「資産税」カテゴリーアーカイブ

譲渡所得等の課税の特例

Q.賃借中の不動産を取得後に譲渡した場合、資産の取得の日と取得価額の計算方法はどうなるのでしょうか。

A.資産の取得日は、その不動産を購入した日である平成30年9月1日になります。また、取得価額は、購入価格である1,800万円からその建物の減価償却費に相当する金額を差し引いたものです。これは、昭和52年3月10日から賃貸していた建物を、平成30年9月1日に購入することで、賃借権が法律上消滅するためです。したがって、この不動産の所有期間は令和5年1月1日時点で5年未満であり、売却したときの利益は短期譲渡所得として課税の対象になります。

土地区画整理事業により取得した宅地の譲渡

Q.土地区画整理事業が施行され、以前の地の代わりに土地を交換し、さらに50平方メートルを上乗せして取得しました。約1年後、今回その土地を全て売却しようと思いますが、昭和45年に取得した以前の地に対する交換土地部分は長期保有資産となります。では、追加で取得した50平方メートル部分はどうなるのでしょうか。 A.その追加で取得した50平方メートルの土地の取得原因が、土地区画整理事業による増加交換地であれば長期保有資産と考えられます。一方で、保留地を購入した場合は短期保有資産になるでしょう。具体的には、増加交換地の場合、土地区画整理事業によって小さすぎる土地を適切な大きさに調整するために追加で交換される土地があり、この追加土地は元の土地の取得時期を引き継ぎます。しかし、保留地とは土地区画整理事業での費用に充てるため事業施行者が所有権を取得した土地であり、これを購入した場合その引き渡し日が取得日とされます。

買換取得資産の譲渡と概算取得費計算

Q.昭和45年に事業用資産の買換えの特例の適用を受けて取得した土地と建物を、今度5000万円で売却することにしました。取得費の計算は、①引継取得価額160万円、②収入金額の5%に相当する概算取得費250万円、どちらを選択すればよいのでしょうか?

A.あなたのケースでは、250万円を取得費として計算することが可能です。概算取得費控除は、原則として昭和27年12月31日以前から持ち続けていた土地や建物を売った場合に使えるルールです。でも、昭和28年1月1日以降に買った資産でも、収入金額の5%相当額以下で取得した場合が多いです。そのような場合、5%の概算取得費で計算するとお得になることが認められています。この特例は、以前に事業用資産の買換え特例を使って買った資産にも適用できます。

譲渡所得の課税の特例

Q.前年に居住用財産の譲渡で3,000万円の特別控除を受けた場合、翌年に再度居住用財産を売却した際の軽減税率の適用は受けられますか?

A.はい、令和5年に居住用財産を売却した場合、軽減税率の特例の適用を受けることができます。この軽減税率の特例は、前年または前々年にこの特例の適用を受けていても、3,000万円の特別控除とは別に適用が可能です。つまり、前年または前々年に3,000万円の特別控除を受けていた場合でも、軽減税率の特例の適用を受けていなければ、その適用を受けることができます。

居住用財産の長期譲渡所得に対する所得税の計算

Q.私は、昭和48年に購入し現在まで引き続き居住している家屋と土地を令和5年7月に1億3,000万円で不動産業者に売却しました。この家屋と土地の取得費は3,600万円で、それ以外に譲渡のために400万円の費用がかかりました。この場合、私の譲渡所得についての所得税はどのように計算されるのでしょうか。 A.あなたの所得税額の計算は次のとおりになります。まず、課税する長期譲渡所得金額を計算します。これは、売却収入から取得費用と譲渡費用を引いた後、さらに特別控除額を引いて求められます。具体的には、1億3,000万円(収入金額)から3,600万円(取得費)と400万円(譲渡費用)を引き、さらに3,000万円(特別控除額)を引くと、課税対象となる長期譲渡所得金額は6,000万円となります。そのため、所得税は6,000万円×10%で600万円と計算されます。また、住民税は6,000万円×4%で240万円となります。なお、確定申告時には、所得税と一緒に復興特別所得税(基準所得税額の2.1%)も申告・納付する必要があります。この場合、譲渡した資産は日本国内にある自己の居住用家屋及びその敷地であり、譲渡年の1月1日時点で所有期間が10年を超えているため、特例の税率が軽減される対象となります。

予定地が優良住宅地の造成等に該当しなかった場合の修正申告

Q.令和5年に所有する土地をO不動産会社に買い取られることになり、令和6年中に優良住宅地の造成等のための土地等の譲渡に該当すると言われています。税額計算の特例の適用を受ける予定ですが、もし令和6年になって該当しなかった場合、差額の税金を納める必要がありますか?また、その場合の加算税や延滞税はどのようになりますか?

