「資産税」カテゴリーアーカイブ

生前に退職した会社から受けた特別弔慰金

Q.生前に退職した会社から受けた特別弔慰金と、別の会社から受けた退職慰労金について、相続税の課税関係はどのようになるか教えてください。

A.父が亡くなり、以前勤めていたA社から特別弔慰金500万円、再就職先のB社から退職退職慰労金300万円を受け取りました。この二つの金額に関する相続税の取り扱いは以下の通りです。 最初のA社からの特別弔慰金は、相続税法における退職手当金とはみなされないため、相続税は発生しません。しかし、この金額は相続人が一時所得として受け取り、所得税の対象となります。次に、B社からの退職慰労金については、故人が勤務中のサービスへの報酬と見なされ、相続税法で定義される退職手当金に該当します。そのため相続税の対象となります。この状況は、お父様がA社から退職時に退職手当金をもう受け取っているため、A社からの特別弔慰金が相続税の範囲外である理由と合致します。この金は雇用関係にある者からではなく支払われ、お父様の生前の仕事に対する報酬ではないからです。

被相続人の死亡後確定した退職手当金の相続税上の取り扱い

Q.被相続人が死亡した後に確定した退職手当金は、相続税の課税上どのように取り扱われるのでしょうか?

A.被相続人が死亡した後に支給額が確定した退職手当金は、相続税法によってみなし相続財産として扱われます。具体的には、退職手当金が被相続人の生前退職によるものであっても、その支給が被相続人の死亡前に確定していない場合、その死亡後3年以内に支給金額が確定する退職手当金についてはみなし相続財産とみなされます。ただし、死亡後3年を超えて支給金額が確定する退職手当金に関しては、相続人の一時所得として扱われます。

業務上死亡 と業務外死亡の判定基準

Q.私の父は社用で出張中に自動車事故のため死亡しましたが、「業務上の死亡」に該当するでしょうか。

A.お父様が出張先で業務に関連する活動をしている最中に自動車事故に遭い、その結果亡くなられた場合は、「業務上の死亡」と考えられます。しかし、具体的な状況が明確でないため、一概には言えません。業務上の死亡か業務外死亡かの判定は、亡くなった原因が直接業務に由来するかどうかに基づいて行われます。業務というのは、その人に課せられた仕事のことを指し、業務上の死亡とは、その仕事が直接の原因である、または業務と密接な因果関係が認められる場合の死亡を意味します。

弔慰金の取扱い

Q.先月、夫が死亡し、勤務していた会社から、退職手当金以外に弔慰金が支給されましたが、その取扱いについて説明してください。

A.弔慰金は通常、相続税の対象にならないものの、それが「弔慰金」なのか「退職手当金」なのかは名前ではなく、内容によって判断します。退職手当金にあたるかどうかの判断は、特定の方法によって行われます。その方法で退職手当金に該当しないと判断された金額、または判断が難しい金額については、次の基準によって算定された金額が弔慰金として扱われます。具体的には、亡くなった方の死亡が業務上のものであった場合は、死亡時の賞与を除く普通給与の3年分に相当する金額が、業務上の死亡でない場合は賞与を除く普通給与の半年分に相当する金額が弔慰金として取り扱われます。弔慰金に該当しない金額は、退職手当金として相続税の課税対象になります。

退職手当金の取扱いとその判定

Q.退職手当金はみなし相続財産として課税されると聞きましたが、その場合の「被相続人に支給されるべきであった退職手当金、功労金、その他これらに準ずる給与」について、その取扱いや判定方法を説明してください。

A.退職手当金、功労金、その他これらに準ずる給与とは、名称に関わらず、被相続人が生前に勤務していた期間のサービスに対して、退職手当金や功労金として支給されるべき金銭や物品を意味します。これらが現金や実物の形で支給されるかどうかは重要ではありません。相続により相続人や他の人が受け取る金品が退職手当金に該当するかの判断は、以下の二点に基づきます。一つ目は、もし退職給与規程やこれに準ずる規定に基づいて支給される場合は、その規定に従って判断します。二つ目は、それ以外の場合には、被相続人の地位や功績などを考慮し、被相続人が勤めていた事業と同様の事業で被相続人と同等の地位にある人が受けると認められる額などを評価し判断します。

