「資産税」カテゴリーアーカイブ

新築住宅の所有権の保存登記に対する登録免許税の軽減税率の適用

Q.私は、以前から所有していた宅地の上に今年9月に居住用の建物を新築しました。早速私名義で保存登記をしようと思いますが、新築住宅の保存登記は登録免許税が軽減されると聞きました。私の場合も、登録免許税の軽減税率の適用を受けることができますか。

A.はい、あなたの場合も登録免許税の軽減税率の適用を受けることが可能です。軽減税率を受けるためには、以下の条件を満たしている必要があります。1) 建築された家屋は、昭和59年4月1日から令和6年3月31日までに新築されたものであること。2) その家屋は、純粋に自分の住宅として利用され、床面積が合計で50平方メートル以上の一棟の住宅であること。隣接する複数の住宅を全て自宅として利用する場合、それらすべての住宅が条件に該当する必要があります。3) 新築された家屋について、新築後1年以内に行われる所有権の保存登記であること。4) 登記申請書には、該当する家屋が上記条件に適合していることを証明する市区町村長または特別区の区長の証明書が添付されている必要があります。これらの条件を全て満たした場合、通常よりも低い登録免許税率が適用されます。特定の認定を受けた住宅や低炭素建築など特別なケースにはさらに異なる軽減税率が適用される場合もあるので、該当する場合は注意が必要です。

相続人が受ける家屋の所有権の保存登記に対する軽減税率の適用

Q. 私の父は家屋を新築した後、所有権の保存登記をしないで死亡しました。そこで、私はその家屋の新築後1年以内に私の名義で所有権の保存登記をしようと思っています。このような場合に、新築住宅の所有権の保存登記の税率の軽減の特例の適用が受けられますか。

A. お父さんが建てた新築の家について、相続人であるあなたが名義を変更するための所有権の保存登記を行う場合は、元々の持ち主が自分の名義で行う登記とは異なります。そのため、新築住宅の登記に対する税率を下げる特別な措置は利用できません。この税率の軽減は、建てた本人が自分の名義で、居住目的で登記を行う場合にのみ適用される規定です。

登録免許税の現金納付方法

Q.私はA市から不動産を払い下げてもらいました。払下げの手続に際して市の担当係官より登記に必要な登録免許税56,700円を現金納付してくるようにいわれました。どのような方法により納付すればいいのでしょうか。

A.「納付書・領収済通知書」(3枚1組の複写式)に必要事項を記入し、国税収納機関(日本銀行や都市銀行などの歳入代理店や郵便局)で登録免許税相当の現金を納付してください。その際の領収証書を登記申請書に添付して、登記申請を行います。現金納付は基本的な方法ですが、納税する登録免許税の金額が3万円以下の場合は、印紙を使った納付も可能です。ただし、まずはA市を管轄する法務局で現金納付の指定収納機関を確認し、指定があればその金融機関、指定がなければ便利な金融機関を利用して納税してください。納付書・領収済通知書が金融機関にない場合は、税務署で入手してください。

登録免許税の税額計算

Q.不動産の登記に係る登録免許税額の計算方法について教えてください。

A.不動産の登記にかかる登録免許税の計算は、土地の価額や債権金額など課税標準額に対して、登録免許税法別表第一の税率を適用することで行います。税率には定率税率と定額税率の二種類があります。定率税率では、不動産や債権の価額に一定の割合をかけます。一方、定額税率は不動産の数量ごとに決まった金額(例えば1個あたり1000円等)をかけます。税額が1000円未満の場合、最低税額として1000円が課せられます。計算による100円未満の端数は切り捨てられます。 不動産登記における課税対象や税率は明確に定められており、売買や信託による所有権の移転、地上権の設定や権利の変更など、具体的な登記内容により適用される税率が異なります。また、特定の期間内での土地関連の登記については税率の特例が適用される場合があります。

登録免許税の課税標準

Q.昨年末にH市内で不動産を購入し、今年に所有権の移転登記と購入資金に係る抵当権の設定登記をしようと思っています。この場合、登録免許税の課税標準はどうなりますか?