A.もし予定期間内に優良住宅地の造成等のための土地等の譲渡に該当しなくなった場合、修正申告を行い、税額の差額を納める必要があります。この修正申告は、予定期間が経過した後の4ヶ月以内に提出する必要があります。期限内に修正申告が済んでいれば、増加した税額に対する過少申告加算税や、提出期限までの延滞税は課されません。

確定優良住宅地の造成等予定地のために土地等を譲渡した場合

Q.私の所有する農地1,500ぷについてS開発会社から買申込みがありました。S開発会社は都市計画法の開発許可を受けて、この農地を住宅建設用の宅地として造成する予定ですが、担当者の話では、開発許可を受けられるのは、来年の6月頃とのことです。本年中に土地を譲渡した場合、「優良住宅地の造成等のための土地等の譲渡」に該当し、特例を受けることができるでしょうか。

A.あなたの土地の譲渡所得については、「優良住宅地の造成等のための土地等の譲渡」の特例を受けることができます。税法では、長期にわたり保有していた土地を、住宅建設用地として造成するプロジェクトに譲渡する場合、特定の条件を満たしたときに税の計算に特例が適用されると定めています。この特例には、「開発許可を受ける前であっても、将来的に優良住宅地として造成されることがほぼ確実であれば適用される」などの規定があります。譲渡する際は、開発許可等に関する諸書類の交換が必要とされ、それらの提出によって特例の適用を受けられます。また、譲渡日から2年以内に特例の条件が確実であると認められる場合にも、特例の適用が可能です。特例を受ける際は、土地の譲渡後も一定の手続きを踏む必要があり、その詳細は税務署からの指示に従う形になります。

譲渡所得等の課税の特例

Q.約30年前から所有している農地を、A市の土地開発公社が市立幼稚園建設用地の対償地として買収することになっています。この契約は、私と公社、そして幼稚園用地の提供者Bの3者間で行われ、私の土地は直接Bに所有権移転の登記をすることになります。この場合、私の土地は「優良住宅地の造成等のための土地等の譲渡」に該当しますか?また、特定住宅地造成事業のため1,500万円の特別控除の特例は適用されますか?

A.あなたが所有する農地の譲渡は、「優良住宅地の造成等のための土地等の譲渡の課税の特例」に該当します。しかしながら、この譲渡で1,500万円の特別控除を申請する場合は、この特例の適用は受けられないことに注意が必要です。あなたのケースでは、A市の土地開発公社が市立幼稚園のために行う収用事業の対償地としてあなたの土地を譲渡する形ですが、この「対償地」は、土地の先行取得の業務に直接必要だと認められる土地として扱われます。ただし、対償地の譲渡価額が事業用地の補償金相当額を超える場合、超過分については特別控除の規定と同様、この特例の適用がない点を把握しておく必要があります。

 譲渡所得等の課税の特例

Q.個人の長期譲渡所得のうち、優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合は、特例措置が適用されると聞きました。この優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の範囲はどのようになっているのでしょうか。

A.個人が所有する土地を、昭和62年10月1日から令和7年12月31日の間に譲渡し、その土地が譲渡時に5年以上所有されていた場合、その一部が「優良住宅地の造成等のための譲渡」にあたるときには、特別な税率が適応されます。この税率は次のようになります。課税長期譲渡所得金額が2,000万円以下であれば、所得税10%(追加で住民税4%)、2,000万円を超える場合は、超過分について所得税15%(さらに住民税5%)が加算されます。また、所得税には復興特別所得税(基準所得税額の2.1%)の支払いも必要です。

この特例の適用対象となる「優良住宅地の造成等のための譲渡」には幾つかのケースがあり、それぞれに関連する法律や規定が定められています。具体的には、国や地方公共団体、特定の公共事業を行う法人、独立行政法人、特定所有者不明土地の譲渡、マンションの建替え促進、都市再生事業への関与、国家戦略特別区域内での特定事業への貢献等による土地等の譲渡が対象となります。ただし、適用を受けるためには、財務省令で規定される条件を満たし、証明が必要となります。また、一部の特別な措置法に基づく譲渡は、この特例の対象から除外される場合があります。

短期譲渡所得に対する所得税の計算

Q.私の弟が令和元年に購入したA市の土地を令和5年に売却した場合、どのくらいの税金がかかるのでしょうか?

A.この土地の売却から得た収入には、分離課税の短期譲渡所得として所得税が適用されます。この場合の税額は60万円です。具体的には、所有期間が5年以下の土地や建物を売った場合、その収入は短期譲渡所得と見なされ、税率は30%(住民税は9%)です。令和5年にあなたの弟が売却するこの土地の例で見ると、1,900万円から1,700万円(購入価格)を差し引いた200万円が課税対象の収入となります。この200万円に30%の税率を適用すると、所得税は60万円、住民税は18万円と計算されます。さらに、この所得税額には復興特別所得税も加えられるため、確定申告時には所得税とともにそれを納付する必要があります。