「消費税法」カテゴリーアーカイブ

デパートのテナントと卸売業の範囲

Q.デパートに店舗を出店している場合、支払っている手数料に基づく売上高を経理上どのように計上すれば良いですか?また、簡易課税制度を適用する際、この売上は第一種事業に関する売上げとして扱っても良いのでしょうか?

A.デパートのテナントとしての売上げが小売に該当するか卸売に該当するかは、デパートとの契約内容に応じて判断されます。手数料契約の場合(売上高の一定割合をテナント料として支払う場合)、行われる販売活動は小売業とみなされますが、事業者に対しての販売は第一種事業に該当します。商品販売契約の場合(テナントが販売した商品をデパートがテナントから仕入れる取引がある場合)、テナントのデパートに対する売上げは卸売業として扱われます。

参考:法37、令57⑤⑥

デパートのテナントと卸売業の範囲

Q.デパートに店舗を出店している場合、支払っている手数料に基づく売上高を経理上どのように計上すれば良いですか?また、簡易課税制度を適用する際、この売上は第一種事業に関する売上げとして扱っても良いのでしょうか?

A.デパートのテナントとしての売上げが小売に該当するか卸売に該当するかは、デパートとの契約内容に応じて判断されます。手数料契約の場合(売上高の一定割合をテナント料として支払う場合)、行われる販売活動は小売業とみなされますが、事業者に対しての販売は第一種事業に該当します。商品販売契約の場合(テナントが販売した商品をデパートがテナントから仕入れる取引がある場合)、テナントのデパートに対する売上げは卸売業として扱われます。

参考:法37、令57⑤⑥

食料品小売業における軽微な加工

Q.食料品の小売業を営んでおり、簡易課税制度を適用しています。この制度において、購入した商品をその性質及び形状を変更しないことが第二種事業に該当する要件としてありますが、ハムをスライスしたり、詰め合わせセットにするような加工は、性質及び形状を変更したことになるのでしょうか。

A.事業者が販売用の商品に軽微な加工をして販売する場合、その加工が一般的に加工前の商品を販売している店舗で行われるものと認められ、加工後の商品が同一の店舗で販売される場合は、その加工後の商品の譲渡を第二種事業として扱っても問題ありません。従って、スライスや詰め合わせ程度のものは軽微な加工であり、問題なく第二種事業として扱って良いとされています。軽微な加工には、例えば切る、刻む、つぶす、挽く、たれに漬け込む、混ぜ合わせる、こねる等の行為が該当します。

参考:法37、令57⑥、基通13-2-3

製造問屋の事業区分について

Q.当社は繊維製品の卸売業を営んでいます。簡易課税制度を選択しているのですが、外注先に染色をさせた白生地を小売業者に納入する場合、この売上も簡易課税制度における卸売業にあたる課税売上げとして考えて良いのでしょうか。

A.簡易課税制度における卸売業とは、「他から購入した商品をその性質や形状を変えずに他の事業者に販売する事業」を指します。しかし、原材料を購入し、加工させて完成品を販売する「製造問屋」は、加工を自ら行わないとしても、購入から販売までの過程で商品の性質や形状に変更を加えるため、卸売業には含まれません。従って、ご質問のケースでは、染色加工を施すことで製造問屋に該当し、第二種事業、つまり製造業に該当すると考えられます。

参考:法37、令57⑤⑥、基通13-2-5

第一種事業における「性質及び形状を変更しない」ことの意義

Q.まぐろの卸売りを行っている当社は、市場で購入したまぐろを皮を剥いだり四つ割りにするなどして小売店へ販売しています。この取引状態の場合、第一種事業に該当するか知りたいです。

A.簡易課税制度において第一種事業とは、他の者から購入した商品をその性質及び形状を変更しないで他の事業者に販売する事業を指します。ただし、商品に一定の行為(例えば、商標を添付する、複数の商品をセットで販売する、液状商品を容器に詰める、裁断するなど)を施しても、その性質及び形状を変更しないと見なされます。貴社の場合、購入したまぐろに対して行われている行為は、第一種事業として問題なく該当すると解釈できます。

参考:法37、令57⑤⑥、基通13-2-2

固有事業者と受託事業者の簡易課税制度適用基準

Q.法人課税信託の受託者が固有事業者と受託事業者として、それぞれ簡易課税制度の適用を受ける場合、課税売上高の判定はどのように行われますか?

