「所得税」カテゴリーアーカイブ

外国税額控除の計算

Q.外国に源泉のある所得に対して、その外国の法令により所得税に相当する税を納付した場合には、その納付した税額はすべて所得税額から控除することができますか。

A.外国税額控除は、国際間で二重に課税されることを防ぐために用意された制度です。この制度のもとで、居住者が海外で得た所得に対し海外の法律で定められた所得税相当の税を支払った場合、その支払った税額をある一定の限度まで、居住者の所得税と復興特別所得税から控除することができます。ただし、控除される税額は、海外からの所得に対して支払った税額に限定され、また一定の条件を満たすもののみが控除対象です。条件には、通常の取引に基づく税額の支払いなど、控除対象外となる特定のケースがあります。

外国税額控除の範囲については、個人の所得に対して外国またはその地方公共団体が課税する税、および特定の所得に対して課される税などが含まれます。ただし、任意で税額の還付を請求できる税や、契約により税率が決定される税、不自然な取引に基づく所得に対する税など、特定のケースでは控除の対象外となります。

控除額の計算は特定の公式に基づき、外国所得税の額が控除限度額を超える場合の計算方法、また控除限度額の計算に関する詳細も定められています。損失が生じた時の控除額の適用や、控除額が繰り越される場合の取り扱いについても詳しく規定されています。

外国税額控除を受けるためには、外国で支払った税額を証明する書類と共に、確定申告時に外国税額控除に関する明細書を提出する必要があります。繰り越しを受ける場合も、関連する書類の提出と明細書の記載が求められます。

外国税額控除の控除限度額の計算

Q.外国税額控除の控除限度額の計算方法について教えてください。特に、「その年分の所得税の額」は税額控除を適用する前の金額を指すのか、それとも適用後の金額を指すのかが知りたいです。

A.外国税額控除の控除限度額の計算において、「その年分の所得税の額」とは、外国税額控除を適用しないで計算したその年分の所得税の金額を指します。これは、外国税額控除以外の他の税額控除を適用する前か後かによって変わります。税額控除の適用順序に関しては、特定の順番で実施されます。これには、農業所得の免税、配当控除、特定の研究開発に対する控除、中小事業者の設備投資控除など、多岐にわたる特別控除が含まれます。また、災害被害者への税額減免や外国税額控除自体もこの順序の中に含まれます。結論として、外国税額控除を適用する前の所得税額は、上記に挙げた税額控除を全て適用した後の金額を意味します。したがって、この金額を用いて控除限度額を計算します。

自己資金で認定長期優良住宅を新築した場合の所得税額の特別税額控除

Q.自己資金で家を建て替える場合、住宅ローン控除は受けられないと聞きましたが、他に税金で受けられる控除はありますか?建て替える家は認定長期優良住宅(200年住宅)で、建築面積が100平方メートルの鉄骨造です。

A.ご指摘の通り、住宅ローンを組まない場合、住宅ローン控除は受けることができません。しかし、お建てになる住宅が認定長期優良住宅で、2009年6月4日から2023年12月31日までの間に移り住む場合、「認定住宅新築等特別税額控除」の適用を受けることができます。認定長期優良住宅とは一般に「200年住宅」として知られ、下記の基準を満たすものを指します:

1. 購入後6か月以内に居住用途として使用していること。

2. 家屋の床面積が50平方メートル以上であること。

3. 床面積の半分以上が居住用として使用されていること。

4. 長期優良住宅に関する法律に基づく特定の証明を受けていること。

これらの条件を満たしているかどうかは、適切な証明書類により確認されます。

この特別税額控除を受けるには、年間の合計所得金額が3,000万円以下である必要があります。また、この特別控除を受ける年以降10年間は住宅ローン控除を受けることができなくなるため注意が必要です。さらに、控除できるのは居住開始の年度のみですが、控除できなかった金額は翌年に繰り越すことが可能です。

控除額の計算は、「認定住宅の構造及び設備に係る標準的な費用の額」に10%を乗じて求められます(最大650万円まで、100円未満は切り捨て)。2014年4月1日から2023年12月31日までの間に居住用に供された場合の標準的な費用は、住宅の構造に関わらず、一定の金額(45,300円、または2019年12月31日までは43,800円)に床面積を乗じて計算されます。

