「資産税」カテゴリーアーカイブ

身分関係が重複する養子がいる場合の相続人の数

Q.次のような場合、相続税の総額を計算する上での法定相続人及び法定相続分はどのようになりますか。

A.この場合、相続税を計算する際に考慮する法定相続人は、亡くなった人の妻と、子ども3人(A、b、そして養子1人)です。ここで、「孫b」は、亡くなった人の養子であるBの子供ですが、Bの死により孫bは代襲相続人となるため、養子の数の上限に関するルールを適用せずに実子と同様に扱われます。つまり、法定相続人として数えられます。法定相続分については以下の通りです:

– 妻乙は2分の1

– 実子Aは8分の1(半分を2人で分けるため)

– 孫bは4分の1(実子Aの分と同じく半分をさらに2人で分けるため)

– 養子1人も8分の1(実子Aと同様) 重要な点として、孫bは亡くなったBの代わりに相続する立場と、亡くなった人との養子関係によって直接相続人となる2つの権利を持っています。

身分関係が重複する場合の相続人の数

Q.間4-21の場合、私は亡父の代襲相続人としての身分(民法887条)と、養子縁組による嫡出子たる身分(民法809条)の二重の相続権を有していますが、相続税の総額を計算する場合の相続人の数はどうなりますか。

A.相続税を計算する際に、1人の相続人が複数の相続権を持つ場合でも、その人が2人分の相続人として数えられるわけではありません。したがって、この場合の相続人は祖母、叔母、あなたの合計3人となります。

法定相続人の数に算入する養子の数の制限

Q.法定相続人の数に算入する養子の数の制限規定について説明してください。

A.相続税の計算で考慮される法定相続人の数への養子の含め方には制限があります。もし被相続人に実子がいる場合は、養子を1人までしか算入できません。実子がいない場合には2人までとなります。このルールは相続税の基礎控除、生命保険金や退職手当の非課税限度額、相続税総額の計算にのみ適用されます。しかし、死亡保険金や退職金の非課税規定、未成年者控除や障害者控除の適用は、これらの養子にも適用されます。ただし、税務署長が相続税の負担を不当に減少させると認めた場合には、養子の数を否認し相続税額を更正することがあります。

特別養子や被相続人の配偶者の実子である養子、代襲相続人にあたる者は、この制限の対象外として実子とみなされます。

特定贈与財産

Q.本年1月に主人から贈与により取得した自宅は、主人が亡くなった後の相続税申告でどう扱われるのか(評価額 家屋500万円、敷地1,500万円)。贈与税の配偶者控除の要件は満たしています。 A.あなたが1月に贈与により取得した居住用不動産について、特定の要件を満たしている場合、贈与税の配偶者控除を受けることができ、その不動産の価額は相続税の課税価格には加算されません。相続税の計算では、相続開始前3年以内に被相続人から贈与によって取得した財産の価額を相続税の課税評価額に加算しますが、「特定贈与財産」に該当する場合はこの加算がありません。「特定贈与財産」とは、配偶者が婚姻期間が20年以上で、被相続人から贈与によって取得した居住用不動産またはその購入資金であり、贈与税の配偶者控除の適用を受けている場合に限ります。この財産に関して、贈与税の配偶者控除を受けるためには、相続税申告時に特定の書類を添付する必要があります。この書類には、贈与によって取得した不動産の詳細、贈与税の課税価格に算入する部分の価額、配偶者控除の適用を受けていないことの証明が含まれるべきです。最終的に、特定贈与財産に該当する部分は、相続税の課税価格には加算されず、贈与税の申告および配偶者控除の適用が必要です。

生前に贈与を受けた財産の課税関係

Q.今年父が亡くなり、兄弟が父の遺産を相続しました。私は遺産相続ではなく、父が保険料を支払っていた生命保険金を受け取りました。2年前に結婚した際、父から土地と建物を贈与されたことがあります。生命保険金の受け取りのみの場合でも、贈与された財産を相続税の計算に加える必要があるのでしょうか?

