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 取得費

Q.土地の取得に係る借入金の利子は、土地の上にアパートを新築し、貸付けた後の期間では不動産所得の計算上、必要経費として差し引いていますが、それまでに支払った利子を譲渡所得の計算上必要経費として差し引くことはできるでしょうか。

A.土地取得からその使用開始日までの期間に対応する借入金の利子は、譲渡所得の計算で取得費に算入できます。資産の取得費には、購入に必要だったお金や、改修や設備投資の費用が含まれます。借入金で資産を購入した場合、その資産を使用開始する日、または売却する日までに支払った利子は取得費に含めることができます。ただし、不動産などの所得を生む前に購入した場合、業務開始前の期間に対する借入金の利子はこのルールの対象外です。借入時に発生した抵当権設定登記費用や公正証書作成費用なども、借入金の利子と同じ扱いを受けます。

譲渡の時期

Q.今年、貸地を更地にして引き渡すことを条件に1億円で売却しましたが、借地人が立ち退かないため土地の引き渡しができなくなりました。そこで、土地の底地部分のみを譲渡したものとして契約ベースで申告し、上地の部分については引き渡しが完了した時に申告したいのですが可能でしょうか?

A.貸地を更地にして引き渡した年の収入として全額申告する必要があります。契約に基づく譲渡に関して、契約ベースと引き渡しベースに分割して申告することは認められていません。申告が可能かどうかは契約した年にその契約が法的効力を持つかによりますが、あなたの場合は更地にする条件が履行されていないため、契約ベースでの申告は適切ではないと考えられます。

譲渡の時期(同年中に複数の契約を結んだ場合の分割申告)

Q.今年、A法人とB法人にそれぞれ宅地を売却する契約を結びました。宅地の引渡しは両方とも来年になります。この場合、A法人に対する譲渡については契約ベースで行い、B法人に対する譲渡については引渡しベースで申告を2年間に分けても大丈夫でしょうか。

A.はい、申告を2年間に分けても問題ありません。譲渡所得の申告において譲渡の時期は、取引ごとに選ぶことができます。

賦払方法の場合の譲渡収入金

Q.本年2月に知人に宅地を3,000万円で売却し、分割して譲渡代金を受領した場合、利息相当分として受領する200万円はどのように課税されますか?

A.利息相当分として受領する200万円は雑所得として課税されます。資産の売却によって得られる収入とは、通常、売買契約に基づく金額です。財産、権利、その他経済的利益を金銭以外の形で受け取る場合、その時価や価値が収入に含まれます。しかし、あなたの場合は金銭以外を受け取っておらず、売買契約金額の3,000万円が収入となり、譲渡所得として課税されます。また、分割払いの利息相当分は、賦払い方法の一部として受け取るものであり、譲渡の対価には含まれません。

譲渡時期及び譲渡価額

Q.私は、令和5年11月に宅地を800万円で売却し、その時に代金決済も完了しましたが、所有権移転登記を令和6年1月に行いました。この場合、いつ確定申告をするべきですか?

A.令和5年分の確定申告で譲渡所得を申告する必要があります。譲渡時期は基本的には物件の引渡しが行われた日とされており、代金の決済日がそれよりも後になることはありません。ですから、令和5年11月に代金が決済された場合はその時が譲渡の日となり、その年度の確定申告で申告することになります。

譲渡の時期 (基本的な考え方)

Q.手狭になった居住用の土地建物を3000万円で売却することにし、8月10日に売買契約を結び、同日に手付金として300万円を受け取りました。その後、11月に中間金として900万円を受け取り、残金は来年の1月下旬に受け取る予定で、物件の引き渡しと所有権の移転登記手続きは残金受領と同時に行う予定です。この場合、譲渡所得の申告は本年分としてするべきでしょうか。

A.基本的には、翌年分の所得として申告する必要がありますが、本年中の所得として申告する選択肢もあります。譲渡所得を計算する際、原則としては物件の引き渡しが行われた日が譲渡の時期とされています。ただし、売買契約の効力が発生した日(農地の場合は契約が結ばれた日)に譲渡所得が発生したと申告した場合、その年の譲渡所得として扱うことができます。農地の売買では、売買契約が特定の条件下で解除された場合、売買契約解除の翌日から2ヶ月以内に申告内容の修正を申請できる規定があるため、注意が必要です。

使用貸借に係る土地の譲渡収入金額の帰属

Q.昭和46年に私が無償で借りた父の土地に建てた家屋が手狭になったため、父と家屋及び土地を売却し買い換えることにしました。この場合、建物価額及び借地権相当額を私が受け取ることにしていますが問題はないでしょうか?

