「消費税法」カテゴリーアーカイブ

交際費等に対する仕入税額控除

Q.法人税上の交際費等に該当する課税仕入れについて、その仕入れに係る消費税額は仕入税額控除の対象となるのでしょうか。

A.事業として他社から資産を譲り受けたり、サービスを提供された場合、その取引が課税仕入れに当たり、消費税が免除されるもの(例:輸出免税)でない限り、仕入税額控除の対象となります。したがって、交際費等に該当する贈答品の購入費用や接待費用も、これに該当すれば仕入税額控除の対象です。ただし、商品券やビール券等の非課税取引や、軽減税率対象の取引は課税仕入れに該当しないこともあります。このため、税率ごとに区分する必要があります。

参考:法第二十二条、法別表第一第4号ハ、基本通達11-1-3

大学で行う社員研修の授業料に関する税金処理

Q. 社員研修のために社員を派遣し、大学や各種学校、研究機関などで受講させた場合、支払う授業料や受講料は支払先に関係なく課税仕入れとなりますか?

A. 社員を大学等に派遣し、支払う授業料や受講料に対する消費税の取り扱いは、以下の通りです:

1. 大学や大学院での研修:

   – ① 社会人向け開講講座:これらは正規の授業とは異なり、消費税が課税され、支払った受講料は仕入税額控除の対象となります。

   – ② 正規の授業聴講:消費税が非課税であり、支払った授業料や聴講料を仕入を仕入税額控除の対象とすることはできません。

2. 各種学校(外国語学校、ビジネス学校等)での研修:

   – ① 修業期間と授業時間が特定基準を満たす場合:消費税が非課税とされ、支払った授業料は仕入税額控除の対象外です。

   – ② それ以外の場合:消費税が課税され、支払った授業料は仕入税額控除の対象です。

3. 研究機関での研修:

   – 消費税法上、非課税の教育役務に該当しない場合、研修料に消費税が課税され、支払った研修料は仕入税額控除の対象となります。

参考:消費税法別表第一第11号イ、消費税法別表第一第11号ハ

神主に支払ったおはらいの謝礼の扱い

Q.当社は、社屋の新築にあたり地鎮祭を行い、その際神主におはらいの謝礼を支払いました。この謝礼は課税仕入れに該当しますか?

A.宗教活動に対する支出、例えば祈祷や読経に対し信者等が支払うお布施などは、その行為の対価というよりは寄進とされ、対価性がないため消費税の対象外です。したがって、貴社が支払ったおはらいの謝礼も課税仕入れには該当しません。

参考:法2①八

特約店のセールスマンへの販売奨励金と消費税法

Q. 特約店等のセールスマンに対して、一定の販売目標を達成した際に支払われる販売奨励金は消費税法上、課税仕入れとなるのでしょうか。

A. 特約店などのセールスマンに、あらかじめ決められた条件に基づき販売量に応じて支払われる金品は、直接の営業員への報酬支払いと同様のものとみなされますので、課税仕入れに当たり、仕入税額控除の対象となります。

参考:医法2第12条

建設協力金

Q.内装工事業を営む当社がK建設が建築中のビルのテナントFから内装工事を依頼され、K建設に対して建設協力金を支払った場合、この建設協力金は課税仕入れに該当するか?

A.建設協力金は、電気・水道の使用やその他のサービスを提供するための費用であり、これらのサービスの役務提供の対価として支払われます。したがって、消費税法における課税仕入れに該当します。

参考:法2①十二

専属下請先の従業員への災害見舞金

Q.建設機械等製造業の我が社は、専属の下請けとしてA社に運送や据付工事を委託しています。災害などの際にA社の従業員にも見舞金を支払っていますが、この費用は課税仕入れになりますか?

A.専属の下請け企業の従業員は、あたかも自社の従業員であるかのように考えることができ、その見舞金は福利厚生の一環として、また業務委託費の一部と見なされます。しかし、見舞金自体に対価性がないため、消費税の課税対象にはなりません。結果として、貴社が支払う災害等の見舞金は課税仕入れに該当しません。

参考:法2①十二

物品切手の仕入税額控除

Q.福利厚生の一環として従業員に支給している物品切手等について、仕入税額控除の対象にできるか。

A.支給された物品切手等は、従業員が直接物品や役務と引換えるため、事業者が引換給付を受ける場合と同様に、仕入税額控除の対象となります。ただし、入場券や旅行券などは、従業員が実際に引換給付を受けた日が属する課税期間における課税仕入れとみなされます。また、特定の条件下で、物品切手等を支払った日や支給した日の属する課税期間の課税仕入れとして扱っても問題ありません。物品切手等の取得にかかった費用が課税仕入れに関わる支払対価となり、割引を受けた場合は割引後の価格が対価とみなされます。

参考:法2①十二、基通11-3-7、11-4-3

レジャークラブの入会金と消費税

Q.従業員の福利厚生としてレジャークラブの法人会員として入会し、入会金を支払った場合、この入会金は課税仕入れになるでしょうか?

A.ゴルフクラブや宿泊施設などのレジャー施設を運営する団体から返還しない入会金を受け取る場合、その入会金は消費税の課税対象となります。従って、入会金を支払った場合、その入会金は課税仕入れとして扱われます。しかし、入会金を受け取る団体と会員の間の対価関係が明らかでない場合、その入会金を課税仕入れとしなくても許容される場合があります。

参考:法2①十二、基通5-5-4、 5-5-5、 11-2-7

従業員クラブのレクリエーション費用と課税仕入れ

Q.従業員団体に対してレクリエーション費用の一部または全部を賄うために支出した金銭が課税仕入れに該当するか、また、支出した金銭がレクリエーション費用として消費されたことが領収書で確認できる場合はどうか。

A.従業員団体に一括して交付される金銭は、事業者から見て独立した団体への補助金のようなものであり、課税仕入れには該当しません。ただし、その支出した金銭がレクリエーション費用として消費されたことが従業員団体の領収書で明確にされている場合、その金額は課税仕入れとして扱うことができます。

消費税法基本通達1-2-4では、事業者の役員や使用人で構成される団体が、親睦や福利厚生に関する事業を主な目的として行い、その経費の相当部分を事業者が負担する場合、事業の全部を事業者が行ったものとみなします。これには、事業計画や重要な運営案件の決定に事業者の許諾が必要な場合、事業に必要な施設の大部分を事業者が提供している場合などが含まれます。

利子補給金の消費税取扱い

Q.従業員の住宅取得を促進させるために、会社が設けた住宅取得資金貸付制度において、従業員の金融機関からの借入に対し会社が利子補給金として支払利息の一部を補助する場合、この利子補給金に関する消費税の取扱いはどのようになりますか?

A.会社が従業員に対して住宅取得資金の利息の全部または一部を利子補給金として給付する場合、この利子補給金は従業員への経済的利益の供与と見なされ給与に該当します。ただし、利子補給金の支給を受けても従業員の自己負担金利が年利1%以上である場合は、所得税が課税されません。このため、利子補給金は課税仕入れには該当せず、仕入税額控除の対象外になります。金融機関においては、利子補給金部分も含めた総利息が受取利息として非課税売上となります。

参考:法2①十二、6①、法別表第一第3