Q. 資産の譲渡が行われているにも関わらず、前受金、仮受金、預り金のままで売上処理をしていない場合、消費税が課税されないと考えてもいいですか?
A. 前受金、仮受金、預り金として金銭を受領した時点では、通常、これらは資産の譲渡の対価とは見なされず消費税は課税されません。しかし、その後実際に資産の譲渡が行われた場合は、経理処理上これらの金額を売上に振り替えているかどうかに関わらず、その時点で消費税が課税されます。
参考:基通9-1-27
Q. 資産の譲渡が行われているにも関わらず、前受金、仮受金、預り金のままで売上処理をしていない場合、消費税が課税されないと考えてもいいですか?
A. 前受金、仮受金、預り金として金銭を受領した時点では、通常、これらは資産の譲渡の対価とは見なされず消費税は課税されません。しかし、その後実際に資産の譲渡が行われた場合は、経理処理上これらの金額を売上に振り替えているかどうかに関わらず、その時点で消費税が課税されます。
参考:基通9-1-27
Q. 設立準備期間中に行った課税仕入れについて、設立第1期の消費税申告を行ってもよいか。
A. 新設法人の最初の課税期間は、法人が設立された日から始まります。設立の日は、登記の場合は設立登記の日、認可または許可を得て設立する場合はその認可や許可の日、合併または分割による設立の場合は契約書や計画書に定められた日となります。設立後の最初の課税期間の開始日の前日以前に、法人が設立準備期間中に課税売上げや課税仕入れを行った場合、その期間が通常の設立準備期間と認められる限り、設立後最初の課税期間での課税売上げ及び課税仕入れとして扱うことができます。ただし、設立準備期間が通常を超えて長くなる場合は、その期間の取引は法人として扱えません。個人企業が法人となった場合、設立登記前の取引は個人の取引として扱われます。新設法人が第1期から申告する場合、課税事業者として選択する手続きが必要であることに注意してください。
参考:法12の 2①、基通3-2-1、 9-6-1
Q.商品取引所の先物取引では、資産の譲渡等の時期はどのように取り扱われますか?
A.消費税においては、資産の譲渡、資産の貸付け、役務の提供が課税対象となります。商品先物取引では、特定の期日までに反対売買によって差金を決済した場合、実際に資産が引き渡されることなく取引が完了するため、消費税の課税対象外となります。しかし、期日が来て実物の引き渡しが行われる場合、その引き渡しが行われた日が資産の譲渡等として扱われ、消費税の課税対象となります。
参考:基通9-1-24
Q.フランチャイズチェーンの主催事業者が傘下の事業者から受け取るロイヤリティ収入について、消費税はいつ課税されるのでしょうか。
A.ロイヤリティ収入は、フランチャイズチェーンのブランド名を使用させたり、広告を代行したり、経営指導をしたりすることを対価として、傘下の店舗から受け取るものです。消費税は原則として、工業所有権やノウハウ使用の対価となるロイヤリティの額が確定した日に課税されます。ただし、契約に基づき、ロイヤリティ支払いを受ける日が事前に定められ、その日を資産の譲渡等の時期として会計処理している場合は、その支払いを受けるべき日に資産の譲渡等が行われたものとして扱い、その日に消費税が課税されます。
参考:基通9-1-21
Q.所有権移転外ファイナンス・リース取引により賃借した資産を他の事業者に賃貸する転リース取引の場合、会計処理と消費税法の取扱いについて教えてください。
A.転リース会社は、賃借人として元受会社からリース資産を受け取る取引と、賃貸人としてエンドユーザーにリース資産を譲渡する取引として二つの取引を処理します。会計処理では、賃貸人として受け取るリース料総額と賃借人として支払うリース料総額の差額を手数料収入として計上しますが、消費税法上は、転リース会社はリース資産の引渡し時に賃貸人として受け取るリース料総額を資産の譲渡対価に、賃借人として支払うリース料総額を課税仕入れに係る支払対価にそれぞれ加算します。法人税法上適切に延払い基準の方法による経理処理が認められる場合、リース譲渡に係る資産の譲渡等の時期の特例が適用できます。
参考:法2①八、十二、16、 28、 30
Q.賃貸人がリース会計基準に基づいて会計処理を行う場合、資産の譲渡等の時期の特例の適用が可能ですか?
