Q.雑種地を購入し整地して宅地にした後、傾斜地のために石垣積みと土盛りをする場合、この費用は土地の取得価額に算入されるのでしょうか。
A.土地を整地するためにかかった費用は土地の取得費に算入されます。しかし、土地に関して行う防壁や石垣積みの費用は、それが土地とは別に構築物と見なされる場合、土地の取得費には算入せず、構築物の取得費として扱うことができます。もし業務用資産であれば、これらの構築物は減価償却の対象になります。
Q.雑種地を購入し整地して宅地にした後、傾斜地のために石垣積みと土盛りをする場合、この費用は土地の取得価額に算入されるのでしょうか。
A.土地を整地するためにかかった費用は土地の取得費に算入されます。しかし、土地に関して行う防壁や石垣積みの費用は、それが土地とは別に構築物と見なされる場合、土地の取得費には算入せず、構築物の取得費として扱うことができます。もし業務用資産であれば、これらの構築物は減価償却の対象になります。
Q.繰延資産の償却期間はどのように決定されるのですか?
A.繰延資産の償却期間は、資産を賃借するために発生した費用の種類によって異なります。具体的には、以下の3種類に分けられます。
1. 建物の新築時にその所有者に支払った権利金で、その金額が建物の賃借部分の建設費の大部分に相当し、実質的にその建物を存続期間中賃借できると認められる場合、償却期間はその建物の耐用年数の70%です。
2. 建物を賃借する際に支払った権利金で、(1)以外のもので、契約や慣習に基づき、その権利を転売できる場合、償却期間は賃借後の残存耐用年数の70%です。
3. (1)および(2)に該当しないその他の権利金の場合、償却期間は5年です。ただし、契約の賃借期間が5年未満であり、契約更新時に再度権利金の支払が必要な場合は、賃借期間の年数になります。
注意点として、償却期間の1年未満の端数は切り捨てることになります。
Q. 20年前に200万円の権利金で家を借り、今年、1000万円の立退料を受け取りました。この場合、200万円を取得費として控除できるでしょうか?
A. 支払った権利金から、その権利金が家を借りるために使われた期間にわたって計算される償却費を引いた金額が、取得費として控除できます。あなたの場合では、20年前に賃借した家から立ち退くことになり、その対価として1000万円を受け取りましたから、立退料は譲渡所得として課税されます。償却費は、権利金を支払った日から家を離れるまでの期間を基に計算されます。
Q.15年前に150万円の権利金を支払って土地を借りて家を建てた場合、その借地権の取得費は150万円だけで良いですか。
A.あなたが15年前に支払った150万円の権利金だけでなく、土地の整地や借地契約に関わる手数料、さらに土地の所有者に対して支払った費用など、借地権を得るためにかかったその他の費用も含むことができます。これらは、借地権の取得費として計上可能です。また、建物等を買った時の金額の中で、借地権に関する費用と認められる部分も取得費に含めることができます。ただし、この金額が建物等の総購入代金の約10%未満の場合は、建物の取得費に一緒に含めても問題ありません。あなたが家を売る際には、これらの追加費用も借地権の取得費に計算し、譲渡所得の計算に反映させることができます。
Q.10年前に父から相続により取得した農地とこれに隣接する宅地及びその宅地上の居住用建物が、収用によって市に買収され、補償金を取得した個人が、収用等の場合の譲渡所得に係る5,000万円控除の適用を受ける場合、農地、宅地、居住用建物の各々の譲渡所得からどのような順序で控除されますか(譲渡所得の合計は、7,000万円になります。)。
A.収用等で得た5,000万円の特別控除を受ける場合、複数の資産が対象となる際には、特定の順序に従って計算上、5,000万円までの金額が控除されます。この順番は以下の通りです:
1. 分離課税の短期譲渡所得
2. 総合課税の短期譲渡所得
3. 総合課税の長期譲渡所得
4. 山林所得
5. 分離課税の長期譲渡所得
この中で、分離課税の長期譲渡所得には優良住宅地や居住用財産を譲渡した場合に適用される特例があり、その適用がある場合とない場合が混在する時は、まず適用がないものから控除し、その後特例を受ける譲渡所得から控除します。
ただし、税率に関する特例が異なるため、農地に対する譲渡益から先に控除し、その後の控除が5,000万円に達しない場合は、宅地と居住用建物の譲渡益から控除することが推奨されます。
Q.平成22年1月に2,000万円で取得した居住用の木造建物を、土地と一緒に令和5年8月に売却しました。この場合、譲渡所得の計算で控除できる建物の取得費はいくらになりますか?