退職手当金等の支給を受けた者の判定

Q.相続税における「支給を受けた者」の判定はどのようになっていますか。

A.相続税において、被相続人に支給されるべき退職手当金、功労金、その他これに類する給与の「支給を受けた者」の判定基準は以下のようになっています。まず、退職給与規程やそれに類似した規定で支給受取り者が具体的に定められている場合は、その規定に従うことになります。しかし、退職給与規程等で具体的に支給受取り者が定められていない場合、あるいは被相続人がこれらの規程の適用対象外である場合、以下のように判定されます。一つ目は、相続税の申告書提出時や、国税通則法に基づく更正や決定前に、実際に退職手当金等を取得した人がいる場合、その取得者が支給を受けた者とされます。二つ目は、相続人全員の協議で退職手当金等の受取り者を定めた場合、その定められた者が受取り者です。それ以外の場合は、被相続人についての相続人全員が受取り者になります。注記として、この場合に相続人が複数いるときは、それぞれの取得すべき金額を民法で定める相続分によらず、均等に分けることになります。

契約者貸付金を差し引かれた場合の生命保険金の額

Q.私の父が自宅を新築するために2年前に保険会社から借りた契約者貸付金の影響で、父の死亡時に受け取った生命保険金から500万円が差し引かれました。この場合、税務上の生命保険金の額は、差し引き前と差し引き後のどちらになりますか?

A.生命保険金について税務上考慮される額は、契約者貸付金の元利合計を差し引いた後の額、つまり3,000万円から500万円を引いた2,500万円となります。これは、生命保険の契約者が、保険会社から解約返戻金の範囲内で借入れすることができる制度(契約者貸付金)により、投保者が保険事故(例えば、保険の契約者の死亡)時に受け取る保険金から借りた元利合計が差し引かれるためです。さらに、保険契約者が亡くなった場合(あなたの父のケース)、生命保険金を受け取る人は、契約者貸付金の差し引き後の額を受け取るものとし、契約者貸付金相当の負債は存在しないものとして扱われます。

年金払の生命保険金に対する課税関係

Q.相続税、贈与税に係る定期金に関する権利の評価方法について教えてください。

A.定期金に関する権利の価額評価は、相続税法に基づいて次のように定められています。まず、定期金の給付条件がすでに成立している場合、その権利は解約返戻金の金額、定期金を一時金に変換できる場合の一時金の金額、または契約に基づく定期金の残期間に応じた平均年間額に予想利率を適用して得られた金額の中で最も高い金額で評価されます。この評価方法は、有期定期金、無期定期金、終身定期金で異なる計算が適用されます。一方、定期金の給付条件がまだ成立していない場合、定期金給付契約(生命保険契約を除く)でその権利の価額は、解約返戻金がない場合とある場合で異なり、それぞれにおいて、予定された利率による複利計算か、経過期間に応じた掛金または保険料の平均年間額に複利年金終価率を乗じて得られる金額に、90%を乗じた金額で評価されます。

生命保険金の課税関係

Q.被相続人が死亡したことによって相続人等が取得した生命保険契約に基づく保険金または保険契約に関する権利について相続税が課税されると聞いていますが、どのような場合に課税されるのですか。また、計算方法についても具体的に説明してください。

A.相続税が課税される財産には、民法上の相続や遺贈によって取得された財産だけでなく、相続税法において相続や遺贈と同じように扱われる、いわゆる「みなし相続財産」があります。生命保険金などもこの「みなし相続財産」に含まれますが、課税される具体的な条件を以下に説明します。一つは、被相続人が亡くなって得られた生命保険金で、その保険料の全部もしくは一部を被相続人が支払っていた場合です。この場合、保険金額の一部が相続または遺贈として扱われ、相続税が課されます。保険金の計算方法も特定されています。二つ目は、保険事故がまだ起こっていない生命保険契約で、被相続人が保険料の全部もしくは一部を負担し、かつ、被相続人以外の者が契約者である場合です。この場合も相続税の対象となります。生命保険契約に関する権利の評価は、相続税法に基づいて時価で行われます。

保険金または保険契約に関する権利が課税される条件は、保険料の支払い関係や契約者の状況により様々です。具体的には、契約者、被保険者、保険料の負担者、受取人の関係によって異なり、これらの関係に応じて相続税や贈与税、所得税の対象になりえます。例えば、契約者と被保険者が同一人物で、その人が亡くなった場合、その生命保険金は相続財産とみなされる場合があります。一方で、保険料を雇用主が負担している場合、死亡退職金など特定の目的で支払われるものは、その相続人が取得した場合、相続財産とみなされます。

住宅ローンの残額が団体信用保険の保険金で返済された場合の債務控除

Q.住宅ローンの残額が団体信用保険の保険金で返済された場合、相続税の課税上どのように取り扱われるか?

A.このケースでは、住宅ローンの残額が無いものとして扱われます。詳しく説明すると、甲が亡くなった際にA銀行からの住宅ローンが免除されるため、甲の死と同時に住宅ローンの残額も免除されることになります。その結果、相続が開始された時点で実際に存在する債務には含まれないため、相続税の計算からは除外されます。