「消費税法」カテゴリーアーカイブ

通常生活の用に供する物品

Q.「通常生活の用に供する物品」について教えてください。

A.免税対象物品は、輸出のために購入される物品の中で、日常生活で使用されるものが該当します。一方、事業用や販売目的で購入される物品は免税対象外です。日常生活で使用される物品と判断するには、販売業者が以下の事項を総合的に考慮して判断します。

1. 物品の大きさや用途、販売状況(販売回数、販売数量、販売金額など)からみて、事業用や販売目的とは考えられないか。

2. 物品が配送される住所が、日本国内の個人宅や法人の事業所でないか。

3. 購入時に使用されたクレジットカードやポイントカードが、提示された旅券等と異なる名義のものでないか。

4. 継続的な事前注文や掛け売り、振り込みなどの決済方法を使用していないか。

5. その他、明らかに事業用や販売目的で購入されると考えられる状況がないか。

これらをもとに、販売業者が輸出される物品が日常生活で使用されるものかを判断します。

参考:令18②

免税販売の対象となる物品

Q.輸出物品販売場において、免税販売の対象となる物品について教えてください。また、外国人事業者に対して免税販売することはできますか。

A.免税販売の対象となる物品は、輸出を目的として購入される日常生活に使われる物品です。一日の税抜き総販売額が特定の基準を満たす、一般物品(家電、バッグ、衣料品など消耗品以外)や消耗品(飲食料品、医薬品、化粧品など)であった場合に免税対象となります。一般物品の場合は税抜5千円以上が、消耗品の場合は税抜5千円以上かつ50万円以下が基準です。ビジネス用や販売目的で購入される物品は、免税の対象外です。この基準は外国人事業者が代理で購入する場合も適用されます。また、「金または白金の地金」は免税の対象外であり、一般物品と消耗品の組み合わせで税抜5千円以上の場合、指定された包装方法により免税販売可能です。この場合、一般物品は消耗品として扱われます。

参考:法8、令18

日本国籍を有する者が免税購入対象者であることの確認

Q. 日本国籍を有する者が免税購入対象者であるかどうかを確認するには、どのように行うのですか?

A. 日本国籍を有する者が免税販売を受けるためには、その人が最後に日本へ入国してから6か月以後に作成された「在留証明」または「戸籍の附票の写し」を提示し、国外に2年以上連続して住所または居所を持っていることを証明する必要があります。さらに、証明書類は、作成された時点で国外に2年以上居住していることが確認できるものでなければなりません。免税購入対象者への該当を判断する際は、これらの証明書類に関する規定に留意する必要があります。

「在留証明」では、「住所または居所を定めた年月日」と「本籍地の地番」の記載が必要です。

「戸籍の附票の写し」では、「本籍地の地番」の記載が必要です。

参考:令18①一、③―口、規6①③

免税販売の対象者

Q.輸出物品販売場での免税販売の対象者について教えてください。また、日本人に対して免税販売することはできますか?

A.輸出物品販売場での免税販売は、基本的に非居住者である外国人旅行者などに限定されています。具体的には、以下の条件を満たすべきです。

1. 「短期滞在」、「外交」、「公用」の在留資格を持ち日本に滞在する人、または寄港地上陸許可や緊急上陸許可など、特定の許可を受けている人。

2. 合衆国軍隊の構成員など特定の合意に基づく場合。

さらに、日本国籍を持つ人でも、免税販売の対象になることがあります。これには、国内以外の地域に2年以上引き続き住所や居所を有しているという条件があり、本人に関する領事館の在留証明や戸籍の附票の写しを提示し、確認を受ける必要があります。この確認は、最後に入国した日から起算して6ヶ月以前の日以降に作成された証明書類によって行われます。

外国為替及び外国貿易法第6条第1項第6号

出入国管理及び難民認定法別表1の1、1の3

出入国管理及び難民認定法14~18

日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条

参考:法8① 、令18①③、規6①③

免税販売制度の概要

Q.化粧品を小売する事業として、海外からの旅行者への消費税免税販売について知りたいです。輸出物品販売場制度とは何ですか?

A.輸出物品販売場制度とは、事業者が経営する販売場で外国人旅行者等の免税購入対象者に対し、免税対象品を特定の方法で販売する際に消費税が免除される制度です。この制度には「一般型輸出物品販売場」、「手続委託型輸出物品販売場」、「自動販売機型輸出物品販売場」の3種類があります。免税販売場として運営するためには、事業者は納税地所在の税務署長からの許可と、「輸出物品販売場における購入記録情報の提供方法等の届出書」の提出が必要です。免税販売を実施する際には、旅券の提示、免税購入対象者であることの確認、購入者への必要事項の説明、対象商品の引渡し、購入記録情報の提供、および購入記録情報の保存などの手続きが求められます。

参考:法8、令18、18の2、18の3、18の4、規6の2①、6の3、7、基通8-3-1

書籍等の輸出の場合の輸出証明

Q.書籍等を輸出する場合における消費税の輸出免税の対象となる輸出証明の方法について教えてください。

A.書籍等の輸出において消費税の輸出免税を受けるための輸出証明方法は以下のとおりです。非郵便物の場合は税関長の証明(輸出許可書)が必要です。郵便物については、輸出価額の合計が20万円を超える場合、税関長の証明(輸出証明書)が、20万円以下の場合は該当する記載がされた書類等が必要です。