A.賃貸人がリース会計基準に従って会計処理を行う場合、法人税法の取り扱いで、延払基準の方法による経理としてリース譲渡に関連する資産の譲渡等の時期の特例を受けることができます。これは、この特例が適用される場合、消費税法上でもリース譲渡に関連する資産の譲渡時期の特例を適用できることを意味します。
参考:法16
Q.我々の会社では、所有権移転外のファイナンスリース取引に賃貸借処理を適用し、分割して仕入税額控除をしています。次のような事由でリース契約を解約した場合、残存リース料はどう処理すれば良いですか? 1) 賃借人の倒産やリース料の支払遅延などの契約違反時、2) リース物件の滅失や修復不能な毀損が起こった時、3) リース物件の陳腐化による借換えなどで賃貸人と合意により解約した時。
A.リース契約においては、一括して仕入税額控除を行っている場合、上記1から3の事由で支払われる残存リース料は、課税対象外となります。賃貸借処理を行い、分割して仕入税額控除を実施している場合、これらの残存リース料は、どのケースでも課税仕入れとなります。理由は、リース取引が資産の譲渡(売買)に該当することが変わらないからです。残存リース料は仕入税額控除の対象となり、その時期は解約した日の属する課税期間において仕入税額控除として扱います。
参考:問2-59、8-7
Q.所有権移転外のファイナンス・リース取引における賃借人の消費税法上の取扱いについて教えてください。賃借人が通常の賃貸借と同様の会計処理を行っている場合、リース料は支払うべき日が属する課税期間の課税仕入れとして扱えるのでしょうか?
A.消費税法上、リース取引においては、資産の賃貸人から賃借人への引渡し時にその資産の売買があったとみなされます。これにより、原則として、資産を引渡しを受けた日の課税期間に消費税が一括して計算されます(一括控除)。しかし、賃借人が賃貸借処理を行っている場合は、リース料に対して支払うべき日が属する課税期間ごとに課税仕入れとして処理することが許されています(分割控除)。仕入税額控除の時期を2年目以降に変更することは認められません。また、簡易課税から原則課税へ移行した場合や、免税事業者から課税事業者へと変わった場合は、リース期間の2年目以降に支払うリース料に対して仕入税額控除を行うことができます。
参考:法30①、基通5-1-9(1)、11-3-2(注)、所法67の2、所令120の2②五、法法64の2、法令48の2⑤五
Q.所得税や法人税で部分完成基準に基づいて工事収入を計上する場合、消費税もその計上基準で課税されるか。
A.所得税や法人税で部分完成基準を用いて収益を計上する場合、つまり完成した部分を引き渡し、それぞれの完成割合に基づいて工事代金を計上する場合は、引き渡された時点でその部分について資産の譲渡があったと見なされるため、それが消費税の課税時期となります。ただし、長期大規模工事を請け負う場合、工事進行基準を用いることで、部分的な引き渡しがなくても資産の譲渡等があったとみなすことが可能です。
長期大規模工事は、工事の開始日から契約に定める引き渡し日までの期間が1年以上(平成20年4月1日以前に開始された課税期間では2年以上)で、工事の請負代金が10億円以上(平成20年4月1日以前に開始された課税期間では50億円以上)のものを指します。
参考:法17①②、基通9-1-8、 所法66① 、法法64① 、所令192①②、法令129①②
Q.所有権が移転しないファイナンス・リース取引で、リース料の支払方法が均等払いか不均等払いかに関わらず、消費税法上はどのように取り扱われるか。
A.所有権が移転しないファイナンス・リース取引は、「リース取引」として消費税法において扱われ、リースの目的となる資産が賃貸人から賃借人へ引き渡される時点で、そのリース資産の売買が行われたとみなされます。そのため、リース料の支払い方法が均等払いであれ不均等払いであれ、リース資産の引き渡し時点でリース資産の売買があったとみなされ、リース料の総額が課税売上げとされます。ただし、延払い基準の方法による経理をする場合等は、資産の譲渡等の時期に特例が適用される場合があります。
参考:法16①②、法法63①②、令32の2①②