この特別税額控除制度には他にも「認定低炭素住宅」や「ZEH水準省エネ住宅」が対象となっており、詳細については別途確認が必要です。

既存住宅の耐震改修をした場合の所得税額の特別控除制度の適用

Q.既存住宅の耐震改修をした場合に所得税額の特別控除制度があると聞きましたが、その概要について教えてください。

A.日本では、大地震が頻繁に起きているため、住宅の耐震強化が大切な課題です。この問題に対処するため、政府は既存の住宅に対して耐震改修を行った場合、一定の条件を満たした場合に限り、所得税額から特別控除する制度を設けました。この制度は、平成26年4月1日から令和5年12月31日までに昭和56年5月31日以前に建築された家屋に新耐震基準を満たす耐震改修を行った人が対象です。条件としては、改修される家屋が現行の耐震基準に適合していない昭和56年5月31日以前に建てられたものであること、そしてその改修が指定された期間内に行われることなどがあります。制度を利用するためには、特別控除額に関する記載がある確定申告書と、必要な書類の提出が必要です。控除額の計算方法には、耐震改修工事の標準的な費用に関する計算などが含まれます。また、耐久性向上改修工事を行った場合も特定の控除が適用されます。この制度を通じて、住宅の耐震化を進めることが奨励されています。

特定個人の判定時期

Q.令和5年12月に自宅のバリアフリー改修工事を計画しています。この改修工事に関し、50歳以上の特定個人の場合、住宅特定改修特別税額控除の対象となることを知りました。現在49歳で、工事完了時には50歳となりますが、この控除を受けられるでしょうか?その他の要件は全て満たしています。

A.住宅特定改修特別税額控除は、50歳以上などの一定条件を満たす個人が自己の住宅に高齢者等を対象とした居住改修工事を行い、平成26年4月1日から令和5年12月31日までの間にその住宅を自己の居住用として供した場合、所得税から一定額を控除できる制度です。特定個人の定義には、50歳以上の人、要介護や要支援の認定を受けた人、障害者、またはそれらの条件を満たす親族や65歳以上の親族と同居している人が含まれます。この年齢や同居状況の判定は居住年の12月31日の状況に基づいて行います。したがって、あなたが居住年の12月31日に50歳となるため、住宅特定改修特別税額控除の適用を受けることができます。

住宅特定改修特別税額控除の連年適用

Q.55歳の会社員であり、令和3年5月に同居している80歳の母のために住んでいる家でバリアフリー改修工事をし、住宅特定改修特別税額控除を受けました。今年(令和5年)、浴室や便所などの改修工事を行いました。住宅特定改修特別税額控除は3年以内に適用できないと聞きましたが、控除を受けることはできますか?他の要件は満たしています。

A.平成26年4月1日以降に、特定の個人がバリアフリー改修工事を行い、その住宅を居住目的で使用した場合、原則として前年を含む過去3年間に住宅特定改修特別税額控除を受けていたら、その年の控除を受けることはできません。しかし、前回の控除を受けた住宅が違う場合や、3年以内に特定の例外(介護保険法施行規則に定める特定の条件を満たす人)に該当していた場合は控除を受けることが可能です。したがって、あなたが令和3年に住宅特定改修特別税額控除を受けたのと同じ家で今回改修を行った場合、特定の例外に該当しない限り、控除を新たに受けることはできません。

所得税の特別税額控除について

Q. 自己資金で同居している80歳の母のために住んでいる家屋のバリアフリー改修工事を行いました。費用は320万円で、市から35万円の補助金を受けました。この改修工事について、住宅特定改修特別税額控除の適用と計算方法について教えてください。

A. 令和5年2月に実施したバリアフリー改修工事に関して、住宅特定改修特別税額控除の対象になります。まず、補助金を除いた改修工事費用が50万円を超えることを確認します。この場合、改修工事の標準的な費用から補助金を差し引いた金額が2,546,300円となり、条件を満たしています。控除は次の方法で計算されます。

1. まず、バリアフリー改修工事の標準的な費用(補助金を差し引いた額で2,000,000円を上限とする)の10%と、改修工事とともに行った増築や改築工事費用など(200万円を超えた分の工事費と追加工事費の合計、1,546,300円を上限とする)の5%を計算します。

