Q.私は外国商社の日本支店に勤務しています。当支店に勤務する日本国の居住者については、外国にある本店から直接本人に給与の支払が行われていますので所得税の源泉徴収がされていません。このように、給与所得について源泉徴収されていない場合でもその年の所得がその商社からの給与と給与等以外の所得金額が20万円以下であれば、所得税の確定申告義務はないと考えてよいでしょうか。
A.お問い合わせの状況では、給与が1箇所からの支給であり給与以外の所得が20万円以下の場合、通常は確定申告が不要とされるため、確定申告の義務がないと思われがちです。具体的には、所得税法では、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、山林所得、譲渡所得、一時所得、及び雑所得の合計額が20万円以下である場合、給与所得及び退職所得以外の所得金額に限って、確定申告が不要とされています。しかし、この規定は給与の支払いを受ける全てのケースにおいて所得税の源泉徴収が行われる、または行われるべき場合に適用されるものであり、源泉徴収されていない給与については対象外です。そのため、国外から直接給与を受け取り、その給与に対して所得税の源泉徴収がなされていない場合には、給与所得及び退職所得以外の所得金額が20万円以下であったとしても、全ての所得に対して確定申告を行う必要があります。