「資産税」カテゴリーアーカイブ

未分割の場合の課税価格 (相 続時精算課税適用財産がある場合)

Q.今年の1月に亡くなった夫の財産7億円について、遺産分割協議がまだされていない状態です。妻である私と2人の子供が相続人ですが、長女Aは昨年、夫から1億円の贈与(特別受益)を受け、相続時精算課税の適用を受けています。この状況で相続税の申告を行う場合、各人の課税価格はいくらになりますか?

A.このケースでは、財産の分割がまだされていない状態のため、相続財産の合計額を相続人それぞれの割合で分けて考慮します。長女Aが受けた1億円の贈与(特別受益)は相続時精算課税の適用を受けており、これも計算に含めます。その結果、あなた(妻)の課税価格は4億円、Aさん(長女)とBさん(長男)はそれぞれ2億円の課税価格になります。この計算は、相続財産に特別受益を加えた全体を、相続人ごとの法定相続分に基づいて割り当てた後、特別受益を受けた人の分からその特別受益の額を引いて求めます。

死亡した相続時精算課税適用者の相続人が特定贈与者のみである場合

Q.特定贈与者から相続時精算課税の適用を受けていた子どもが亡くなり、その子どもの相続人がその特定贈与者である親のみである場合、亡くなった子どもの納税に関する権利義務はどのように扱われますか?

A.お子さんが特定贈与者から贈与を受けた場合の納税に関する権利義務は、そのお子さんの相続人である親が引き継ぎます。具体的には、お父さんから贈与を受けた場合の納税義務はお母さんが、お母さんから贈与を受けた場合の納税義務はお父さんが引き継ぐことになります。これは、相続時精算課税の適用を受けていた人が亡くなった際に、その人の相続人(承継相続人)が納税に係る権利や義務を引き継ぐルールに基づきます。ただし、这个引き継ぎは特定贈与者を除く相続人に限られます。また、返ってくる税金や納めるべき税金の額は、遺産分割とは関係なく、法定の相続分に基づいて計算されますが、計算する際には特定贈与者は含まれません。

特定贈与者が死亡した場合の相続税の計算方法

Q.本年5月に父が亡くなりました。父の財産を私たち兄弟4人(甲、乙、丙、丁)が相続することになりました。私たちが父から相続により取得した財産及び生前に父から贈与を受けた財産で相続時精算課税の適用を受けたものについての内容は次のとおりです。相続税の計算はどのようになりますか?

A.相続税の計算方法は以下の通りです。まず、各相続人が相続または遺贈によって取得した財産の価額と、相続時精算課税の適用を受ける贈与財産の価額を合算して、その合計額を課税に算入します。それから、基礎控除額を計算するために、3,000万円プラス相続人一人あたり600万円を合計金額から差し引きます。この結果得た金額をもとに相続税率を適用し、相続税の総額を計算し、それを人数で割って各人の負担額を算出します。贈与を受けた場合、既に支払った贈与税額を相続税から差し引けます。例えば、甲は1億円の相続財産と5,000万円の贈与財産の価額があり、贈与税として500万円を支払っているため、最終的に相続税額から贈与税額を引いた金額が甲の納付すべき相続税額となります。同様の計算を他の相続人にも適用して、それぞれの納付すべき相続税額を決定します。

少額贈与についての申告の要否

Q.昨年、父から不動産の贈与を受け、相続時精算課税を適用して贈与税の申告をしました。今年も父から現金の贈与を受ける予定ですが、110万円以下の贈与を受けた場合であっても贈与税の申告は必要ですか。

A.昨年、お父様から不動産の贈与を受け、相続時精算課税を適用して贈与税の申告をした場合、今年お父様から再び贈与を受けるとして、その金額が110万円以下であっても、贈与税の申告が必要です。ただし、相続時精算課税を適用していない他の贈与者からの贈与の合計額が110万円以下の場合は、その贈与について申告する必要はありません。相続時精算課税を一度選択すると、相続時精算課税を選択した特定の贈与者からの贈与については、贈与の金額に関わらず、すべて贈与税の申告が求められます。また、令和5年度の税制改正により、令和6年1月1日以降に贈与を受ける場合、相続時精算課税に係る贈与については、110万円を控除してから贈与税の課税価格を計算することとなりました。この改正により、将来的には110万円以下の贈与であれば、贈与税の申告が不要となる予定です。

同一年中に特定贈与者 2人以上から財産の贈与 を受けた場合の計算方法

Q.私は、本年5月に父から3000万円の土地の贈与を受け、6月に母から2500万円の上場株式の贈与を受けました。父、母双方からの贈与について、相続時精算課税の適用を受けようと思っていますが、贈与税の計算はどのようになるのですか。

A.贈与税の計算方法は以下の通りです。父から受けた土地を例にとると、3000万円から特別控除の2500万円を引いた500万円が課税されます。この500万円に対する税率は20%なので、贈与税は100万円となります(計算式は500万円×20% = 100万円)。次に、母から受けた上場株式に関しては、2500万円から特別控除額の2500万円を引くと課税価格は0円となります。したがって、母からの贈与による贈与税は発生しません。最終的に、父からの贈与による税額100万円を納付すべき税額として計算します。

