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生命保険契約の満期返戻金

Q.生命保険契約が満期になり、翌年1月に満期返戻金を受領する場合、この満期返戻金をいつの年分の何所得として申告すべきですか?

A.長期にわたって保険料を支払った生命保険契約が満期を迎え、その結果として受け取る満期返戻金は、利子所得や配当所得には分類されず、一時所得として扱われます。この一時所得は、実際にお金を受け取った日ではなく、満期返戻金を受け取る権利が生じた日を基準に申告する必要があります。質問のケースでは、実際に受領が翌年であっても、受領権利が生じた日が当年中であるため、当年分の一時所得として申告する必要があります。満期返戻金から保険料や既に受け取った剰余金の分配等を差し引いて計算した金額から、さらに特別控除を引いたものが一時所得の金額となります。また、この一時所得を他の所得と合算する際には、その金額の半額を他の所得に加えて総所得金額を計算します。

店舗に係る損害保険契約の満期返戻金

Q.衣料品小売業を営んでいます。店舗に掛けていた損害保険契約が満期となり、満期返戻金を受け取りました。この満期返戻金は、事業所得の金額の計算上総収入金額に算入するのでしょうか。なお、毎月の掛金は、積立部分を除いて事業所得の計算上必要経費に算入しています。

A.受け取った損害保険契約の満期返戻金は、事業用資産に該当しても一時所得として扱われます。したがって、あなたが店舗に掛けていた損害保険契約の満期返戻金は、事業所得の総収入金額ではなく、一時所得の総収入金額に算入されます。また、一時所得の計算に際しては、既に事業所得の計算で必要経費として算入されていた掛金は除外されます。ただし、積立てた保険料の部分だけは、その収入を得るために支出した金額として、一時所得から差し引くことができます。

不動産売買契約の解除に伴う違約金の所得

Q.小売業を営むかたわらアパートの経営をするつもりで、敷地として予定した土地を購入する売買契約を結んでいましたが、売主の都合でその契約が破棄され、先に支払っていた手付金の返還を受けるとともに同額の違約金を受け取りました。これは何所得として課税されますか。

A.手付金は通常、売買契約をより確固たるものにするために、買主から売主に支払われます。もし契約が完了すればこの手付金は購入代金の一部として扱われ、売主に所得として認められないことが一般的です。しかし、契約が解除された場合、買主は手付金を放棄することで契約を解除することができ(手付金放棄)、売主は受け取った手付金と同額を追加で返金することにより(手付金倍返し)、契約を一方的に解除することが認められています。もし契約の履行が開始された後に解除される場合は、手付金に加え、経済的損失の賠償も要求でき、これが違約金として受け取ります。この違約金が契約で定められた金額である場合、これは損害賠償の前提とみなされます。お尋ねの状況では、違約金の具体的な扱いが明確でないものの、もしこれが事業外の活動に関連し受け取られたものであれば、一時所得として課税されます。この場合、小売業とは無関係に受け取られた違約金は、一時所得として取り扱われます。

立退料の収入金額の計上時期

Q.私は、家主から立退きを要求され、立ち退くことを承諾しました。家主との間で立退料について契約を結びました。この立退料はいつの年分の所得として計上すれば良いですか?

A.立退料については、一般的に支払を受けた日を所得の計上日とします。しかし、契約によって立退料の総額と支払日が定められている場合、契約締結日に立退料の支払いを受ける権利が発生します。そのため、あなたが受け取る立退料の200万円(令和5年6月30日に100万円、令和6年1月31日に100万円)は、契約日が属する令和5年度の一時所得として計上します。

店舗併用住宅を譲渡した場合の特別控除

Q.店舗併用住宅とその敷地の譲渡による所得金額は次の通りです。この場合、居住用財産の3,000万円の特別控除はどのように適用されますか?分離課税の長期譲渡所得金額4,000万円、うち住宅部分に対応する金額2,000万円、うち店舗部分に対応する金額2,000万円。

A.店舗併用住宅とその敷地を譲渡した際、特別控除は建物の住宅部分とその敷地の住宅部分に対してのみ適用されます。特別控除は、年間で複数の特別控除を適用できる場合には、合計で5,000万円を限度に、定められた順番で適用されます。具体的には、収用交換の5,000万円控除、居住用財産の3,000万円控除、特定土地区画整理事業等の2,000万円控除、特定住宅地造成事業等の1,500万円控除、平成21年及び平成22年に取得した土地等の1,000万円控除、農地保有合理化等の800万円控除、低未利用土地等の100万円控除の順に適用されます。ご質問のケースでは、まず居住用財産の3,000万円の特別控除を適用し、控除額は居住用財産に関連する譲渡所得の金額か3,000万円のどちらか少ない金額になります。その結果、住宅部分の譲渡所得2,000万円を特別控除として適用し、店舗部分の課税対象となる長期譲渡所得金額は2,000万円となります。

店舗併用住宅を譲渡した場合の特別控除

Q.店舗併用住宅とその敷地を譲渡した際の居住用財産の3,000万円の特別控除の適用はどのようになりますか?