A.固有事業者が簡易課税制度を適用する際は、基準期間内の課税売上高を固有事業者自体の売上高と関連する法人課税信託の受託事業者の売上高を加えた合計金額で判断します。この合計金額が5,000万円以下なら簡易課税制度を利用できます。受託事業者は、関連する固有事業者が簡易課税制度を利用している場合、自動的にその課税期間で簡易課税制度の適用を受けます。また、固有事業者は特定の被災課税期間において簡易課税制度の適用または非適用の承認を受けた場合、その適用状態に応じて扱われます。

参考:法15 

分割と簡易課税制度の適用可能性

Q. 当社は今期4月1日に新設分割を行い、子法人を立ち上げました。この子法人は資本金1,000万円で、当社と兄弟会社A社の事業の一部を承継し設立されました。この分割があった日の課税期間から、この新設分割子法人は簡易課税制度を適用できるでしょうか?また、この分割が吸収分割だった場合、簡易課税制度の適用は可能でしょうか?当社、A社、そして新設分割子法人は全て3月末決算です。当社の今期の課税売上高は4,500万円、A社は5億円でした。

A. 新設分割により事業を承継した新設分割子法人が、分割があった日の課税期間中に、簡易課税制度の適用を選択する届出を行った場合、原則として簡易課税制度を選択することができます。しかし、新設分割子法人または新設分割の親法人の基準期間における課税売上高が5,000万円を超える場合や、特定要件に該当し、合計が5,000万円を超える場合は、簡易課税制度の適用ができません。このケースでは、A社の基準期間における課税売上高が5億円と5,000万円を超えているため、新設分割子法人は簡易課税制度を適用できません。

吸収分割の場合、分割により事業を承継した承継法人が、分割があった日の課税期間中に簡易課税制度の適用を選択する届出を行った場合は原則として適用が可能です。ただし、分割承継法人の課税売上高が1,000万円を超えるなどの条件を満たす場合は、簡易課税制度を選択することができません。

参考:法12、37、令23、24、55、56、基通13-1-3の4

合併法人が簡易課税制度を選択する場合の基準期間の課税売上高の計算

Q. 当社は簡易課税制度を適用して申告していますが、基準期間の課税売上高が5,000万円超の甲社を吸収合併した場合、当期において簡易課税制度を適用して申告できますか?なお、当社の基準期間の課税売上高は5,000万円以下です。

A. 合併法人が簡易課税制度を選択する場合、基準期間の課税売上高は合併後の法人のもののみで判定します。そのため、被合併法人の課税売上高を合算する必要はありません。貴社の基準期間の課税売上高のみで5,000万円以下であれば、当期は簡易課税制度を適用して申告できます。

参考:法1l①②、37①、基通13-1-2

新設法人と簡易課税制度

Q.当社は令和5年6月に設立された株式会社で、第1事業年度と第2事業年度に簡易課税制度を適用できるか、またその場合「消費税簡易課税制度選択届出書」をいつまでに提出すれば良いのか、第3事業年度の課税事業者の判定方法、第1事業年度から簡易課税制度を選択した場合に第3事業年度に選択を取りやめる手続きについて教えてください。

A.1 新設された事業であっても、第1事業年度及び第2事業年度には簡易課税制度を適用することが可能です。この制度を適用するためには、「消費税簡易課税制度選択届出書」をその課税期間の開始の前日までに提出する必要がありますが、新たに事業を開始した場合は、課税期間中に提出しても受け付けられます。よって、第1事業年度に適用を希望する場合は、令和5年12月31日までに提出すれば良いです。

2 第3事業年度の課税事業者か否かの判定は、第1事業年度の課税売上高を基準期間として、それを7で割り、さらに12を乗じた金額が1,000万円を超えるかで判断します。この計算に基づき、判定を行ないます。

3 簡易課税制度を選択した場合、選択開始から2年を経過した後の課税期間の初日から「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」の提出が可能です。この提出により簡易課税制度の適用を取りやめることができますが、その効果は提出した課税期間の翌課税期間からとなります。従って、第1事業年度からの適用を令和7年に取りやめた場合には、その効力は第4事業年度から発生します。

参考:法2①十四、9①②、3

決算期変更に伴う基準期間の扱いと簡易課税制度の適用

Q.会社の決算期を9月末から3月末に変更した場合、令和6年3月期の基準期間における課税売上高はどのように計算するのでしょうか?また、その際簡易課税制度を適用することは可能でしょうか?

A.原則として、基準期間はその事業年度の前々事業年度になりますが、前々事業年度が1年未満の場合は、その事業年度の開始日より2年前の前日から同日以降1年を経過する日までの間に開始した各事業年度をまとめた期間が基準期間となります。基準期間が1年でない場合の「基準期間における課税売上高」は、該当期間の課税売上高をその期間の月数で割り、これに12を乗じて計算します。令和6年3月期の場合、基準期間は令和4年3月期の6か月間のみとなり、令和4年3月期(6か月)の課税売上高27,000,000円を6で割り、これに12を乗じて54,000,000円が「基準期間における課税売上高」となります。これにより、令和6年3月期は簡易課税制度の対象外です。ただし、令和7年3月期は基準期間の課税売上高が5,000万円以下になるため、簡易課税制度を再び適用できます。

参考:法2①十四、9①②、37