「資産税」カテゴリーアーカイブ

譲渡所得等の課税の特例

Q.私はA市の市街地で紳士服の販売をしています。このほど、表道路において市営地下鉄の工事が行われるため、その間他所で仮営業所を設置することになり、事業施行者より仮営業所設置補償金として1,500万円を受け取りました。しかしこれまでから店舗の増設計画があり、その補償金で店舗を新築しました。この新築代金を仮営業所設置補償金から差し引くことはできますか?

A.店舗の新築代金を仮営業所設置補償金から差し引くことはできません。そのため、受け取った仮営業所設置補償金は事業所得の計算上総収入金額に算入されます。補償金にはいくつかの種類があり、対価補償金、収益補償金、経費補償金、移転補償金、その他対価補償金の実質を有しない補償金があります。代替資産の取得が可能なのは対価補償金のみです。受け取った仮営業所設置補償金は仮営業所の設置費用に対する補償であり、これは経費補償金にあたるため、新築代金の差し引きは認められません。

立木補償金をもってアパートを取得した場合

Q.私は山林の輪伐経営者ですが、収用等に係る立木補償金をもってアパートを取得した場合、そのアパートは、租税特別措置法施行令第22条第6項の規定によりその立木の代替資産としての適用はあるのでしょうか。

A.立木は棚卸資産等に分類されるため、立木の補償金を受け取った場合に代替資産の特例を適用することはできません。山林とアパートは性質が異なる資産であるため、アパートが特定の条件、具体的には事業用資産としての要件を満たす場合にのみ代替資産の特例が適用されます。ただし、輪伐業における立木は、事業に使われている固定資産とは見なされませんので、今回のケースでは代替資産の特例の適用はありません。

譲渡所得等の課税の特例

Q.現に賃貸中の土地を起業者が買取る際、立中学校の敷地内にある賃貸借契約により賃借している土地があり、契約期間が切れて地主から買取りまたは明渡しの申出があった場合、この土地の譲渡について地主は収用等の場合の課税の特例の適用を受けることができるのか。

A.地主がその土地を町に売却する際、地主と町との間で賃貸借契約を借地借家法等の規定により更新できない等の特定の事情が存在する場合のみ、地主は土地の譲渡について収用等の場合の課税の特例を受けることができます。具体的には、現に賃貸中の土地に関して契約更新が借地借家法の規定により不可能な事情が存在し、地主が契約更新を拒む場合に限り、土地収用法に基づく収用権が認められる事情があるとき収用等の場合の課税の特例が適用されます。

残地買収の対価

Q.市の都市計画街路事業のために私の住宅を移転しなければならなくなり、その過程で私の宅地の一部が買収されます。残された土地は三角地であり、建物の敷地としては利用できない状態です。市の担当者からは、この残地も買収する予定であると聞きましたが、この残地買収について収用の場合の課税の特例の適用は可能ですか?

A.残された土地だけでは元のように使うことができないため、残地の売却に際しても収用等に関する課税の特例を受けることが可能です。法律には、同じ土地所有者の土地の一部が収用され、残された土地を以前の目的で使用することが非常に難しくなった場合、土地所有者はその土地の全ての収用を要求できるとあります。市の用地買収担当者が残地を買取ることを提案しているのは、おそらくこの法的な基準に基づいています。しかし、残地を以前の目的で少し不便ながらも使うことができる場合は、特例の対象とはならないので注意が必要です。

借家人補償金の取扱い

Q.この借家が収用事業にかかり、立ち退くことになった際に受け取る借家人補償金は課税されるのでしょうか。

A.あなたが受け取る借家人補償金は、「対価補償金」とみなされます。この補償金には特別な税制措置があります。例えば、5,000万円までの特別控除を利用することができます。また、補償金を新たな賃貸住宅の初期費用(権利金など)に使う場合、その金額を「代替資産取得費用」として、代替資産取得に関する特別な税制措置を受けられます。公共事業で立ち退くことになった人が受け取る補償金は、転居するための実際の費用を反映したもので、その費用の大小によって異なります。建物の賃借に必要な権利金や礼金などの費用が補償されることがありますし、新しい賃貸物件の家賃と前の家賃との差額が補償される場合もあります。補償金はその性質によって対価補償金としての取扱いがあり、特定の条件下で特別な税制措置を受けられることがあります。さらに、動産移転費用補償金や仮住居費用補償金などが支給される場合、実際に支出した費用を差し引いた後の残額があれば、その部分が一時所得として課税されます。借家を事業用途で利用していた場合は、同等の用途の土地や建物を取得してそれを代替資産とすることも可能です。

建物移転補償金により新築する家屋

Q.私の土地が道路用地として買い取られることになり、その上にある建物を移転させなければなりません。この建物の移転に要する費用として補償金の交付を受けていますが、建物は移転させずに取り壊し、その補償金で新しく建物を建築したい場合、受け取った補償金についての課税関係はどのようになるのでしょうか。

