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農地等についての贈与税の納税猶予及び免除等

Q.今年農業高等学校を卒業し、農業に従事している19歳の長男に農地を贈与し、贈与税の納税猶予の適用を受けさせたいと考えています。農業高等学校に在学していた期間も農業に従事していた期間に含めることは可能ですか?

A.はい、農業に関する学科を学んだ期間は、農業に従事していた期間に含めることができます。農地の贈与税の納税猶予を受けるためには、贈与を受ける人が以下の要件を満たしていなければなりません。1. 贈与者の推定相続人で、18歳以上であること、2. 3年以上農業に従事していたこと、3. 受けた農地で直ちに農業経営を始めること、4. 農業委員会の証明を受けていること。この3年以上の農業に従事していた期間には、農業高等学校で学んだ期間や、農繁期に農業に従事していた期間も含まれます。さらに、贈与者が3年以上農業を営んでいたこと、対象となる農地が特定の要件を満たしていることも必要です。これらの条件を満たす場合、納税猶予の適用を受けるために、贈与税の期限内申告書を提出し、必要な手続きを税務署で行ってください。

贈与税の延納

Q.父から宅地の贈与を受けました。贈与税額を納付することができませんが、分割で納付することはできないでしょうか。

A.はい、可能です。贈与税の納税期限までに税務署に延納の申請を行い、許可を得ることができれば、5年以内に分割して納税することができます。これは、財産を贈与された場合の贈与税に限り適用される特例で、納税する額が多く一度に支払うことが難しい場合に有用です。しかし、申請をするにはいくつかの条件があります。まず、納税すべき贈与税の額が10万円を超えている必要があります。また、納税額に相当する担保を提供する必要があることもありますが、納税額が100万円未満でかつ延納期間が3年以下の場合は必要ありません。更に、延納が認められる期間は最長で5年であり、納税期限まで、または納税すべき日に、一度に支払うことが困難であるという理由が必要です。延納の許可を受けた後は、贈与税額に対して年6%の利子税がかかることに注意してください。

延納の許可を受けた場合の贈与税の連帯納付の義務

Q.昨年、私は長男に土地の贈与をしました。長男は贈与税の納期限までに金銭で納付することができなかったので、延納の許可を受けていますが、最近長男の経営する事業が不振で納税資力を失ってしまいました。この場合、私は長男の贈与税を連帯して納付しなければならないのでしょうか。

A.はい、納付できなくなった長男の贈与税について、あなたが贈与した財産の価額を限度に、連帯納付の義務を負うことになります。課税された贈与税の計算は、贈与した財産の価値がどれだけ税額に影響を与えているかに基づいて決定され、贈与者は、相続時精算課税制度が適用される財産の贈与税とそうでない財産の贈与税について、それぞれの財産の価値を限度として連帯納付の責任を負います。また、延納が許可された場合の連帯納付の義務は、贈与税に関しては以前のルールが維持されており、連帯納付義務があるとされています。

贈与税の運帯納付の義務

Q.私は、父から土地の贈与を受けましたが、事情があってその土地を弟に贈与しました。ところが私は、最近事業がうまく行かず、資金繰りがつかなくなりました。この場合、贈与税の納付はどのようにすればよいのでしょうか。 A.納付できなくなったあなたの贈与税については、お父さんと弟さんが、運帯納付の義務を負うことになります。贈与税は、贈与を通して財産を手に入れた人が税金を支払う必要がありますが、納税者を限定してしまうことによる問題を防ぐため、さまざまなケースで連帯納付の義務があります。具体的には、相続や贈与で財産を得た人、その財産を贈った人も、一定の条件下で税金の支払い責任を共有します。このルールは、相続人同士、さらに贈与や寄附を受けた人、そして財産を贈った人にも適用されます。あなたのケースでは、あなたが財産を贈り、その後資金繰りに困った時、お父さんと弟さんが贈与税の一部負担をすることになります。

贈与税の期限後申告と延滞税

Q.贈与税の期限後申告の特則等により申告があった場合の延滞税について教えてください。

A.あなたのケースでは、贈与税に関して延滞税は発生しません。このような状況は、ある人が相続や遺贈により財産を獲得したものの、同じ年に過去に受けた贈与に関しては、相続税に計上されるからです。しかし、相続税を申告した後に何らかの理由で、その人が相続や遺贈による財産獲得がないこととなった場合(特定のケースに限る)、その年に受けた贈与については、贈与税の期限後申告書または修正申告書を提出することが可能です。この申告書の提出が行われた日までの期間は、延滞税の計算に含まれません。これは相続や遺贈により財産を獲得しない事が確定した場合に限ります。

受贈財産が災害によって被害を受けた場合

Q.今年5月に叔父から建物の贈与を受け、所有権移転登記を終えました。しかし、同年10月に台風により建物が全壊し、損害保険金200万円を受け取りました。この場合、贈与税の計算はどのようになりますか。