A.店舗併用住宅とその敷地を譲渡した場合、3,000万円の特別控除は、建物の住宅部分とそれに付随する敷地の部分に対してのみ適用されます。もし、一年の間に複数の特別控除を利用することがある場合、最大5,000万円までの特別控除が可能ですが、特定の順番で適用されます。この順番は次のとおりです:1) 収用交換等の5,000万円控除、2) 居住用財産の3,000万円控除、3) 特定土地区画整理事業等の2,000万円控除、4) 特定住宅地造成事業等の1,500万円控除、5) 平成21年及び平成22年に取得した土地等の1,000万円控除、6) 農地保有合理化等の800万円控除、7) 低未利用土地等の100万円控除です。従って、この質問の場合、最初に居住用財産の3,000万円の特別控除が適用されますが、この控除は居住用財産に関連する譲渡所得の金額か3,000万円のどちらか少ない金額とされます。そのため、住宅部分の譲渡所得金額2,000万円が控除され、結果として店舗部分の課税長期譲渡所得金額が2,000万円となります。

一時的に貸し付けた住宅と居宅用財産の特別控除

Q.今年の5月から生活環境の整った郊外に新しい住宅を取得し住んでいます。それまで住んでいた住宅については、適当な買手がないため、勤務先に一時的に貸し付けていますが、2年以内には売却したいと思っています。いったん貸し付けた後に売却した場合でも、居住用財産の3,000万円の特別控除の適用は可能ですか。

A.居住用財産の譲渡所得に対する3,000万円の特別控除は、自己の住宅やその敷地などの譲渡が特定の条件に当てはまる場合に適用されます。譲渡の対象となるのは、自分が住んでいた家やその敷地、または災害で失われた家の敷地等です。この特別控除は、家を居住用途ではなくなった日から3年以内に売った場合、または家を壊した後、その敷地を一定の条件下で売った場合に適用されます。特別控除を受けるには、家を売る契約を家を壊した日から1年以内に結び、さらに、その家が居住用途でなくなってから3年以内にその土地等を売る必要があります。ただし、この控除は、その年の前年または前々年に既にこの特別控除や特定の居住用財産の買い替え・交換の特例等を利用している場合は適用されません。以上から、もし今お住まいでない家を3年以内に売却する場合、一時的に他人に貸していたとしても、3,000万円の特別控除を受けられる可能性があります。

耕作権を消滅させた後の土地譲渡における譲渡所得金額の計算

Q.耕作権を消滅させた後、土地を譲渡した場合の譲渡所得金額及び譲渡所得の計算上控除される取得費はどのように計算するのですか?

A.耕作権を消滅させた後、土地を譲渡する際の譲渡所得金額とその計算で控除される取得費の計算は、旧耕作権部分と土地そのもの(底地部分)に関連した部分に分けて行います。ここでの所有期間は、耕作権を消滅させた時点を取得時期として扱います。

1. 旧耕作権部分において

   – 収入金額は、耕作権消滅時の旧耕作権の価額を収入として計算します。ここでの「旧耕作権の価額」は、耕作権消滅にあたり支払った金額(適正額)とされます。

   – 取得費は、耕作権の消滅に伴い支払った価額です。

2. 底地部分において

   – 収入金額は、土地の譲渡価格から、耕作権部分の収入金額を引いたものです。

   – 取得費は、譲渡した土地全体の取得費から、旧耕作権部分に関連する取得費を引いた金額です。

具体例で計算すると、

1. 耕作権部分では、収入金額として5,000万円で譲渡された価格の一部2,000万円が計上されます。取得費として支払われた1,600万円を差し引くことで、400万円の短期譲渡所得が得られます。

2. 底地部分では、全譲渡価格から耕作権部分の収入金額を差し引いた3,000万円が収入金額となります。これに対し、取得費として150万円(3,000万円の5%)を考慮することで、2,850万円の長期譲渡所得が計算されます。

2棟の家屋を居住用に供していた場合の譲渡

Q.15年前に建築した家屋Aにずっと住んできましたが、家が手狭になったため、3年前に同一敷地内に家屋Bを新築して子供たちの勉強部屋及び寝室として使用してきました。今回家屋A及びBを同時に譲渡した場合、双方について「居住用財産の譲渡所得の特別控除」の適用が受けられるかどうか。

A.2棟以上の住居用家屋を所有している場合、主に居住用として使用されている家屋のみが特別控除の対象となります。ただし、物理的に2棟の建物を持っているか否かだけで判断されるわけではなく、2棟以上の建物が隣接しており、一体としての機能を持つ一構えの家屋と認められる場合は、一つの家屋として扱われます。あなたが提供している状況では、家屋Aと家屋Bは一体として機能しているとみなされるので、両方とも「居住用財産の譲渡所得の特別控除」の対象となり得ます。

土石等を譲渡した場合の取得費

Q.7年前に購入した山林の土石を宅地造成会社に譲渡した場合、譲渡所得の計算で控除できる取得費はどうなるか。

A.土地の土石などを譲渡する場合、譲渡所得の計算で控除できる取得費の計算方法は次のように定められています。土石を譲渡した後の土地の現価値が元々の土地の購入価格以上であれば、土石に関する取得費は認められません。逆に、土地の現価値が土地の購入価格を下回る場合には、譲渡後の土地の価値を超える分の額が土石等の取得費として認められます。したがって、質問のケースでは、山林を1,500万円で購入し、土石譲渡後の価値が2,500万円であるため、土石の譲渡に係る取得費は認められないことになります。