「所得税」カテゴリーアーカイブ

太陽光発電システムと一体で取得した家屋の取得対価の額

Q.地方公共団体から補助金を受けて新築した居住用家屋の住宅借入金等特別控除の計算基礎になる「居住用家屋の取得の対価の額」は、受け取った補助金相当額を控除して計算するのでしょうか。また、受け取った補助金は申告する必要がありますか。

A.地方公共団体から受け取った補助金は一時所得として扱われますが、その年の確定申告を行うことで収入金額に含めなくても良いことになっています。住宅借入金等特別控除の計算において、「居住用家屋の取得対価等の額」には、その家屋と一体として取得した太陽光発電システムを含む設備の取得価格も含まれます。平成23年6月30日前に契約を結んだ場合、補助金を収入から除外しても、取得価格からは控除する必要はありません。つまり、建物の建築費と太陽光発電システムの費用を合わせた2,400万円が居住用家屋の取得価格となります。しかし、平成23年6月30日以降に契約した場合は、補助金100万円を取得価格から差し引いて、2,300万円が居住用家屋の取得価格になります。太陽光システムを売却する際の取得費の計算では、補助金の額を差し引く必要があります。

耐火建築物

Q.中古住宅を居住の用に供した場合、耐火建築物とはどのようなものですか。

A.耐火建築物とは、家屋の主要な部分の構成材料が石造、れんが造、コンクリートブロック造、鉄骨造(軽量鉄骨造を除く)、鉄筋コンクリート造、または鉄骨鉄筋コンクリート造のものを指します。これは、建築物の登記簿に記載された構造から判断されます。なお、これ以外の建築物の場合、取得日から遡って20年以内に建築されたものが対象となります。耐火建築物であれば25年以内に建築されていることが条件です。また、地震に対する耐震基準に適合している場合、築後の経過年数に関わらず特別控除の対象となる場合があります。これには、耐震基準適合証明書による証明がある場合や、建設住宅性能評価書による耐震等級が1から3の評価を受けている場合などが含まれます。加えて、耐震改修を行い、その改修が耐震基準に適合していることを証明できれば、経過年数や耐震基準に適合していない中古住宅でも特別控除を受けることができます。令和4年1月1日以降に中古住宅を居住用途で使用開始した場合は、耐火建築物であるか非耐火建築物であるかにかかわらず、昭和57年1月1日以降に建築された建築物であれば特別控除の対象となります。

家屋の持分を有しない場合

Q.私と父は、二世帯住宅を建築するため、父が銀行から、私が地方公務員共済組合からの借入金により2世帯住宅を建築しました。この場合、住宅借入金等特別控除額の計算はどのようになりますか。土地の購入価額は4,000万円(父の単独所有)、土地の購入に係る借入金の年末残高は3,000万円(父の単独債務)、家屋の新築代金は2,000万円(子の単独所有)、家屋の新築に係る借入金の年末残高は2,000万円(子の単独債務)です。

A.住宅借入金等特別控除は、家屋の新築や購入およびその敷地購入に必要な資金を借り入れた場合に適用されます。質問の状況では、建てられた二世帯住宅はあなたの単独所有物であり、あなたの父が購入した土地については、家屋の新築や購入と一緒になされた敷地購入には該当しないため、住宅借入金等特別控除の対象外になります。ただし、あなたが新築した家屋に関する借入金については、償還期間が10年以上などの一定要件を満たせば、住宅借入金等特別控除の対象となり得ます。

定期借地権付建物を購入する場合

Q.定期借地権付建売住宅を令和5年3月から居住しています。この時、定期借地権の保証金の支払いに使われる借入金も住宅借入金等特別控除の対象になりますか?

A.住宅借入金等特別控除は、新しく作ったり買ったりした家やその土地を買うための借金に適用されます。定期借地権を得るために地主に権利金や保証金を支払うことがあります。権利金は定期借地権の代価として扱われ、そのための借金は特別控除の対象です。しかし、保証金は単に預かってもらうもので、定期借地権の代価ではないため、これに関係する借金は除外されます。ただし、保証金の経済的な効果を考えると、定期借地権を得る際の保証金の量と返還を要求できる権利の価格の差は、定期借地権の代価と見なすことができ、その差に関する借金は控除の対象になります。従って、あなたの場合は、定期借地権設定時の保証金とその時の返還要求権の価格の差額に相当する借入金が特別控除の対象になります。令和5年3月に入居された場合、具体的な計算は保証金15,000,000円から返還請求権の額13,245,000円を引いた1,755,000円が適用対象金額です。

居住用部分の増改築等の費用の額が明らかでない場合

Q. 店舗付住宅に増改築等を行いましたが、その費用の総額のうち居住用部分に係る費用の額がいくらであるのか分かりません。このような場合、家屋の新築又は購入の場合と同様に、床面積比によりあん分計算して求めてよいのでしょうか。

A. 店舗付住宅の増改築等の際に費用を居住用部分とその他の部分に分けることが必要ですが、費用の分け方が難しい場合には、増改築費用の額の半分以上が居住用部分に関わる費用であるなど、特に問題がないと認められる場合は、床面積比に基づいて費用を計算しても良いとされています。ただし、増改築と同時に店舗専用設備の取り付け等を行った場合は、その費用は計算から除外し、残った金額を床面積比で分ける必要があります。

