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会社退職者互助会が支払う遺族年金

Q. 会社退職者互助会制度がある場合、会員の相続人が受け取る遺族年金は非課税となりますか?

A. 会社退職者互助会は、一定期間A社に勤めた退職者同士が組織する福利厚生団体です。この団体から会員の遺族に支払われる遺族年金について、非課税とされる遺族年金は亡くなった人の仕事に基づいて支払われるものに限られます。A会社退職者互助会からの年金は、退職者同士の相互扶助を目的として支給されるため、仕事に基づいて支払われるわけではありません。この理由から、この遺族年金は非課税所得には該当せず、雑所得に分類されます。

低額譲受資産の取得の日

Q.私は昭和63年に父から200万円で譲り受けた土地(当時の時価は600万円でした)を令和5年に800万円で売却しました。この土地は父が昭和59年に400万円で取得していたもので、私に売却した際に200万円の損失が生じましたが、その損失について他の所得と損益通算して所得税の申告をすることは認められていません。私はその時、時価より相当安い価額で譲り受けたことにより、贈与税の申告をしています。この場合、土地の取得の日及び取得価額はどのようになるのでしょうか。

A.取得の日はお父様がその土地を購入された昭和59年となります。さらに、取得費用もお父様がその土地にかかった金額、つまり400万円となります。これは、時価の半分未満で資産を譲り受けたケース(この場合は低額譲受資産)において、その資産の譲受価格が売り手(ここではお父様)の売却時における取得費用と売却費用の合計額よりも低い場合、売り手が保有していた期間も引き継がれると見なされるためです。その結果、資産を買った人が実際に資産を取得した日は、売り手がその資産を購入した日、つまり昭和59年とされます。

特別償却対象資産に取得後の事業年度で値引きがあった場合の特別償却額の修正

Q.特別償却の対象となっている資産について、取得後の事業年度に値引きを受けた場合、取得年度に損金に算入した特別償却額の修正は必要ですか。また、特別償却準備金として積み立てている場合はどうですか。

A.特別償却対象の資産を取得した後、事業年度内で値引き(値引き、キャッシュバック、割引など)を受けた場合、取得した事業年度に損金として計上した特別償却額を値引きに応じて修正する直接的な規定はありません。これは、特定の算式に従って自動的に帳簿上の価額が調整されるからです。同様に、特別償却準備金を作成した場合も、取得した事業年度に積み立てた特別償却準備金を修正する必要があるという規定はありません。

この内容は、資産の取得後に価格の値引きが生じた場合、帳簿上の価値を減少させることができるという規則に基づいています。ただし、値引きがあった事業年度の直前の事業年度から繰り越された償却不足額がある場合は、その不足額を特別償却限度額に基づいて修正することになります。特別償却準備金を用いている場合の不足額についても同じ処理が適用されます。

例えば、中小企業が機械を取得し、その後値引きを受けた場合の処理は次のとおりです。500万円で機械を購入し、150万円の特別償却限度額(購入価格の30%)のうち50万円を特別償却し、残りの100万円を翌事業年度への償却不足額として繰り越した場合、購入価格が50万円値引きされたことにより、取得価格が450万円に調整され、新たな特別償却限度額は135万円(450万円の30%)になります。この計算により、償却不足額100万円が85万円(135万円から特別償却した50万円を引いた額)に減額修正されることになります。

特別償却準備金の取崩し方法

Q. 特別償却準備金は、これを計上する基礎となった資産を廃棄して廃棄損を計上したとき取り崩す必要がありますか。

A. 特別償却を行う際の経理処理方法には、資産の帳簿価額から直接減額する「直接簿価減額方式」と、特別償却準備金として積み立てる「準備金方式」の2つがあります。ただし、税法では特別償却の直接簿価減額方式を認めていますが、会社法や企業会計基準に照らし合わせると、この方法は相当の範囲を超える償却であり、適切ではありません。一方で、税法は特別償却準備金を損金として積み立てる方法も認めており、これは剰余金の処分(繰越利益剰余金からの振替え)により行うべきです。特別償却を行った場合、直接簿価減額方式では資産の帳簿価額が低くなり、その資産を廃棄する際の廃棄損が少なくなる効果があります。準備金方式では、特別償却準備金の取り崩しは特定の年数を基準に均等に行いますが、特別償却対象資産をもはや保有していない場合には、特別償却準備金を取り崩す必要があります。また、資産を廃棄した際には、廃棄損と特別償却準備金取り崩し益の計上が必要になります。合併や現物分配によって特別償却対象資産が移転された場合、合併直前または現物分配に係る時点での特別償却準備金を取り崩すことがルールとされています。

就職支度金

Q.新規採用に当たり、就職支度金50万円を支給する予定ですが、新規採用者に対する課税関係はどのようになりますか?