A.あなたが居住用の木造建物を売却した場合、譲渡所得の計算において建物の取得費から控除できる金額は12,188,000円になります。この計算は、建物の取得価額(20,000,000円)から、建物の減価償却相当額(7,812,000円)を引いたものです。ここでいう減価償却相当額は、建物の耐用年数(木造住宅の場合は22年)や経過年数(14年)などに基づいて計算されます。具体的には、耐用年数によって決まる償却率を使用し、建物の取得価額から建物が保有している残存価額を控除した額(この場合は10%が控除された後の金額)に適用します。これにより、譲渡時の取得費として12,188,000円が控除可能です。この計算には、建物取得時の付随費用(例:登録免許税、不動産取得税等)は含まれていません。
Q.家屋の所有者と敷地の所有者が異なり、家屋とその土地を一緒に売却した場合、居住用財産の特別控除はどのように適用されますか?
A.この状況では、居住用財産の特別控除は、家屋と敷地(土地や借地権)を両方所有し、そして一体として売却した場合に限って適用されます。しかし、家屋の譲渡益が3,000万円に達しない場合、特定の条件を満たす場合に限り、家屋の所有者以外の者(このケースでは土地の所有者)が所有する土地の譲渡所得から、特別控除の残額を引くことができます。この条件には、次の3つがあります:
1. 家屋とその敷地(土地等)が一緒に売られたこと。
2. 家屋の所有者と土地等の所有者が親族であり、同じ生計を立てていること。
3. 土地等の所有者が家屋に実際に住んでいること。
これらの条件が満たされるかの判断は、家屋の譲渡時の状況によって決定されます。家屋が居住用途でなくなった時点から3年を超える譲渡の場合、家屋が居住用途でなくなった時から譲渡時までの間(親族関係など)、家屋が居住用途でなくなった直前の状況(共に居住していたかなど)で判断されます。
具体的なケースでは、まず家屋の所有者Aの譲渡益500万円に対して3,000万円の特別控除を適用します。Aの譲渡益が3,000万円に満たないため、条件を全て満たすため、残りの特別控除額2,500万円を土地の所有者Bの譲渡益から引くことが可能です。
Q.本年に2度居住用財産を譲渡した場合、3,000万円の特別控除の計算はどのようになりますか?
A.居住用財産を譲渡した場合、3,000万円の特別控除を受けることができるのは、譲渡した財産が居住の用に供されていたもので、譲渡した日の属する年の前年または前々年には、3,000万円の特別控除やその他の特定居住用財産関連の特例の適用を受けていない場合に限ります。このルールは一度の譲渡に対してではなく、その年に譲渡された居住用財産全体に適用されるものです。そのため、同一年に2度居住用財産を譲渡した場合でも、それぞれの譲渡にこの特例が適用されます。特別控除の額は最大3,000万円までで、先に発生した短期の譲渡益から控除し、その後に残った控除額を以前に譲渡された居住用財産の長期譲渡益から控除します。
Q.友人Aの債務保証をしていたところ、Aが事業に失敗し、借入金の返済が不能となったため、債権者から私に返済請求がありました。急なことでしたので、いったん銀行から借入れをして友人Aの債務を返済し、銀行へは、後日私所有の土地を譲渡して返済しました。この場合、保証債務を履行するための資産の譲渡に該当しますか。
A.はい、該当します。保証債務を履行するために資産を譲渡した場合、通常はその譲渡代金で債務を返済することで資産の譲渡が行われます。ただし、資産を譲渡してもすぐに購入者が見つからないなど、譲渡が保証債務の履行に先行するケースも少なくありません。税法では、債務を返済するための資産の譲渡が保証債務を履行した日から約1年以内に行われ、実質的に保証債務の履行のためであると認められる場合、保証債務を履行するための資産の譲渡として扱われます。従って、あなたのケースでは、友人Aに対する求償権が行使できない状況であれば、保証債務を履行するための資産の譲渡に該当し、譲渡所得の計算では譲渡がなかったものとみなされます。ただし、銀行からの借入金の利息は、資金調達のための費用として保証債務の履行の金額には含まれません。
Q.7年前、ゴルフ会員権の贈与を受けた際に名義変更手数料100万円を支払いました。本年、このゴルフ会員権を売却したのですが、この名義変更手数料は取得費になりますか。
A.贈与、相続、または遺贈により譲渡所得のもとになる資産を受け取った場合、その資産を取得するために通常必要と認められる費用を支払っている場合、登録免許税や不動産取得税など一部の例外を除き、その費用を資産の取得費に加えることができます。そのため、贈与で受け取ったゴルフ会員権の名義変更手数料は、通常必要な費用とみなされるので、売却の際の譲渡所得を計算する上での取得費に算入することができます。