A.お父さんは、その土地の売却から得た全額を収入として申告する必要があります。使用貸借による土地の売却収入は全額が土地の所有者であるお父さんに帰属します。たとえあなたが家屋を所有しており、その使用のために土地を借りていたとしても、その土地に関する権利は非常に制限されており、税法上はほとんど価値が認められません。そのため、あなたが借地権相当額を受け取るとしても、土地の売却価格全額をお父さんの所得として申告する必要があります。さらに、あなたが受け取る借地権相当額は、お父さんからの贈与とみなされ、贈与税の対象となります。

現物出資した場合の収入金額

Q.私は貸ガレージを経営していましたが、この度、資本金1,000万円の不動産管理会社を設立することになりました。私は、現在ガレージにしている土地を現物出資し、株式80株を取得しました。他の同族株主であるAほか5人は各々100万円ずつ現金出資し、それぞれ20株ずつ取得しました。ガレージにしている土地は、時価2,700万円(相続税評価額2,200万円)相当です。現物出資した場合は、譲渡所得として所得税が課税されると聞きましたが、譲渡所得の収入金額はいくらになりますか。

A.譲渡所得の収入金額は、土地の時価である2,700万円になります。法人に対する現物出資は、資産を譲渡したとみなされ、その結果、所得税が課税されます。現物出資による譲渡所得の収入金額を計算する際、土地の時価や出資した金額ではなく、実際には取得した株式の市場価格によって決まりますが、出資した土地の市場価格が株式の市場価格の半分未満の場合、出資した土地の市場価格を収入金額として扱います。この場合、出資した土地の時価2,700万円がそのままあなたの譲渡所得の収入金額としてみなされます。注意点として、あなたの現物出資によって株式の市場価格が現金出資額を超える場合、超過分が贈与されたとみなされ、贈与税が発生する可能性があります。

譲渡による付帯収入金 (税 金負担分等)

Q.父から相続した田を売却し、その際に所得税と住民税の税金負担分等を買主に負担してもらいました。この税金相当額の取り扱いはどうなりますか?また、友人が畑を売却し、後に協力金を受け取りましたが、この協力金の課税関係はどうなりますか?

A.あなたが土地を売却した際に、買主から税金負担分等を加算して受け取った金額も譲渡所得の収入金額として申告する必要があります。この税金負担分がさらに売却代金に含まれる形となります。友人が受け取った協力金に関しては、その協力金を一時所得として申告する必要があります。

売買契約金額以外で追加で受け取ることがある特約条項に基づく金銭は、その取引における補償や対価の一部とみなされます。したがって、税金等の負担を買主が負担することになった場合でも、それは売却対象の価格の一部として扱われ、譲渡所得に含めて申告する必要があるのです。また、友人の場合のように売買契約後に追加で受け取った協力金は、元の契約とは独立した新しい契約の下で受け取ったものと考えられるため、一時所得としての申告が必要になります。

土地の譲渡対価としての経済的利益

Q.私は、畑を譲渡し、その対価として私が所有する隣地の田を宅地に造成してもらいました。金銭による収入はなかったので、税金の申告はしなくてもよいと思うのですが、どうでしょうか。

A.畑を譲渡した際に得た対価として隣地の田を宅地に造成してもらった場合、金銭の収入がなくても、宅地造成にかかった費用の相当額を収入金額として計算し、その金額を基にして畑の譲渡による所得を計算し申告する必要があります。税法では、金銭の収入だけでなく、物や権利、その他の経済的利益の価値も収入金額に算入されます。物や権利は取得時、経済的利益はそれを享受する時の価値で計算されることになっています。