A.贈与で受けた建物が災害(震災、風水害、火災など)により被害を受けた場合、その被害が受贈財産価額の10%を超える場合、贈与税が軽減されることがあります。災害が贈与税の法定申告期限後に発生した場合と期限前に発生した場合で、贈与税の取り扱いが異なります。

1. 法定申告期限後に災害があった場合、災害後に支払うべき贈与税額の一部が免除されます。免除額の計算には、損害保険金などで補填された金額は除外します。免除を受けるには、災害の詳細と被害額を記載した申請書を、災害が収束した日から2カ月以内に提出する必要があります。

2. 法定申告期限前に災害があった場合、災害による被害部分の価額(損害保険金で補填された金額は除外)を贈与によって取得した財産の価額から差し引いて課税価格を計算します。この特例を受けるためには、被害の状況と被害額を記載した贈与税の申告書を、申告期限内に提出する必要があります。

ご質問のケースでは、法定申告期限前に災害による被害を受けているため、次のように贈与税の計算が行われます。

– 課税価格の計算: 贈与で受けた建物の評価額300万円から、損害保険金200万円で補填された後の損害分100万円を差し引き、200万円が課税価格となります。

– 贈与税額の計算: 課税価格200万円から基礎控除額110万円を差し引いた90万円に対して、税率10%を適用して計算した結果、贈与税額は9万円となります。

国外財産の贈与に関する税計算

Q.国外に居住する父からA国内の不動産の贈与を受けた場合、贈与税の計算はどのようになりますか?

A.父がA国で支払った贈与税100万円を控除し、本来の贈与税からそれを差し引いた200万円が最終的な贈与税の金額となります。具体的には、相続税法第21条の8によると、国外で受け取った財産に対して支払われた贈与税相当額を控除できます。この法律は、「国外財産」に対する税の支払いを規定しており、誰がその税を支払ったか(この場合父が支払った)については特に規定されていません。従って、本来の贈与税300万円から父が支払った100万円を差し引いた200万円が納付すべき贈与税額となります。ただし、この控除できる額には上限があり、それは国外財産に係る本来の贈与税額までです。例えば、父がA国で400万円の贈与税を支払った場合でも、控除できるのは本来の贈与税額である300万円が限度です。また、国外で支払われた贈与税の日本円換算には、原則として対顧客直物電信売相場(TTS)による計算が用いられます。

人格のない社団又は財団への寄附金

Q.約20年前から主宰している「郷土史研究会」に、会員から寄附を募り史料館の建築費用として約500万円を集める場合、贈与税が課税されるかどうか。

A.寄附金額が1人当たり1万円から5万円程度であるため、個々の寄附に対して贈与税がかかることはありません。したがって、集めた寄附金500万円に贈与税は課税されないことになります。人格のない社団や財団が個人から寄附を受けた場合、通常はその社団や財団は個人として贈与税の納税義務者と見なされます。しかし、複数の人から寄附を受ける場合には、各寄附者からの贈与を個別に見て、それぞれに基礎控除を適用した上で贈与税を計算し、合計した額を納税すべき贈与税額とします。

贈与による一般贈与財産と特例贈与財産の取得の計算

Q.私は今年10月に祖父が保険料を負担していた簡易生命保険が満期になり郵便局で300万円を受け取りました。その他に今年6月に叔父から定期預金500万円の贈与を受けています。贈与税をどのように計算すればよいのでしょうか。なお、私は今年1月1日において25歳です。

A.あなたが祖父から受け取った満期保険金300万円は特例贈与財産に、叔父から受けた定期預金500万円は一般贈与財産に該当します。贈与税の計算は以下のステップで行います:

1. 一般贈与財産(500万円)と特例贈与財産(300万円)を合計して800万円。

2. 基礎控除110万円を差し引いて、課税価格を690万円とします。

3. 一般贈与財産に対しては一般税率を適用し、特例贈与財産に対しては特例税率を適用します。

   – 一般贈与財産(690万円 × 40% – 125万円 = 151万円)

   – 特例贈与財産(690万円 × 30% – 90万円 = 117万円)

4. その結果、貴方の場合の贈与税額は約138万2500円(一般贈与財産と特例贈与財産の税率計算後の合計)となります。

5. 算出された税額に100円未満の端数がある場合、その端数またはその全額が100円未満の場合は切り捨てます。

年の中途で直系卑属となった場合の取扱い

Q.今年の6月に叔父から現金の贈与を受け、9月に叔父と養子縁組をしました。その後、11月にその叔父(養父)から土地の贈与も受けました。直系尊属から贈与を受けた場合の贈与税の税率の特例の適用を受ける場合、贈与税の計算はどのようになりますか?

A.その年に贈与者と直系卑属となっても、贈与税の特例が適用される条件を満たしていたとしても、直系卑属となった時点より前に受けた贈与(この場合は現金)に対しては、特例の適用がありません。