A.登録免許税の課税標準は登記の種類によって大きく3つに分けられます。1つ目は不動産の価額によるもので、所有権移転登記などは登記時の不動産価額(時価、実務上は固定資産税評価額を基に決められることもあり)が基準です。2つ目は債権金額によるもので、例えば抵当権の設定登記は債権金額が基準となります。最後に、不動産の個数によるもので、分筆や分割などの登記では不動産の個数が基準になります。課税標準の金額が1,000円未満の場合は1,000円として計算し、1000円未満の端数は切り捨てます。

ご質問のケースでは、所有権の移転登記は固定資産税評価額が課税標準で、登記申請時期により前年または当年の評価額が適用されます。抵当権の設定登記は登記する債権金額が課税標準となります。

NFT(デジタルアートを組づけたもの)の評価

Q.私は、父からデジタルアートを紐づけたNFTを相続しました。相続税の申告に当たり、このNFTはどのように評価するのでしょうか。

A.NFTとは、ブロックチェーン上でデジタルデータに唯一性を付与し、その真正性や取引履歴を保証するトークンのことです。相続税の対象となる「財産」とは、金銭的に評価できる経済的価値があるもの全てを指します。NFTも相続税の対象となる財産に含まれます。相続税の申告の際、NFTの評価方法に具体的な規定がないため、財産評価基本通達に基づいた方法に沿って評価を行います。通常、書画や古美術品の評価に用いられる方法、すなわち売買の実例価格や専門家の意見価格などを参考にして評価します。しかし、評価時点で市場取引価格が存在する場合は、その市場価格を直接評価額として使うことができます。

暗号資産の評価

Q.相続税の申告のため、亡くなった父の財産を整理していたところ、父が生前に暗号資産交換業者を通じて暗号資産(仮想通貨)を頻繁に取引しており、亡くなった時点でも残高があったことがわかりました。相続税の申告において、暗号資産はどのように評価するのでしょうか。

A.暗号資産(いわゆる仮想通貨)は、資金決済に関する法律に基づき、特定の特性を持つ財産的価値が認められています。これには、不特定多数の人々が代金支払い等に使用でき、法定通貨と交換可能で、電子的に記録・移転ができる、法定通貨やそれに準ずる資産ではない、といった特性があります。

相続税法上、暗号資産は「財産」と認識されており、財産は金銭に見積もることができる経済的価値を有する全てのものとされています。そのため、暗号資産も相続税上の財産に含まれます。評価方法は、活発な市場が存在する場合、暗号資産の取引が活発に行われ、客観的な価値が明確になるため、納税者が取引をしている暗号資産交換業者が公表する相続開始日の価格によって評価します。活発な市場が存在しない場合には、その暗号資産の性質や取引の実態を踏まえて個別に評価します。

国外財産の評価 (取 引相場のない株式)

Q.取引相場のない外国法人の株式を評価する場合、類似業種比準方式に準じて評価することはできるのですか。

A.外国法人の株式を評価する際、類似業種比準方式は基本的に適用できません。これは、この方法で使われる比較対象の会社が日本の金融商品取引所に上場している企業であるため、外国法人とは通常、類似性がないとみなされるからです。ただし、取引相場がない外国法人の株式評価には、純資産価額方式を用いることが可能です。この場合、次の2つの点を考慮する必要があります。まず、評価差額に対する法人税額等に相当する金額を考慮する必要があります。これについては、対象法人が所在する国で、日本の法人税、事業税、道府県民税、市町村民税に相当する税が課されている場合、評価差額にこれらの税率の合計に相当する割合を乗じて計算することができます。次に、邦貨換算をどのように行うかです。原則として、「1株当たりの純資産価額」を計算した後、その数値を「対顧客直物電信買相場」によって邦貨換算します。しかし、もし資産や負債が複数国に存在する場合は、資産は「対顧客直物電信買相場」で、負債は「対顧客直物電信売相場」でそれぞれ邦貨換算し、「1株当たりの純資産価額」を計算することも認められています。

一般動産の評価

Q.私が父から相続した財産の中に父が生前中に使用していた自家用車がありますが、どのように評価したらよいのですか。

A.一般動産、例えば自家用車の評価には、売買実例価額や専門家の意見価格などを参考にする方法があります。しかし、そのような情報が入手できない場合は、新品時の小売価格から購入時からの償却費や減価額を差し引いた金額で評価します。これは、新品と同じ種類・仕様のものを基に計算します。もし、償却期間内に1年未満の期間があれば、その期間は1年として計算します。現在の社会情勢やインターネットの発達により、取引価額の把握が容易になっているため、基本的には売買実例価額を参考にして評価する方法が推奨されています。中古車などは、市場がより発展しており、中古車業者などへの売却価格で評価しても良いとされていますが、特殊な事情がある場合はこの限りではありません。

国外財産の評価 (土地)

Q.国外に所在する土地は、どのように評価するのですか。

A.国外の土地の価値は、主に売買の実績がある価格や、国の公示価格、専門家による鑑定価格などをもとに決めます。税制上問題がない場合には、土地を買った価格や売った価格に時間が経過したことを考慮して価格を調整することも可能です。この価格調整には、それぞれの国が発表している不動産価格の統計データなどを使って算出します。たとえば韓国の場合、不動産価格の公示や鑑定に関する法律に基づいて、標準地の公示価格が定められています。