admin のすべての投稿

税理士であった夫の関与先を譲渡した場合の所得

Q.税理士であった夫が亡くなり、夫の関与先を別の税理士に引き継ぎ、その対価として200万円を受け取りました。この収入は営業権の譲渡所得として申告してよろしいですか?

A.税理士業は個々の税理士が持つ専門知識や技能を生かして行う非常に個人的な仕事であり、税理士と顧客との間の顧問契約も非常に個人的な関係に基づいています。そのため、税理士が亡くなった場合、その関与先を別の税理士が引き継ぐことは原則としてできません。亡くなった税理士が担っていた関与先を別の税理士に紹介し、その対価としてお金を受け取るケースでは、その収入は営業権の譲渡とは見なされません。税理士業務では顧客との個人的な信頼関係が大切な役割を担っており、このような信頼関係に基づいて関与先を紹介されることは、新たな税理士にとっても有益なものと考えられます。このため、このケースでの収入はB税理士への関与先紹介に対する報酬として、雑所得として申告することになります。

特別償却準備金の積立額と戻入額の差額処理

Q.特別償却準備金を剰余金の処分により積み立てる方法をとっています。当事業年度の積立限度額は150万円、要取崩額は40万円です。差額110万円の積立てができますが、50万円だけ積み立て、残りの60万円は積立不足額として1年間繰越しの規定の適用を受けようと思います。株主資本等変動計算書での記載方法と、申告書を作成する際の注意事項を教えてください。

A.当事業年度の特別償却準備金の積立限度額150万円のうち、60万円を積立不足額として、1年間繰越しの規定の適用を受けたい場合、当事業年度の積立額50万円は、150万円の積立限度額のなかの90万円の積立てと、前年度から繰り越した特別償却準備金40万円の取崩しの差額である必要があります。これを株主資本等変動計算書で明確にしなければなりません。もし、積立てとして50万円の記載のみがなされた場合、積立限度額150万円のうち50万円のみが積立てられ、差額100万円が積立不足額として翌期へ繰り越されます。また、要取崩額40万円は申告時に益金額に算入する必要があります。株主資本等変動計算書に90万円の積立てと40万円の取崩しの両方の記載がなくても、50万円の積立額の記載で、申告書別表十六(九)に90万円の積立てと40万円の普通益算入額を記載することで、税務上は90万円の積立てと40万円の戻入れがあったとして扱われます。租税特別措置法上の準備金を株主資本等変動計算書で積立てまたは取り崩す際の記載方法および申告調整方法については、詳細な規定を参照してください。

還付加算金の所得区分

Q.更正の請求や不服申立てにより納付済みの税額が減額されたり取り消されたりして還付される場合、付加される還付加算金がなぜ雑所得として課税されるのか教えてください。

A.税金が期限後に納付される場合、遅延した期間に応じて延滞税や利子税が課せられます。これに対して、納税者が支払った税金が減額されたり取り消されたりして国から還付される場合、その還付金には期間に応じた還付加算金が付加されます。この還付加算金は、国税通則法や地方税法によって還付される税金に追加される利子のようなものと考えられます。また、この加算金は税務当局の誤りにかかわらず支払われ、損害賠償の性質を持たないため、非課税所得にはあたりません。そのため、所得税法では還付加算金を雑所得の一部として扱っており、これは非営業貸金の利子が雑所得に該当するのと同じ理由です。

ホームステイの外国人受入家庭が受ける謝礼金

Q.ホームステイさせた際に受け取った謝礼金は雑所得として申告する必要がありますか?

A.国際交流を深め、友好親善を目的として、国際交流基金等は海外から招へいした適切な人物に対するホームステイのため、受け入れる家庭へ謝礼金を支給しています。この謝礼金は、1家庭につき年間3か月の滞在を限度に、1泊あたり5,000円以内が支払われます。受け入れ家庭はこの金額を食事代やその他の経費の一部として使用しています。ホームステイの目的や謝礼金の性質を踏まえると、この謝礼金を課税対象外として扱うことになっています。したがって、この謝礼金については雑所得として申告する必要はありません。

使用貸借に係る建物を譲渡した場合の取得費の計算

Q. Aは、子のBに家屋を無償で貸し付けており、Bはその建物で青果業を営んでいます。A、Bは生計が別であり、Bは事業所得の計算上この建物の減価償却費を必要経費に算入していません。このような場合、譲渡所得の金額の計算上、建物の取得費の計算はどのようになるのでしょうか。

A. この場合、建物の取得費は、建物を取得するときに必要だった費用、設備費、改良費を合わせた額から、建物の減価償却費の合計を引いた金額です。AとBが生計が別で、建物の貸し付けが使用貸借の場合には、その減価償却費は特定の計算方法に従って算出します。譲渡所得を計算する際、財産の取得費としては、その財産を取得した際の費用と設備費、改良費を全て合わせた額が基本です。ただし、譲渡される資産が家屋のように使用や時間の経過で価値が減るものの場合、取得から譲渡までの期間において、特定の期間ごとに償却費を計算し、その合計を取得費から差し引きます。具体的には、資産が収益を生み出すために使われていた期間における償却費の合計、またはその他の期間については法定耐用年数に基づいて計算した償却費を合計し、これを取得費から引きます。AとBが一緒に生計を立てていた場合、Aの建物の減価償却費はBの事業所得の計算時に必要経費として算入しますが、生計が別の場合には、ここで説明した計算方法に基づいて減価償却費を算出します。

