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暗号資産の売却

Q.私は、給与所得者ですが、次のとおり暗号資産を取得し、同年中に売却したところ、利益が出ました。暗号資産の売却により生じた利益の所得区分について教えてください。また、所得金額はどのように計算すればよいでしょうか?(1年間の暗号資産の取引) ① 4月10日 2,800,000円(支払手数料を含む)で7ビットコイン(BTC)を購入した。② 8月25日 0.5BTC(支払手数料を含む)を750,000円で売却した。

A.ビットコインをはじめとする暗号資産を売却または使用して生じる利益は、それが事業活動の一環として生じる場合を除き、基本的に雑所得として分類されます。あなたの場合のように、保有していた暗号資産を売却(日本円に換金)した際には、売却価額から暗号資産の取得価額を引いた差額が所得金額となります。従って、あなたの暗号資産の売却による雑所得の金額は、次の式で計算すると550,000円となります。この計算は、750,000円(売却価額)から、(2,800,000円 / 7BTC) × 0.5BTC(1ビットコイン当たりの取得価額と支払ビットコインによる計算)を引くことで求められます。

特別償却準備金の積立不足額の積立順序(初年度特別償却の場合)

Q.中小企業者等が機械等を取得した場合の初年度特別償却について、前事業年度の特別償却準備金の積立不足額の繰り越しが150万円あり、当事業年度の特別償却限度額が300万円という場合に、400万円の積立てを行いますと、この400万円はどの事業年度のものから積み立てたものとして取り扱われますか。申告書の記載方法も説明してください。

A.特別償却準備金は、それぞれの特別償却対象資産ごとに積立てるもので、初年度特別償却は、その資産に対して1回だけ行われる措置です。前事業年度の不足分150万円と当事業年度の限度額300万円は、異なる資産に関するものであるため、400万円の積立てはどちらの年度のものとみなすか、企業の計算によって決められます。不足額を少なくするためには、まず前年度の150万円の不足分に対して積立て、残りの250万円を当年度の限度額300万円の一部として積み立てるのが良いでしょう。これにより、当年度の限度額のうち50万円が次年度への繰り越し不足分となります。申告書には、特定の形式でこれらの金額を記載します。

収支内訳書の添付義務

Q.私はサラリーマンですが、副業で行っている業務があり、毎年雑所得として申告しています。儲けはあまりありませんが、収入金額が1,000万円を超える年もあります。副業に係る所得を申告するに当たって、収入金額が大きくなると、領収書等の保存や、申告の際に添付書類が必要になる場合があると聞いたのですが、どのような制度になっているのでしょうか。

A.令和4年1月1日以降、雑所得を得る副業を行っている人は、その副業からの収入金額が2年前に300万円を超えていた場合、関連する請求書や領収書などの書類を5年間保管する必要があります。これには、現金や預金の出入りがあった時に発行または受け取った書類を含みます。さらに、その副業からの収入金額が2年前に1,000万円を超える場合、所得税の確定申告をする際に、総収入金額や必要経費を記載した収支内訳書などの添付が求められます。

民泊による所得の課税関係

Q.私は会社員で、海外からの観光客が増えたため、自宅の2階を使って民泊事業を始めました。この年の民泊収入が900,000円、経費が合計600,000円でした。民泊用部分の床面積は全体の半分で、60日間宿泊客を受け入れました。年末調整は会社でされていますが、確定申告は必要ですか?

A.不動産の貸付けから得られる所得は通常、不動産所得として分類されますが、民泊事業はその提供者が宿泊者の安全を保障したり一定レベルのサービスを提供することが義務付けられており、単なる部屋の貸し出し以上のサービスが含まれているため、一般的な不動産の貸付けとは異なると考えられます。民泊事業で得られる所得は、主にその事業によって生計を立てている特別な場合を除き、雑所得に分類されます。したがって、会社の給料以外で年間20万円以上の所得がある場合は、確定申告が必要になります。ここで、民泊による収入は900,000円、仲介手数料80,000円、広告宣伝費70,000円、日用品購入費100,000円、非常用照明器具の購入設置費50,000円、そして適切に計算された水道光熱費分担額24,658円を経費として、合計324,658円を差し引くと、雑所得は575,342円と算出されるため、確定申告が必要です。

暗号資産の取得価額

Q.私は暗号資産の取引を行いましたが、所得金額を計算する際に取得価額はどう計算すべきですか?

A.あなたが行った1年間の暗号資産取引で、取得価額を計算する方法には総平均法と移動平均法の二通りがあります。これらの方法を選択するには、所定の届け出を提出する必要があり、届け出がない場合は総平均法が適用されます。移動平均法を使う場合、最初に購入したビットコインの取得価額を計算し、次にその価額を基に保有ビットコインの簿価を更新して新たな購入があった場合の取得価額を算出します。総平均法を使用する場合、1年間に購入したビットコインの取得価額の合計をその期間に購入したビットコインの総数で割ります。この方法では、取得価額の計算で生じる1円未満の端数を切り上げることが許されています。

労働組合から支給を受けた金員

Q.企業の閉鎖に伴い解雇され、労働組合に加入して争議活動を行っている場合、労働組合から受け取った「争議活動費」はどのような所得として扱われますか?また、労働組合専従者ではない場合にはどうなりますか?