A.新規採用に伴って支給される就職支度金は、通常、転居などの費用を補填するためのものと考えられ、その範囲内であれば非課税です。しかし、支給される金額が就職に伴って発生する費用を超える場合、その超過部分は契約金とみなされ、税務上所得として扱われます。支度金は雇用契約を前提に支払われるもので、直接の雇用契約に基づくものではないため、給与所得ではなく、労務の対価として受ける性質があるため一時所得でもなく、事業所得としての性質もないため、雑所得として扱われます。支払う側は、支度金に対して源泉徴収税を徴収し、支払う必要があります。支払額が100万円を超える場合、超過部分には更に高い税率が適用されます。

割増償却の適用を受けなかった資産の事後の割増償却の適用

Q.令和3年8月に建築して事業の用に供している倉庫用建物について、租税特別措置法第48条の割増償却の規定の適用が受けられることに最近気づきました。令和5年3月期までの2事業年度において当該割増償却の規定の適用を受けていなくても、今後当該規定の適用を受けることができますか。また、直前事業年度(令和5年3月期)における割増償却限度相当額は、当事業年度(令和6年3月期)において特別償却不足額の繰越しとして認められますか。

A.特定の条件を満たした青色申告の法人であれば、昭和49年4月1日から令和6年3月31日の間に一定区域内で新設もしくは取得した倉庫用建物について、供用日から5年以内の期間において割増償却を適用することができます。この割増償却とは、通常の償却限度額に加え、特にこの期間内において許される特別償却限度額(通常償却限度額の8%相当)を含んだ計算方法です。令和4年3月31日以前に取得した資産については、この割増率は10%とされていました。もし割増償却の適用をこれまで受けていなかった場合でも、5年間の適用期限内であれば、その残り期間について割増償却を適用することが可能ですが、過去に適用していなかった分を後から繰り越して適用することはできません。特別償却不足額の繰越しに関しては、特別償却不足が発生した事業年度から直前事業年度までの確定申告書に、その繰越しに関する情報を記載した明細書の添付が必要とされます。貴社の場合、直前事業年度までにこの添付がされていないため、令和6年3月期の割増償却は、その年度の分だけが適用可能です。

中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却の計算方法

Q.中小企業者が機械等を購入し事業用に供した場合の特別償却の計算方法を教えてください。また、同じ機械が他の特別償却の対象となる場合、複数の特別償却を適用できるか教えてください。

A.中小企業者が平成10年6月1日から令和7年3月31日までの間に1台あるいは1基以上、取得価額が160万円以上の新しい機械や装置等を購入し、製造業や建設業など国内で行う特定の事業で使用した場合、その事業の用に供した事業年度の償却限度額は普通償却限度額と特別償却限度額(取得価額の30%相当額)を合わせた金額になります。例えば、令和5年4月に購入し事業用に供した価額1,000万円の機械(耐用年数8年)の場合、令和6年3月期の償却限度額は普通償却と特別償却を合わせて5,500,000円となります。翌事業年度における償却限度額は、直接簿価減額方式を選択した場合と準備金方式を選択した場合で異なり、後者の方法ではより多くの償却限度額が認められますが、特別償却準備金を取り崩して益金に算入する必要があります。ただし、同一の事業年度内で複数の特別償却規定の適用を受ける資産の場合、一つの規定のみの適用が認められ、複数の特別償却を同一資産に適用することはできません。

商標権の更新登録のための費用

Q.商標権の存続期間の更新登録のための費用は、資本的支出として無形減価償却資産に計上しなければなりませんか。

A.商標権の存続期間は、登録日から10年間ですが、保持者が更新登録を申請することで期間を延長できます。この更新登録費用は、新しい権利を獲得するためのものではなく既存の権利を維持するためのものなので、新しい商標権の取得費用には当たりませんが、既に持っている商標権に対する資本的支出にはなるのか、という問題があります。資本的支出は、固定資産の使用可能期間を延ばすため、またはその価値を増加させるための支出です。商標権の更新登録費用は権利を維持する目的の費用で価値を増やすものではありませんが、更新登録を行わないと商標権を失うため、使用可能期間を延長させる費用とみなせます。よって、これらの費用は無形の減価償却資産として計上する必要があります。

ソフトウエアに係る資本的支出と修繕費の区分

Q.ソフトウエアのプログラム修正を行った場合、資本的支出と修繕費の区分はどのように判断しますか?研究開発費等の会計基準による処理と同じですか?

A.ソフトウエアのプログラムを修正する際、その修正がプログラムの機能上の障害を取り除いたり、現状の機能を維持する目的であった場合、かかった費用は修繕費として認められます。これには、バグの修正や、ウイルスからの保護など、プログラムの効用を維持するための費用が含まれ、損金として計上することができます。一方で、新しい機能を追加したり、既存の機能を向上させたりする修正は、資本的支出とみなされます。さらに、ソフトウエアの仕様を大きく変更するための費用も、特定の例外を除いて、資本的支出に該当します。ただし、自社で使用するソフトウエアに関わる支出が、将来の収益増加や費用削減に寄与しないことが明らかな研究開発費であれば、これは資本的支出とはみなされません。研究開発費等の会計基準によると、ソフトウエア機能の重大な改良にかかる費用は原則的に資産として計上しますが、大幅なバージョンアップに該当する場合は研究開発費として処理します。税務上、修繕費として扱える費用は会計基準でも修繕費になりますが、重大な改良や大幅なバージョンアップに関わる費用は、会計基準では研究開発費として処理されることになり、これにより税務上の申告調整が必要となります。

代物弁済による利益

Q.友人に1,000万円を貸しておりましたが、金銭による返済に代え土地をもらいました。この土地は、不動産鑑定士の鑑定によれば時価1,500万円とのことですが、所得税の課税対象になりますか。

A.お問い合わせの内容について、金を貸しており、返済のために土地を受け取った場合、これは代物弁済と呼ばれるものとみなされます。また、この場合、契約で利息が設定されていたかどうかは明確ではありませんが、受け取った土地の価値が貸していた金額を超える部分は、特にその他の事情がない限り、利息として考えるのが適切です。収入の定義には金銭以外に物品を受け取った場合のその価値も含まれ、その価値は物を受け取った時の市場価値で評価されます。従って、消滅させた債権の額と受け取った土地の市場価値の差額、つまり500万円は受取利息として雑所得に含まれることになります。