不動産を担保に提供した際に受け取った謝礼

Q.同族会社の役員をしており、会社が銀行から借入れを行うために、私が所有する土地を担保に提供しました。この際に会社から受け取った100万円の謝礼金は不動産所得になるのでしょうか。また、この土地は借入金で取得したもので、その利息を支払っていますが、この支払利息は謝礼金に対する必要経費になりますか。

A.不動産所得とは、不動産やその上にある権利、船舶や航空機を貸し出すことから得られる所得を指します。しかしながら、土地を担保に提供して受け取る謝礼金は、土地そのものの貸し出しによる対価ではなく、土地の処分価値を利用することによる対価であるため、不動産所得には該当しません。さらに、この謝礼金は対価性がありますが、一時所得にも該当しないため、雑所得に分類されます。また、土地を取得するための借入金の利息に関しては、不動産の使用収益から発生する必要経費となることがありますが、土地を担保に提供したこと自体が利用収益に影響を与えず、単なる処分価値の利用に過ぎないため、謝礼金に対する必要経費として控除することはできません。

借地権者等が取得した底地の取得時期等

Q.昭和50年から地代を払って借りていた居宅の敷地をこの度地主から買い取ることにしました。この買い取った土地を売る場合に、この土地の取得時期は買い取った時である短期譲渡所得になると聞いていたのですが、長い間借りていて権利があったのですから長期譲渡所得とはならないでしょうか。

A.貴方がその土地を売る時に得た収益の計算には、土地の一部に関しては買い取った時点を取得日とし、もう一部に関しては昭和50年を取得日として考えます。具体的には、旧底地部分については買い取った時が取得日、旧借地権部分に関しては昭和50年が取得日として計算されます。これは、借地権などの権利を有している者がその権利が設定されている土地(底地)を買い取った際には、旧底地部分と旧借地権部分を別々に取得日として考慮するというルールに基づいています(所基通33-10)。

利息の定めのない一時的な資金の貸付けに関して受ける謝礼金

Q.無利息で友人が社長をしている甲社に一時的な資金繰りのために2,500万円を貸し付け、返済期日前に500万円の謝礼金を含む全額返済を受けました。この謝礼金は贈与として扱われるものなのでしょうか?

A.あなたが甲社に一時的に2,500万円を無利息で貸し付け、甲社が資金繰りの改善によって返済期日より早く500万円の謝礼金を含めて返済したケースについて考えます。贈与とは、一方の当事者が自己の財産を無償で相手方に渡し、相手方がそれを受け入れることで成立しますが、謝礼金の受領経緯からすると、甲社は貸し付けによって事業が好転したことへの対価として謝礼金を支払っています。謝礼金が高額であることや、貸し付けが事業改善に貢献したことを踏まえると、この謝礼金は対価性があると見るべきです。したがって、質問の謝礼金は贈与による一時所得ではなく、雑所得に該当し、課税対象となります。

土砂等を自己の所有する土地に捨てさせた場合の謝礼

Q.私はサラリーマンですが、このたび建設業者から、私の所有する窪地へ土砂を捨てさせたお礼として100万円をもらいました。この100万円は不動産所得として申告してよろしいでしょうか。

A.お持ちの空地に建設業者から土砂等を捨てさせた場合は、その土地を賃貸しているのではなく、土砂を捨てる場所を提供しているだけです。そのため、もらった100万円は不動産所得ではなく、雑所得として扱われます。しかし、その土地が不動産業者が販売目的で持っている場合は、状況が変わります。その場合は、雑所得ではなく、事業に関連した一時的な収入、つまり事業所得として扱われることになります。

不動産仲介業者の使用人が取引先から直接受け取った礼金

Q.不動産仲介業者に勤める使用人Aが取引先B社から感謝の意を示して謝礼金100万円を受け取った場合、この謝礼金はどのような所得に分類されますか?Aは給与所得以外には収入がありません。

A.給与をもらう人(営業報酬など他の収入がない人を想定)が、自分の勤め先以外の取引先から直接謝礼金を受け取る場合、そのお金は基本的には勤め先から受け取った賞与と同じように扱われます。ただし、贈ってもらった金品が働く上での職務に関連しているかどうかで、どの種類の所得になるかが決まります。主に、(1)法人からの一時的な贈り物は一時所得、(2)職務に関連し取引先などからもらった金品は雑所得に分類されます。そのため、質問のケースでは、使用人Aが職務に関連して取引先から謝礼金を受け取っているため、雑所得に該当します。