円になります。ここでは1億円から(500万円×4人 = 2,000万円)を差し引いた金額が課税価格となります。限定承認では、被相続人の債務や遺贈の履行をその相続された財産の範囲内で負うことになりますが、相続税の課税価格を計算する際には、債務を財産の価値を超えて控除することはできません。また、母が受け取った生命保険金は相続財産とは別に考えられるため、限定承認による計算には含まれません。

相続税法と国際結婚

Q.大韓民国人である被相続人とその日本人の妻の婚姻関係について、妻が日本の戸籍に婚姻届出の記載がありますが、被相続人の本国の戸籍には婚姻届出の記載がありません。この場合、妻は相続税法第15条第2項に規定する法定相続人に該当するのでしょうか?また、被相続人が外国人である場合の相続税の総額の計算方法はどうなりますか?

A.はい、この場合、妻は相続税法第15条第2項に基づく法定相続人に該当します。そして、被相続人が外国人であっても、相続税の総額の計算は日本の民法の規定に従って行われます。つまり、相続人とその相続分を基準にして計算します。大韓民国人と日本人の間での婚姻は、日本の法律と大韓民国の法律に従って正式に成立している場合、有効とみなされるため、妻の戸籍に記載があれば婚姻が有効に成立していると認められます。相続財産がまだ分割されていない場合には、未分割の財産は被相続人の本国の法律に従い、相続財産として取得したものとして税額が計算されますが、遺言による法律の指定がある場合は別の扱いとなることがあります。

持分贈与と小規模宅地等の課税価格計算特例

Q.持分贈与により贈与税の配偶者控除の適用を受けた宅地で残る被相続人持分について小規模宅地等の課税価格の計算の特例を受ける際、居住用部分と事業用部分の適用割合はどうなりますか?

A.贈与を受けた宅地の残りの部分に対して小規模宅地等の課税価格の計算特例を使用する時、居住用部分と事業用部分の割合は贈与される直前の宅地の利用状況に基づいて決められます。例えば、家と店舗の両方がある宅地で配偶者控除を利用して贈与を受けた場合、相続税の申告に際して居住部分について優先して特例を適用したり、特定の贈与財産として扱われても、宅地の居住に使われていた部分は相続が始まる直前の実際の状況を反映して評価されます。つまり、店舗と住宅が混在する宅地に関する被相続人の持分で居住用に役立っていた部分は、その割合に応じて小規模宅地等の課税価格計算で考慮されます。

特定計画山林についての相続税の課税価格の計算の特例

Q.【間4-621特定計画山林についての相続税の課税価格の計算の特例制度について説明してください。

A.「特定計画山林についての相続税の課税価格の計算の特例」とは、被相続人から相続や遺贈によって土地や立木を含む財産を得た親族に対して適用される制度です。この制度は、その土地や立木が森林経営計画に沿って管理されている場合に限り、相続税の計算において特別な計算方法を許可します。具体的には、該当する財産の価額から一定の割合を減算した金額を、相続税の課税価格として計算できます。この特例を利用するためには条件があり、一つには相続税の申告期限前にそれらを遺産分割する必要がありますが、特定の条件下では期限延長も可能です。また、この特例の適用を受ける際には、申告書にその旨を記載し、必要書類を添付することが求められます。

持分贈与と小規模宅地等の課税価格計算特例

Q.持分贈与により贈与税の配偶者控除の適用を受けた宅地で残る被相続人持分について小規模宅地等の課税価格の計算の特例を受ける際、居住用部分と事業用部分の適用割合はどうなりますか?

A.小規模宅地等の課税価格の計算の特例における居住用部分と事業用部分の適用割合は、相続の開始直前の状況に基づいて決定されます。店舗兼用住宅で贈与による配偶者控除を受けた宅地につき、相続税申告時に居住部分を優先的に特例の適用を受けていた場合や、特定贈与財産に該当する場合でも、被相続人の居住用に供されていた部分は、相続開始直前の現況に基づいて評価されます。したがって、店舗兼住宅に関わる被相続人の持分の中で居住用に供されていた部分に相当する割合に基づいて、小規模宅地等の課税価格の計算が行われます。

公共事業と小規模宅地等の特例の適用

Q.公共事業の土地区画整理事業により仮換地の指定を受けた土地について、使用収益が禁止されている場合、小規模宅地等の特例の適用は受けられるのでしょうか?

A.公共事業による土地区画整理事業で仮換地の指定を受け、その仮換地と従前の住宅用地の使用が共に禁止されていた場合でも、相続が始まる時から相続税の申告期限までの間に故人がその仮換地を居住用途として使用する予定がなかったと特に考える理由がなければ、小規模宅地の特例の適用が受けられます。この特別な事情には、従前地の売買契約の締結、居住用地としての代替地の取得、または従前地または仮換地に関して物納の申請や許可を得ていた場合などが含まれます。

相続税申告と特定居住用宅地等の範囲について

Q.相続税の申告期限前に宅地の一部を譲渡した場合の「特定居住用宅地等」の範囲はどうなりますか?

A.相続した自宅の土地200平方メートルのうち、50平方メートルを売却した場合、残りの150平方メートルについて、その価額の80%の減額が可能です。特定居住用宅地等とは、被相続人が生前居住していた宅地で特定の条件を満たすものを指します。相続開始直前にその宅地の上にある家に居住していた方が、相続開始から申告期限まで継続してその宅地を保有し、かつその家に居住していることが必要です。ですので、相続した宅地200平方メートルのうち、50平方メートルを売却した結果、売却した土地を除いた残りの150平方メートルについてのみ、特定居住用宅地等としての小規模宅地等の相続税の税額計算の特例を受けられます。

共同住宅の一部が空室となっていた場合の小規模宅地等の特例の適用

Q.夫が所有していた土地を相続した際、その土地上のアパートの1室が空室となっていました。この空室については、大学生の息子を住まわせるため、新規の入居者の募集を中止していました。この場合、小規模宅地等の特例の適用はどうなるのでしょうか。 A.あなたの場合、空室に対応する敷地部分については小規模宅地等の特例の適用を受けることはできません。この特例は、相続または遺贈により取得した宅地等が貸付事業に利用されていたかどうかで判断されます。ただし、相続開始の直前に一時的に空室となっていた場合でも、貸付事業に利用されていた部分として取り扱われることがあります。しかし、あなたの場合は息子さんを住まわせるために新規の入居者の募集を中止しているため、空室に対応する部分はこの特例の対象外となります。一方で、相続開始時に貸付事業に利用されていた他の部分は特例の対象となり、その価額の50%が減額されます。