輸出証明に必要な書類として、令和3年9月30日までと令和3年10月1日以降で、記載するべき事項に若干の違いがありますが、主に輸出の年月日、品名および数量と価額、受取人の情報が求められます。郵便物にかかわらず、発送伝票の控えなど、輸出した事業者の情報と品目ごとの詳細、受取人情報、および郵便物の受取日などが記載されている書類が必要です。

参考:法7、規5①、基通7-2-23

輸出証明

Q.消費税の輸出免税を受けるために必要な証明書類にはどのようなものがありますか?

A.輸出取引等を証明するためには、事業者がその課税資産の譲渡等に関して、次のように区分されるケースごとに必要な書類または帳簿を整備し、その譲渡等が行われた日の属する課税期間の末日の翌日から2ヶ月を経過した日から7年間保存する必要があります。

1. 貨物の輸出のケースでは、次のような書類が必要です。

   – 税関長からの輸出の許可を受けた貨物の場合は、輸出許可書または輸出許可通知書(輸出申告控)です。電子情報処理組織を通じて輸出申告し、承認されたものも含まれます。

   – 20万円超の郵便物の場合は、税関長の証明書が必要です。この証明は「郵便物輸出証明申請書」で受け、価額の合計で判断します。

   – 20万円以下の郵便物の場合は、帳簿または物品受領書その他の書類、引受書類または発送伝票等の控えが必要です。

2. 国際輸送、国際通信、国際郵便、または信書便のケースでは、提供した役務に関する帳簿や書類が必要で、その中には役務の提供日、内容、対価、提供相手の情報が含まれます。

3. 輸出類似取引の場合は、相手方との契約書その他の書類で、資産の譲渡等に関する事業者名、譲渡日、資産または役務の内容、対価、相手方の情報が記載されたものが必要です。

4. 外航船等に積み込む物品の場合は、「積込承認書」が証明書となります。

参考:法7、令17①②、規5①②、基通7-2-23

外国貨物に対する警備の取扱い

Q.外国貨物に対する警備は消費税の免税対象となるのでしょうか?

A.特定の外国貨物について行われる警備、例えば危険物や貴重品の警備は、外国貨物に係る役務の提供とみなされ、消費税の輸出免税の対象になります。しかし、保税蔵置場や船舶の警備の場合、その中に外国貨物が保管されているとしても、これらは外国貨物そのものに関する役務の提供ではないため、消費税の輸出免税の対象にはなりません。この規定は、港湾運送関連事業者が直接警備を行った場合も、警備会社に依頼した場合も変わりません。

参考:法7、令17②四、基通7-2-12

非居住者に対する役務の提供で課税されるもの

Q.外国人客が利用するホテルの宿泊やその他のサービスは、消費税の輸出免税の対象となりますか?

A.一般的には非居住者へのサービス提供は輸出免税対象になり得ますが、国内ホテルの宿泊サービスのように非居住者が国内で直接恩恵を受ける場合、消費税の輸出免税の対象外となります。免税対象外となるサービスには次のものが含まれます:国内での資産関連の運送や保管、不動産の管理や修理、建築請負、国内の交通機関による旅客輸送、国内での飲食や宿泊、理容や美容、医療や療養、劇場や映画館での観劇、国内の通信サービス、日本語学校での語学教育等。

参考:法7、 令17②七、基通7-2-16

指定保税地域における役務の提供に関する免税の適用範囲

Q.関税法第40条第1項で規定されている、指定保税地域での外国貨物、輸入許可を受けた貨物、または輸出予定の貨物について実行される改装、仕分け、見本展示や簡単な加工などの行為を下請業者に委託した場合、消費税の免税規定の適用が可能か。また、指定保税地域以外の保税地域でこれらの行為を行った場合はどうか。

A.関税法第40条第1項では、指定保税地域(国等が管理し、税関手続きの簡素化・迅速化を目指し、外国貨物の積み卸しや運搬が可能な場所)で、外国貨物や輸入許可を受けた貨物など(以下「外国貨物等」という)に関して、税関長への届出または税関長の許可を条件に次のような行為が可能です。届出が必要な行為では、点検や改装、仕分けその他の手入れが含まれ、許可が必要な行為では、見本展示や簡単な加工等が含まれます。これらの行為を依頼に基づき実施する場合、指定保税地域で行われる外国貨物に関するこのような役務の提供は、消費税において免税の対象とされていますが、この免税適用は荷役、保管、検数等の簡易な輸出入業務に限られます。そのため、点検、改装、仕分け等の貨物の記号、番号交換や現状維持のための行為は荷役等と類似した役務の提供として、他の保税地域でも免税が適用されますが、見本展示や加工等の許可が必要な行為は荷役等に類似していないため指定保税地域で行っても課税の対象となります。

参考:法第40条、令第17条(2)四