特定贈与と非特定贈与からの贈与税の計算方法

Q.私は、本年5月に父から3,000万円の土地の贈与を受け、6月に母から200万円の現金の贈与を受けました。父からの贈与についてのみ相続時精算課税の適用を受けようと思っていますが、この場合の贈与税の計算はどのようになるのですか。

A.贈与税の計算方法は以下の通りです。まず父から受けた土地に関しては、課税価格が3,000万円から特別控除額の2,500万円を差し引いた500万円に対して、税率20%を適用し、100万円の贈与税がかかります。次に母から受けた現金に関しては、課税価格200万円から基礎控除額の110万円を差し引いた90万円に対して、税率10%を適用し、9万円の贈与税がかかります。これらを合わせた納付すべき税額は109万円となります。

受贈者が相続時精算課税の適用を受ける前に死亡した場合の取扱い

Q.私の父は、贈与により祖父から財産を取得しましたが、「相続時精算課税選択届出書」の提出前に死亡しました。この場合、相続時精算課税の選択はできるでしょうか。なお、法定相続人は私と弟です。

A.お父様が亡くなった後、10ヵ月以内にあなたとお兄さんが「相続時精算課税選択届出書」に共同署名して、お父様の住所地を管轄する税務署へ提出することで、相続時精算課税を適用できます。もし贈与を受けた方が「相続時精算課税選択届出書」を提出せずに亡くなった場合、その方の相続人(贈与者を除く)は、相続が始まったことを知った翌日から10ヵ月以内に、必要な書類を添えて「相続時精算課税選択届出書」を提出できます。ただし、もし贈与を受けた方の相続人が贈与者だけであれば、この選択はできません。複数の相続人がいる場合は、全員が共同で届出書に署名し提出する必要があり、一人でも欠けると相続時精算課税の適用は受けられませんので注意が必要です。

受贈者が相続時精算課税の適用を受ける前に死亡した場合の取扱い

Q.私の父は、贈与により祖父から財産を取得しましたが、「相続時精算課税選択届出書」の提出前に死亡しました。この場合、相続時精算課税の選択はできるでしょうか。なお、法定相続人は私と弟です。

A.お父さんが亡くなった後、あなたとお弟さんがお父さんの住所地の税務署に「相続時精算課税選択届出書」を共同で提出することで、相続時精算課税を適用できます。この提出は、お父さんが亡くなった日から10カ月以内でなければなりません。すなわち、お父さんが贈与を受けてから相続時精算課税の選択を行うまでに亡くなられた場合でも、相続人であるあなたとお弟さんが共同で届出を行えば、相続時精算課税の適用を受けることが可能です。ただし、提出には相続人全員の同意と連署が必要で、一人でも欠けると適用を受けることはできません。また、贈与した者が相続人である場合はこの選択をすることはできません。提出必要書類としては、相続人の戸籍謄本や抄本など、相続人を明らかにする書類や受贈者の戸籍謄本など、受贈者の氏名、生年月日、死亡年月日、受贈者が贈与者の直系尊属推定相続人または孫であることを証する書類が必要です。これらの書類は、贈与を受けた日以降に作成されたものでなければなりません。

年の中途で推定相続人となった場合の取扱い

Q.令和5年6月に叔父から現金の贈与を受け、同年8月に叔父と養子縁組をしました。その後11月になって、その叔父から土地の贈与も受けました。相続時精算課税の適用を受ける場合、令和5年分の贈与税の計算はどのようになりますか。

A.令和5年に受けた現金の贈与は暦年課税を適用し、11月に受けた土地の贈与については相続時精算課税を適用します。これは、その年の1月1日時点で18歳以上であり、同日に60歳以上の者から財産の贈与を受けた18歳以上の者が、その年の途中で贈与者の養子となり、その贈与者の推定相続人になる場合、推定相続人となる前に受けた贈与は相続時精算課税の適用外となります。したがって、推定相続人となった後に受けた贈与のみが相続時精算課税の適用を受けられます。具体的には、推定相続人となる前の贈与(例えば令和5年6月の贈与)は暦年課税で計算し、それ以後の贈与(例えば11月の贈与)は相続時精算課税で計算します。暦年課税の計算には基礎控除110万円の適用があります。

特定贈与者の推定相続人でなくなった場合の取扱い

Q.私は叔父と養子縁組をしていますが、令和5年8月にその養父である叔父から現金の贈与を受けたので、相続時精算課税の適用を受けようと思いますが、将来、養子縁組を解消した後、その叔父から再び財産の贈与を受けた場合、暦年課税となるのですか。

A.叔父から贈与を受けた年(令和5年)以降は、その叔父から受けるすべての贈与について相続時精算課税が適用されます。一度相続時精算課税の適用を受けると、たとえ養子縁組が解消されても、その叔父から受ける贈与は引き続き相続時精算課税が適用されます。これは、相続税法のルールに基づいています。