A.通常、建物移転補償金は一時所得として課税されます。しかし、補償金で建物を取り壊す場合、その補償金は対価補償金とみなされ、譲渡所得として課税されます。収用等に伴う補償金は、目的に従って使用された場合、特定の額までは非課税です。しかし、目的外使用や超過分は一時所得として課税されます。建物移転補償金で建物を取り壊した場合は、譲渡所得と見なされ、替えた資産によっては税の特例が適用可能です。ただし、5,000万円の特別控除の特例や収用に伴い代替資産を取得した場合の特例の適用は選択になり、両方を同時に適用することはできません。

譲渡所得等の課税の特例

Q. 私は駅前商店街でタバコ小売商をしており、4人家族で暮らしていますが、母は寝たきりで、私が世話をしています。最近、駅前商店街の再開発計画が具体化し、新しいビルの1階に店舗、4階に住居をもらえることになりましたが、店と家事をこなしながらの生活が難しくなり困っています。再開発を受けずに金銭補償を受けたいのですが、税金の面でどのような扱いになりますか。

A. お母様のご状態等の事情から、再開発ビルでの生活やビジネスが難しいと認められる場合、再開発ビルへの入居を希望せず金銭補償を選択することが可能です。その金銭補償に対して、特定の手続きを踏んだ上で、税金に関する特別な扱いを適用できます。具体的には、家族の事情などがある場合やその他特定の条件を満たす場合に、事業実施者の承認を得て課税の特例を受けることができます。

譲渡所得等の課税の特例

Q.私がS市に持っている土地について、数年前からS市施行の土地区画整理事業が行われていましたが、最近事業が完了し換地処分の公告が行われました。私の換地は従前の土地とほぼ同じ位置に定められ、道路部分に相当する分が減少し、清算金300万円の交付を受けることになりましたが、この清算金に対しての課税関係はどうなりますか。 A.交付を受けた清算金は収用等の場合の課税の特例の適用を受けることができます。土地区画整理事業で換地を定めた場合、従前の宅地と換地の位置、地積、土質、水利、利用状況、環境等を総合的に考慮し、もし不均衡が生じると認められる場合、金銭でこの不均衡を是正することができます。この金銭を清算金と言います。土地区画整理事業の施行による換地処分に伴い、換地とともに清算金を取得する場合、従前の土地のうちその清算金に対応する部分について譲渡があったものとみなされます。この清算金に対応する部分は、収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例の適用を受けるか、5,000万円特別控除の特例の適用を受けるかのいずれかを選択できます。土地区画整理事業の施行により交付される清算金には、換地とともに交付されるもののほかにもいくつかの形態があります。たとえば換地が定められない過小宅地や公共施設用地についての清算金、または土地所有者の申出等によって換地が定められない場合の清算金があります。過小宅地や公共施設用地に関する清算金は収用等の場合の課税の特例の適用が認められていますが、土地所有者の申出による清算金は私人間の任意の売買と同様に通常の譲渡として課税されます。

譲渡所得等の課税の特例

Q.私は、土地区画整理事業により仮換地の指定を受け、そこに家屋を新築し住んでいます。ところがその土地に小学校を建てる計画があるため、仮換地の買取りの申し出を受けた後に同意しました。しかし、売買の対象となる土地は元の土地であり、その元の土地は小学校の建築計画区域外です。この場合でも収用等の場合の課税の特例の適用を受けることが可能でしょうか?

A.はい、収用等の場合の課税の特例の適用を受けることができます。土地区画整理事業では、公共用地等は換地処分を通じて確保されるべきですが、仮換地の指定から換地処分まで時間がかかることがあります。急を要する事業では、換地処分を待たずに仮換地を使用することがあります。従前地が事業地外にあっても、仮換地が事業地内にあり、かつ以下の条件に該当する場合、補償金や対価について収用等の場合の課税の特例が適用されます。1) 仮換地が土地収用法等の規定に基づいて使用され、その結果使用収益権が消滅する場合。2) 仮換地に関する使用収益権の消滅を拒んだ場合でも、土地収用法等に基づいて仮換地が使用されて権利が消滅する場合において契約により権利が消滅する時です。あなたのケースでは、これらの条件に該当するため、特例の適用が可能です。

譲渡所得等の課税の特例

Q.父からの相続で母と共有で取得した宅地が、A市の小学校用地として買い取られました。私は持分に相当する全額で代わりの資産を取得し、収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例の適用を受けようと考えています。収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例の適用を受けると、5,000万円控除の特例は受けられないと聞きましたが、私の譲渡について収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例の適用を受けた場合、母の譲渡について5,000万円特別控除の特例の適用が受けられなくなるのでしょうか。

A.あなたの母は、収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例または5,000万円特別控除の特例のいずれかを選択できます。つまり、あなたとあなたの母はそれぞれ異なる特例を選択することができます。公共事業のために土地が買い取られた場合、買い取りの申出を受けてから6か月以内にその土地を譲渡した際、納税者はこれら二つの特例のうちどちらかを選ぶことができますが、両方を適用することはできません。しかし、この選択権は譲渡者ごとに与えられているため、共有者の1人が収用等に伴う代替資産の特例を選択しても、他の共有者に影響はありません。