A.はい、あなたの場合でも、生前に贈与された財産の価値を今回の相続税の計算に加えなければなりません。相続税法では、生前に贈与を受けた場合も一定の条件下で「相続または遺贈により財産を取得した者」とみなされ、相続税の課税対象になります。生命保険金が非課税であっても、これは相続税の計算上除外されるだけで、贈与された財産と一緒に相続税の計算を行う必要があります。

生前に贈与を受けた財産の相続税への影響

Q.私の父は2か月前に亡くなりました。父が亡くなる2年前に土地の贈与を受けました。この土地も他の相続財産と一緒に相続税の申告をする必要がありますか?相続時精算課税の適用は受けていません。 A.お父様から相続によって財産を受け取る場合、2年前に贈与された土地も相続税の課税対象に含めて申告する必要があります。相続や遺贈によって財産を取得した人が、その相続の開始前3年以内に被相続人から贈与を受けた財産がある場合、その財産の価格は相続税の課税価格に加算されます。しかし、このルールは相続を放棄した人や相続や遺贈で財産を受け取らなかった人には適用されません。加えて、相続財産に加算される贈与財産の価格は贈与を受けた時点での価格を基準にし、その贈与で支払った贈与税は相続税から差し引かれます。令和6年1月1日以降に贈与により取得した財産に関しては、加算される贈与財産の価格は、相続の開始前3年以内に取得した財産以外の価格の合計から100万円を差し引いた額となります。

生前に贈与を受けた財産の課税関係 (2)

Q.去年夫からもらった居住用の土地建物(評価額3,000万円)があり、贈与税の配偶者控除を受けましたが、今年夫が亡くなりました。夫からの贈与を受けたこの居住用土地建物3,000万円は相続財産に加算されるのでしょうか?

A.夫から贈与を受けた居住用の土地建物については、配偶者控除を適用した2,000万円を差し引いた残りの1,000万円が相続財産に加算されます。基本的に、配偶者控除適用額は相続財産には加算されません。

相続開始前 3年以内の受贈財産 からの債務控除

Q.父が亡くなり、土地A(評価額1,000万円、10年前に父から取得されたもの)と銀行からの借り入れ1,500万円を相続することになりました。また、2年前に父から土地B(評価額2,000万円)を贈与されましたが、相続開始前3年以内の贈与財産として相続税の課税価格に加算されます。しかし、相続時に土地Aから控除できなかった債務について、受贈財産の土地Bから控除することは可能でしょうか。 A.相続または遺言によって得た財産の価額から、債務を控除することが一般的です。そのため、相続開始前3年以内に贈与された財産が相続税の課税価格に計算される場合でも、相続財産(この場合は土地A)から十分に債務(この例では500万円)を控除できなかった場合、贈与を受けた財産(土地B)から控除することはできません。

定期預金の既経過利子に対する源泉所得税と債務控除

Q.私は、父の定期預金を相続しました。相続税の計算上、課税時期現在の定期預金の既経過利息の額に対応する源泉徴収されるべき所得税等の額は、債務として控除できるでしょうか。

A.定期預金の既経過利子に対する源泉所得税は、定期預金の評価過程で差し引かれるため、債務として別途控除することはありません。相続財産に含まれる預貯金の評価は、課税時点で預け入れた額と、その時点で解約した場合に得られる既経過利子から源泉徴収される所得税(地方税も含む)を差し引いた金額の合計で行います。

控除できる葬式費用の範囲

Q.香典返しや法事の費用などは葬式費用として控除できないそうですが、控除できるものの範囲について説明してください。

A.相続財産から控除できる葬式費用には、以下のような項目が含まれます。まず、葬儀や葬送の際、またはそれらの前後における埋葬、火葬、納骨、遺体や遺骨の輸送などにかかった費用が控除できます。これは仮葬と本葬の両方を実施した場合でも同じく控除の対象となります。次に、葬式の際に贈った金品で、故人の仕事や財産などの事情を考慮して妥当だと認められる場合の費用も控除対象です。また、葬式に通常伴うと認められるその他の前後の支出や、遺体や遺骨の捜索・輸送にかかる費用も含まれます。一方で、控除できない費用には香典返し、墓石や墓地の購入費用、墓地の借地料、法要の費用、医学的または法的な特別な処置に必要な費用があります。