「消費税法」カテゴリーアーカイブ

マンスリーマンションの貸付けと消費税

Q. 当社が行っているマンスリーマンションの貸付けにおける消費税の取り扱いはどのようになりますか?

A. お問い合わせのマンスリーマンションについては、以下の条件を満たす場合、消費税の取り扱いが異なります。まず、この貸付けが旅館業法に規定される「旅館業」に該当しないこと、契約が明確に居住用であること、実際に賃借人が居住用に使用していることが認められる場合、契約期間が1か月以上であれば住宅の貸付けとして非課税となります。一方で、契約期間が1か月未満の場合は消費税の課税対象となります。ただし、貸付けが「旅館業」に該当する場合は、契約期間に関わらず消費税の課税対象となります。

参考:法6①、令16の2、法別表第一第13号、基通6-13-4

下宿の非課税

Q.大学生向けに下宿を経営している場合、非課税と考えても良いですか?

A.住宅を貸し出す際、人が住むために使われることが契約で明らかにされていれば、その貸し出しは非課税となります。ただし、貸し出し期間が1か月未満の場合や、旅館業に該当する場合はこの非課税の対象外です。下宿事業は、施設を提供して1か月以上の宿泊料で人を泊める事業を指し、旅館業における下宿営業とは異なります。従って、居住用の貸し出しであることが契約で明らかで、かつ1か月以上の貸し出しであれば、非課税となります。

参考:法6①、法別表第一第13号、令16の2、基通6-13-4

貸別荘の課税対象について

Q.貸別荘やリゾートマンションを1カ月以上貸し出した場合、消費税は非課税と考えてもいいですか?

A.住宅に関連して消費税が非課税となるのは、居住用として供される家屋やその一部を貸し出す場合で、契約で居住用と明確にされている場合に限ります。しかし、貸出期間が1カ月未満の場合や、旅館業に該当する施設の貸し出しは例外です。質問された貸別荘やリゾートマンションは、旅館業に該当するため、利用期間が1カ月以上であっても非課税にはなりません。

参考:法6①、法別表第一第13号、令16の2、基通6-13-4

共益費の取扱い

Q.住宅の賃貸借の場合、共益費は消費税で非課税として扱っても良いのでしょうか?

A.共益費とは、集合住宅で共同で使う部分の費用(廊下の電気代やエレベーター運行費用、集会所の維持費など)で、住民からそれぞれの負担分を集めるものです。これは住宅の貸し出しの代金とされ、消費税の課税対象外となります。しかし、プールやアスレチック施設のような入居者以外も使用できる施設や、独立して賃貸対象となる駐車場などの費用は、消費税の課税対象です。ただし、一戸建てや集合住宅の駐車場で、入居者に1台分以上のスペースが割り当てられていて、家賃と別に料金を徴収していない場合は、非課税対象として住宅の貸し出しに含まれます。

参考:法6①、法別表第一第13号、基通6-13-1、6-13-2、6-13-3

住宅の貸付けと駐車場の貸付けに関する消費税の扱い

Q.賃貸マンションのマンション住人用駐車場の貸し付けにおいて、消費税は非課税となるでしょうか。

A.駐車場の貸し付けは、一般的に施設の貸し付けと見なされ、土地の貸し付けとして非課税となる訳ではありません。居住用住宅の貸し付けに伴う非課税範囲については、家具や照明設備など、住宅に付随して貸し付けられるものは含まれます。しかし、プールやアスレチック施設、駐車場のように独立して賃貸借の目的となる場合は非課税対象外となります。具体的に、自動車の所有の有無に関わらず入居者一戸あたり1台分以上のスペースが割り当てられ、家賃とは別に駐車場使用料を収受していない場合は、住宅の貸し付けに付随するものとして非課税となります。それ以外の場合は、消費税の課税対象とします。

参考:法6①、法別表第一第1号、第13号、基通6-13-1、6-13-2、6-13-3

住宅の貸付けに係る非課税範囲の明確化

Q.住宅の貸付けに関して、非課税範囲が見直されたと聞きましたが、その概要を教えてください。

A.住宅を人が住むために貸し出す場合、その貸出の契約で明確に住宅として利用されることがわかっていれば消費税が非課税とされます。もし貸出の契約で利用目的がはっきりしていなかったとしても、その住宅が実際に人が住む用途で使われていることが明らかな場合には、消費税を非課税とすることになりました。具体的には、契約では住宅の用途が居住か事業か明確でない状況や、契約が用途を明言していないが実際には個人が住んでいるケース、または賃借人が第三者に転貸して居住の用に供されていることが契約で明確にされている場合などが含まれます。この改正は、令和2年4月1日以降に国内での資産の譲渡や課税仕入れが行われる場合に適用されます。

参考:法6①、法別表第一第13号、令2改法附1、46①、基通6-13-10、6-13-11

教科書の取次手数料に関する消費税

Q.私たちの書店では、小中学校の教科書の取次ぎ業務をしており、その配送手数料も受け取っています。この配送手数料に対して消費税は非課税と見なしてもいいのでしょうか。

A.消費税が非課税となるのは、文部科学省が検定した教科書や文部科学省が所有権を持つ教科書の売買に限定されます。従って、教科書の配送手数料や供給手数料といったサービスに関しては、これらは教科書の直接の売買ではないため、消費税の非課税対象にはなりません。

参考:法 6①、法別表第一第12号 、基通 6-12-2 

教科用図書の譲渡相手

Q.私たちの書店では、教科書も扱っており、学校の生徒以外にも私塾などに販売することがあります。この際、教科書の販売に消費税はかかりますか?

A.学校教育法に定められた文部科学省検定済みの教科書や文部科学省が著作の権利を持つ教科書の譲渡は、全て非課税です。したがって、学校の生徒以外に販売する場合でも、これらの教科書であれば非課税となります。

参考:法 6①、法別表第一第12号

非課税となる教科用図書の範囲 その2

Q.当社は書店を経営しており、県立乙農業高等学校に園芸関連の書物を納入しています。これらは教科書として採択され、授業で使用されています。これらの書物の販売は消費税の非課税対象になりますか?

A.学校教育法には、教科書が存在しない教科について、一時的に他の書物を教科用図書として使用できることが記されています。しかしながら、非課税の対象となるのは文部科学省が認定した教科書や文部科学省が著作権を持つ教科書に限られます。従って、ご質問の書物は学校教育法上で教科用図書とはみなされますが、文部科学省検定済みの教科書ではないため、非課税の対象にはなりません。

参考:学校教育法第34条第4項、学校教育法第34条第1項、法別表第一第12号、基通6-12-1

非課税となる教科用図書の範囲

Q.書店を経営しており、毎年特定の高校へ参考書を納入しています。これらは副読本として授業で使われるのですが、この参考書の譲渡は消費税法で非課税になりますか?

A.教科用図書の譲渡で非課税になるのは、学校教育法に定められた文部科学省検定済みの教科書、または文部科学省の名義を持つ教科書のみです。御質問の参考書は、授業で使われるものであっても、非課税の対象とされる教科用図書には該当しないため、非課税とはなりません。

参考:法6①、法別表第一第12号、基通6-12-1、6-12-3