Q.次の場合における損益通算及び損失の繰越控除について説明してください。(1)総合課税の短期譲渡所得△80万円、総合課税の長期譲渡所得300万円、分離課税の長期譲渡所得400万円、総合課税の事業所得△120万円。(2)前年より繰り越された純損失△100万円。
A.まず、(1)について、損益通算とは異なる種類の所得と損失を合計して最終的な収益を計算する方法です。この場合、総合課税の短期および長期譲渡所得と分離課税の長期譲渡所得があり、更に総合課税の事業所得が損失として記載されています。総合課税の譲渡所得(短期と長期)は特別控除を適用後、事業所得などの赤字と相殺できますが、総合課税と分離課税の譲渡所得の間で相殺はできません。ここでは、総合課税の短期譲渡所得から特別控除を引いて、事業所得の赤字を長期譲渡所得から差し引いた後の金額が計算されます。
次に、(2)について、前年からの純損失繰越額があります。これは損益通算を行った後の総所得金額、山林所得金額、退職所得金額から控除できますが、分離課税される所得額からは控除できません。具体的には、総合課税の長期譲渡所得から事業所得の赤字を差し引いた後の総所得金額から、前年の純損失を控除し、残った損失額は翌年以降に繰り越すことが可能です。分離課税の長期譲渡所得は、その他の所得との間で損益通算はできませんので、400万円のままです。