増改築等の工事の金額基準の判定

Q.住宅借入金等特別控除の対象となる増改築等には、その増改築の工事に要した費用の額が100万円を超えるものであることという要件があるそうですが、その家屋が店舗付住宅である場合や共有物件である場合は、金額基準の判定はどのようにすればよいのでしょうか。

A.住宅の増改築にかかった費用が100万円を超えるかどうかの判断は、各工事ごとに行います。ですから、工事を行った部分が自宅以外にも店舗などの用途があったり、複数の持ち主がいる共有物件であったとしても、その工事にかかった費用の全額を合算して判定します。これは、自分が住んでいる部分だけでなく、自分以外の人が使用する部分や持分にかかる費用も含めた全体の費用で判断するということです。

生計を一にする親族等からの取得

Q.父母と一緒に暮らしている状況で、父から家屋の所有権の一部を有償で譲り受け共有にした場合、銀行の住宅ローンを使用してこの住宅借入金等特別控除を適用できるか。

A.贈与以外の方法で家屋を取得しても、取得時に生計を一にしていた親族等から中古住宅を購入した場合は、住宅借入金等特別控除の対象外です。このリストには親族、事実婚関係にある者、その他金銭その他の資産で生計を維持している者、また生計を一にする親族が含まれます。質問のケースでは、生計を一にする父親から中古住宅を取得しており、その後も生計を一にしているため、住宅借入金等特別控除の適用はありません。

家屋を賃貸の用に供していた場合の取扱い

Q.転任命令等やむを得ない事由により転居し、再居住した場合の住宅借入金等特別控除の適用又は再適用は、再居住した年において家屋を賃貸の用に供していた場合には、再居住した年の翌年から適用されますが、次のような場合には、家屋を賃貸の用に供していた場合に該当するのでしょうか。①家屋を親族に無償で貸し付けた場合 ②自家用車の駐車スペースを貸し付けた場合 ③家屋の一部を物置として貸し付けた場合 ④当初居住の用に供したときから貸店舗併用住宅である場合

A.転任命令等やむを得ない理由で転居し、その後再び同じ家に住む場合の住宅借入金等特別控除の適用について、家を賃貸として利用していた年は控除が適用されず、再住居した翌年から適用されます。各質問のケースは以下の通り取り扱われます。①親族に家を無償で貸し付けた場合、賃貸借契約ではないため家屋の賃貸には該当しません。②自家用車の駐車スペースを貸し付けた場合は土地の賃貸として扱われ、家屋の賃貸には該当しません。③家屋の一部を物置として貸し出した場合は賃貸とみなされ、賃貸に該当します。④住宅借入金等特別控除の対象である家屋(居住用部分)の一部を貸店舗として利用していた場合、その部分は控除の対象外となりますが、再居住した年に貸店舗として賃貸していても、全体が賃貸用として供されたとは見なされず、再居住した年から特別控除の適用または再適用が可能です。ただし、特別控除を受けていた居住用部分を賃貸していた場合は、賃貸用に供していたと見なされ、再居住した翌年以降に特別控除の適用が可能になります。

敷地の先行購入に関する住宅借入金等の範囲

Q.昨年11月に銀行から借入れて古家付きの土地を購入し、本年7月に新築した家に居住しています。この土地に関する借入金は、住宅借入金等特別控除の対象になりますか?また、新築にあたり古家の取り壊し費用に関する借入金も対象になりますか?

A.家屋新築前に購入した土地の購入費用に使った借入金は、住宅借入金特別控除の対象になる場合があります。これには土地を購入した際に一緒に買った古家を1年以内に取り壊し始めるなどの費用も含まれる場合があります。このため、お問い合わせのケースでは、家を新築する目的で土地を買ったことがはっきりしているため、土地購入や古家の取り壊しに関連する借入金は、他の条件を満たしていれば、住宅借入金等特別控除の対象となる可能性があります。

住宅借入金等特別控除の適用について

Q.私は、本年7月に住宅を購入し転居しましたが、本年11月に勤務先から転任命令があり、家族とともに3年の予定で転居することになりました。3年後にはその住宅に再居住するつもりですが、この場合住宅借入金等特別控除の適用はどうなるのでしょうか。

A.住宅借入金等特別控除は、新しく建てたり購入したりした住宅に、その取得や建築から6か月以内に引っ越し、その年の12月31日まで続けて住むことが必須条件です。しかし、2009年1月1日以降にこれらの条件を満たした後、転勤などの避けられない理由でその年の12月31日まで住むことができなくなった場合でも、将来その理由がなくなり、再びその住宅に住むことになった場合は、再入居の年またはその翌年以降、住宅借入金等特別控除を利用することができます。ただし、その住宅を賃貸に出していた場合には、賃貸していた年の翌年から適用されます。特別控除を受けるためには、転勤などで住まなくなること、または再び居住を始めたことを証明するいくつかの手続きが必要です。これらの手続きには、税務署への届け出や確定申告時の特定の書類の提出が含まれます。