A.労働組合の専従者ではなく、普段から組合活動に参加している組合員が、活動のために組合から金銭を受け取る場合、その金銭は雑所得として総収入金額に含まれます。ただし、その活動の範囲や受け取る金額が組合専従者と大きく違わない場合は、組合専従者と同様に考え、適宜判断されます。また、職を失ったり、職務が一時停止されたりした人が、労働組合から通常の給与に代わり支給される金額は、雑所得と見なされます。ですから、質問の「争議活動費」は、専従者として活動していない限り、雑所得として扱われます。労働組合から受け取る支給にはいくつかの種類があり、一時所得や雑所得に分類される場合があります。

特別償却準備金の積立不足額の積立順序 (割増償却の場合)

Q.当社は倉庫用建物等の割増償却を準備金方式で計上していますが、その特別償却準備金について前事業年度の積立不足額の繰越しが150万円あります。当事業年度の特別償却限度額は200万円ですが、300万円の積立てを行いました。この積立額300万円は、どの事業年度のものから積み立てたものとして取り扱われますか。申告書の記載方法も説明してください。

A.当事業年度の積立額300万円は、まず当事業年度の特別償却限度額200万円に達するまで積立てたもの、そして前事業年度の積立不足額150万円のうち100万円を次に積立てたものとして扱われます。割増償却による特別償却準備金に関して、当事業年度の特別償却限度額と前事業年度の繰越した特別償却準備金の積立不足額がある場合、その積立は先に当事業年度の特別償却限度額に達するまでの金額、次に前事業年度からの繰り越した積立不足額を積立てたものと見做されます。前事業年度の積立不足額150万円のうち当事業年度に積立ができなかった50万円は、その事業年度で終了となります。割増償却には、特定地域の工業用機械の特別償却、事業再編計画の認定を受けた場合の事業再編促進機械の割増償却、輸出事業用資産の割増償却、特定都市再生建築物の割増償却、倉庫用建物等の割増償却などが含まれます。申告書の記載には、別表十六(九)を使用します。

譲渡費用

Q.10年前に広島県から大阪市内へ転居し、広島県の土地を3,000万円で売却した場合、①仲介手数料、②相続登記費用、③固定資産税(10年前からの代納分)、④土地管理料を譲渡費用として計上できますか?

A.売却に関わる支出の中で、仲介手数料(①)は譲渡費用に該当しますが、相続登記費用(②)、固定資産税(③)、土地管理料(④)などは譲渡費用には含まれません。ただし、相続登記費用は資産の取得に要した費用として計上が可能です。譲渡費用として認められるのは、資産を売却する際に直接かかった費用、たとえば仲介手数料や、資産の譲渡に必要な登記費用、立ち退き料、解体費用、売買契約の解除に伴う違約金など、資産の売却価格を高めるために必要な費用です。しかし、資産の修理費用や固定資産税などの維持・管理費用は、譲渡費用には含まれません。

遊体土地における果樹栽培

Q.内科医院を営む私が数年前に購入した土地で栗を植え、今年初めて実をつけて売った収入は事業(農業)所得に該当しますか?また、栗の栽培に関連する損失は医業の所得から差し引くことができますか?

A.栗の販売から得た収入は、原則として事業(農業)所得として扱われます。収入から必要経費を差し引いたものが所得と計算されます。しかし、あなたの場合、購入した土地は宅地であり、農業を意図していないこと、植樹本数が少なく、趣味の範囲での活動であると考えられるため、一般的な意味での事業活動とは認められません。そのため、得た収入は副次的なものとしての雑所得と考えられ、医業の所得から損失を差し引くことはできません。

外国の不動産を譲渡した場合に生じた為替差損

Q.4年前に米国カリフォルニアで購入した土地を、資金繰りのため地元の会社へ譲渡しました。譲渡価額は12万ドル、取得時の価額は10万ドルで、為替レートは譲渡時が1ドル=100円、取得時が1ドル=130円でした。この場合、為替差損が生じていますが、どのように処理すればよいですか?

A.外貨で取引を行った資産の譲渡では、資産の価格変動による利益とは別に、為替の変動からくる損益も考慮に入れる必要があります。為替差損益は、外貨表示された取引金額を、その取引時の為替レートによって円に換算した額で計算します。このケースでは、譲渡した土地に関する為替差損を含めた損失は、1,000,000円(譲渡損失)となります。具体的には、譲渡価額の12万ドルを1ドル=100円で換算すると1,200万円、取得価額の10万ドルを1ドル=130円で換算すると1,300万円です。その差額である100万円が譲渡損失として計算されます。