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合意等の範囲

Q.他の事業者が設置する飲食設備の利用に関する「合意等」の範囲について教えてください。

A.飲食設備は、それを設置した事業者に限らず、他の事業者との間で合意がある場合にも、その事業者が顧客に利用させている場合に含まれます。この合意には、書面での明示的な合意だけでなく、黙示の合意も含まれます。黙示の合意とは、設備を設置した事業者が、他の事業者による設備の利用を黙認している状況を指し、他の事業者がその設備を管理し、実質的に自分の設備として運用していることを意味します。具体的には、メニューの設置、顧客への案内、配膳や清掃など、自らが飲食設備として利用している場合がこれに該当します。

飲食設備の利用は、その目的(飲食用、休憩用など)にかかわらず、事業者が顧客に設備を利用させている場合に該当します。

セット商品の一部を店内で飲食する場合の適用税率

Q.当店はファストフード店で、ハンバーガーとドリンクのセット商品を販売しています。顧客からドリンクだけを店内で飲食したいと言われた場合、その税率はどうなりますか?

A.ハンバーガーとドリンクのセット商品は一つの商品とみなされます。そのセット商品の一部であるドリンクを店内で飲食してもらった場合、その提供は「食事の提供」として扱われます。したがって、顧客がドリンクを店内で飲食し、ハンバーガーを持ち帰った場合でも、軽減税率の適用対象外となります。

ハンバーガーとドリンクを個別に販売した場合、ハンバーガーは持ち帰りが「飲食料品の譲渡」として軽減税率の適用対象となりますが、店内で飲食するドリンクは「食事の提供」として軽減税率の適用対象外となります。

コーヒーチケットの取扱い

Q.当店が販売する5枚つづりのコーヒーチケットで引き換えるコーヒーの軽減税率の適用対象について知りたいです。

A.コーヒーチケットで引き換えられるコーヒーは、店内で飲む場合と持ち帰りの場合がありますが、その区分によって消費税の軽減税率の適用が異なります。飲食店での飲食提供は軽減税率の適用外ですが、持ち帰りは軽減税率の対象となります。提供する際、顧客から店内飲食か持ち帰りかの選択確認を行い、その時点で税率の適用を決定します。なお、コーヒーチケットそのものの発行は消費税の課税対象外ですが、店内飲食と持ち帰りを区分しないチケットでは、発行時点での税率適用は判定できません。

参考:平成28年改正法附34①一イ、軽減通達11、基通6-4-5、9-1-22

イートインスペースでの飲食物の制限について

Q.スーパーマーケットのイートインスペースで、ドリンクとベーカリーコーナーの商品のみ食べられるよう案内していますが、弁当や惣菜など他の商品を販売する際にも客に店内で食べるか持ち帰りかを確認する必要がありますか?

A.スーパーマーケットのイートインスペースで飲食を提供する場合は「食事の提供」とみなされ、軽減税率の適用外となります。従って、イートインスペースでの飲食可能な商品(この場合ドリンクとパン)以外を販売する際、その商品が店内で飲食されるか持ち帰りになるかの客の意向を確認することが求められます。ただし、事前にイートインスペースでの飲食がドリンクとパンに限られていると明示していて、それ以外の商品を客が飲食することが事実上ない場合は、それら商品は持ち帰りのみとして扱うため、意向確認は不要になります。しかし、実際にはそれ以外の飲食物も店内で提供している場合、軽減税率の適用判断のためには意向確認が必要となりますので注意が必要です。

参考:平成28年改正法附則34①-イ、軽減通達lα(3)

飲食可能な場所での意思確認の方法

Q.スーパーマーケットでの飲食可能な場所を明示している場合、店内での飲食か持ち帰りかを顧客にどのように確認するべきですか?