2. この計算結果は、200万円の10%である200,000円と、1,546,300円の5%である約77,300円(100円未満を切り捨て)を合わせた合計277,300円が特定改修特別税額控除として適用されます。

この計算により、あなたは合計277,300円の特定改修特別税額控除を受けることが可能です。この控除を受けるためには、工事証明書などの必要書類を準備し、確定申告を行うことが必要です。

住宅特定改修特別税額控除の適用要件等

Q.自己資金で省エネ改修工事を行った場合、税金の計算上どのような控除が受けられるのでしょうか。

A.自己資金で自宅の省エネ改修工事を行った場合でも、一定の要件を満たしていれば「住宅特定改修特別税額控除」の適用を受けることができる可能性があります。この制度は、個人が省エネ改修工事など特定の改修工事を実施した場合に、税金から一定額が控除されるものです。控除を受けるためには、改修工事が標準的な費用の範囲内であることや、個別の適用要件を満たしていることが必要です。さらに、控除額の計算には補助金等の交付額も影響するため、具体的な計算方法や限度額について理解することが重要です。したがって、省エネ改修工事によって太陽光発電装置を設置した場合に、自己資金であっても適切な手続きと条件を満たせば税額控除を受けることが可能です。

特定増改築等住宅借入金等特別控除額の計算(省エネ改修工事)

Q.令和2年10月に、今住んでいる住宅に省エネ改修工事(特定断熱改修工事)を行い、令和3年2月に入居しました。特定増改築等住宅借入金等特別控除の適用を受けようと考えていますが、控除額はどのように計算するのでしょうか?住宅の増改築等の費用の額は900万円、うち、省エネ改修工事等の費用の額は200万円、住宅の増改築等に係る住宅借入金等の年末残高の合計額は800万円、市からの補助金の合計額は100万円で、共有者はいません。控除の適用を受けるための要件は満たしています。

A.あなたが受けることができる特定増改築等住宅借入金等特別控除額の計算方法は次のとおりです。まず、適用要件として、特定断熱改修工事等に要した費用が、国や地方自治体などからの補助金を引いた後の額が50万円を超えることが条件です。この場合、200万円の省エネ改修工事費用から100万円の補助金を差し引いた100万円がこの要件を満たします。次に、「特定増改築等住宅借入金等の年末残高の合計額(A)」の計算では、お持ちの費用100万円が考慮され、最終的な特定増改築等住宅借入金等特別控除額の計算においては、100万円の費用に対して2%、残りの700万円(800万円の借入金から100万円を引いた額)に対して1%の控除が適用され、合計90,000円の控除を受けられます。これによって、あなたは特定増改築等住宅借入金等特別控除として90,000円を受けることができます。ただし、令和4年1月1日以降に居住用に供する場合には、この特別控除の適用はありませんので注意してください。

特定増改築等住宅借入金等特別控除額の計算 (バリアフリー改修工事)

Q.私は、令和2年10月に借入金で現在住んでいる住宅にバリアフリー改修工事を行い、令和3年2月に入居しました。特定増改築等住宅借入金等特別控除の適用を受ける場合、控除額はどのように計算するのでしょうか?住宅の増改築等の費用は1,400万円で、そのうちバリアフリー改修工事等の費用は600万円、住宅借入金等の年末残高の合計額は1,300万円です。市からの補助金は100万円で、共有者はいません。控除の適用を受けるための要件は満たしています。

A.お問い合わせの特定増改築等住宅借入金等特別控除額の計算方法は以下の通りです。まず、バリアフリー改修工事等の費用から市からの補助金を差し引いた額が500万円であり、50万円を超えているため、特別控除の適用が可能です。次に、年末残高の合計額1,300万円と、自身の負担した改修工事費用500万円の内、少ない方の金額を特定増改築等住宅借入金等の年末残高の合計額として250万円(最高250万円の設定のため)を計算基準にします。最終的な特別控除額は、250万円に2%を適用した金額と、残りの750万円に1%を適用した金額を合計し、125,000円となります。これが、あなたが受けることができる特定増改築等住宅借入金等特別控除額(限度額)です。なお、令和4年1月1日以降に入居する場合は、特定増改築等住宅借入金等特別控除の適用はありません。