A.店舗にて飲食可能な休憩スペースを指定している場合、それ以外の場所での飲食は許可されていないとみなされます。そのため、店内での飲食か持ち帰りかの顧客の意思を確認するためには、例えば「休憩スペースでお召し上がりになる場合は、お知らせください」というような掲示を行うことが適切です。このような方法で顧客の意向を確認すれば、軽減税率の適用対象かどうかを適切に判断できます。

参考:平成28年改正法附則34①-イ、軽減通達8、10(3)

スーパーマーケットの休憩スペースでの飲食と軽減税率

Q. スーパーマーケットの休憩スペースでの飲食に対して、軽減税率の適用を判断するためには、顧客に対して店内飲食か持ち帰りかの意思確認が必要ですか?また、従業員専用のエリアやトイレ、サッカー台についてはどうでしょうか?

A. スーパーマーケットの休憩スペースにおける飲食は、「食事の提供」とみなされるため、軽減税率の対象外となります。休憩スペースでの飲食サービスは、飲食設備を有している場合に「食事の提供」とされるため、顧客が店内で食べるか持ち帰るかについて意思確認をする必要があります。ただし、ほとんどの商品を持ち帰りで販売している場合、休憩スペースを利用する際に申し出るよう案内するなど、柔軟に対応することも可能です。一方で、「飲食禁止」と明記されているスペースや従業員専用のエリア、トイレ、サッカー台など、顧客が飲食目的で使用しないことが明らかな設備においては、飲食設備には該当しないため、意思確認は必要ありません。注意点として、休憩スペースで「飲食禁止」と案内していても、実際に顧客が飲食をしている場合は、「食事の提供」とみなされ、軽減税率の適用外となりますので、店内飲食か持ち帰りかの意思確認が求められます。

参考:平成28年改正法附則34①、軽減通達8、10(3)

コンビニエンスストアのイートインスペースでの飲食における軽減税率の適用

Q.コンビニエンスストアのイートインスペースで販売される飲食物は軽減税率の適用対象となりますか?

A.コンビニエンスストアのイートインスペースを利用して提供される飲食物(例:トレイや返却が必要な食器に入れて提供されるもの)は、食事の提供と見なされ、軽減税率の適用対象外です。ただし、持ち帰りとしても利用できる飲食物(ホットスナックや弁当など)に関しては、その取引の性質(店内飲食か持ち帰りか)に応じて軽減税率の適用可否が決まります。店内で飲食する顧客に対しては、掲示などによる意思確認を行い、軽減税率の適用か非適用を判定することができます。コンビニエンスストアが主に持ち帰りを前提に営業している場合、全ての顧客に対して飲食の場所(店内か持ち帰りか)を確認する必要はなく、イートインコーナー利用時のみの申し出などで意思確認をする方法もあります。

参考:平成28年改正法附34①、、軽減通達8、 10(3) 

屋台での飲食料品の提供と軽減税率の適用

Q.屋台のおでん屋やラーメン屋、フードイベント等での飲食料品の提供は、軽減税率の適用対象となりますか。また、テーブル、椅子などを設置せずに行う縁日などにおける屋台のお好み焼きや焼きそばの販売は、軽減税率の適用対象となりますか。

A.軽減税率は「食事の提供」には適用されません。ここで言う「飲食設備」にはテーブル、椅子、カウンター等を含みます。屋台やフードイベントでテーブルや椅子を設置して顧客が飲食する場合は、軽減税率の適用外です。設備を設置しないで飲食料品を提供する場合や、公共の場所で特別な使用許可を取らずに顧客が利用する場合は、軽減税率が適用されます。

参考:平28改法附34①一イ、軽減通達8、9

社員食堂での飲食料品の提供

Q.社員食堂で提供される食事は、軽減税率が適用されますか?

A.社員食堂での食事提供は、飲食設備がある場所で飲食料品を提供するサービスとして、軽減税率の適用外となります。具体的には、会社や事業所内に設けられた社員食堂で、社員や職員に飲食料品を提供する行為は、食事の提供サービスに当たり、軽減税率の対象外です。

参考:平28改法附34①一 イ、軽減通達10

配達先での飲食料品の取り分け

Q.味噌汁付き弁当の販売・配達を行っていますが、配達先で味噌汁を取り分ける行為はケータリングに該当しますか?

A.いいえ、該当しません。軽減税率の適用対象となる「飲食料品の譲渡」では、ケータリングや出張料理など、加熱、調理、または給仕等の役務を伴う飲食料品の提供は含まれません。役務には盛り付けも含まれますが、飲食料品の譲渡に通常必要な行為である容器への取り分け行為は含まれないため、配達先での味噌汁の取り分けはケータリングに該当しない「取り分け」にあたり、味噌汁付き弁当全体が軽減税率の適用対象になります。

参考:平28改 法附34①―口、軽減通達12