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投資―任 口座 (ラ ップロ座)における株取引の費用の取扱い

Q.投資一任口座(ラップ口座)の契約で支払う報酬等の税務上の取り扱いについて教えてください。

A.投資一任口座から生じる成果は、顧客に属しており、株式等の譲渡から生じた場合には、事業所得、雑所得、または譲渡所得として扱われ、これは分離課税の対象となります。所得の種類は、株式等の譲渡が営利目的で継続的に行われているかに基づいて判定されます。上場株式などの譲渡所得は、高い流動性があるため、事業所得や雑所得に分類されることが多いです。一方で、一般的な株式は流動性が低いため譲渡所得とされ、上場株式であっても、所有期間が1年を超える場合、その利益は保有期間中の価値上がりと見なされ譲渡所得に分類されます。この投資一任口座契約では、1年以下の期間で上場株式の売買を行い、顧客がM証券会社に投資判断と実行を一任し、継続的に売買を行っていると認められる場合、その所得は事業所得または雑所得に該当します。固定報酬や成功報酬は必要経費として扱われ、契約期間が年をまたぐ場合の取り扱いは以下の通りです。固定報酬については、契約当初に支払った金額は契約資産を基に算出され、契約解除時には未経過期間の金額が返還されるため、その年の経費に相当します。成功報酬は、契約期間満了時の純利益に基づき計算され、期間満了年の必要経費となります。契約内容によって取扱いが異なる場合があるので注意が必要です。

金融類似商品の課税

Q.定期積金の給付補填金等は、支払の際、源泉徴収による分離課税とされると聞きましたが、その内容について説明してください。

A.定期積金や一部の金融商品に関連する給付金や利益など、特定の金融類似商品の給付や補填金に対して、昭和63年4月1日以降、日本国内で支払われる場合、源泉徴収を通じた分離課税が適用されます。具体的には、これらの支払いには15%の税率が適用され、さらに居住者の場合は地方税として5%が加算されます。この分離課税の対象となる金融類似商品には以下のようなものがあります:

1. 定期積金の給付補填金

2. 銀行法に基づく特定の契約から生じる給付補損金

3. 抵当証券に基づく契約から支払われる利息

4. 貴金属の売り戻し条件付き売買から生じる利益(これに類する物品を含む)

5. 外貨建て預貯金から生じる為替差益

6. 一時払いの養老保険や損害保険などから生じる差益。この差益は、保険期間が5年以下のもの、または5年以上でも初日から5年以内に解約された保険から生じる場合に該当します。

なお、平成25年から令和19年までの間は、これらの収入に対して、復興特別所得税(基準所得税額の2.1%)も課されます。

ゴルフ会員権の譲渡

Q.私は、本年10月にゴルフ会員権を売却しました。このゴルフ会員権の譲渡益については、どのように課税されるのでしょうか。

A.ゴルフ会員権を売却した際の譲渡益は原則、申告分離課税の方法で課税されます。しかし、ゴルフ会員権がゴルフ場の所有や経営に関わる法人の株式や出資を持つことで、一般の利用者より有利な条件でゴルフ場を使う権利を持つタイプの場合、その株式や出資の譲渡による所得は総合課税の対象となります。また、株式形態ではなく単なる利用形態のゴルフ会員権の譲渡所得も総合課税の対象です。したがって、あなたが売却したゴルフ会員権が株式形態のものであるか単なる利用形態のものであるかにかかわらず、その譲渡所得は総合課税の対象となります。さらに、2014年4月1日以降に譲渡して生じた損失については、他の所得と通算することができない点にも注意が必要です。

従業員持株会を通じて取得した株式の取得費

Q.従業員持株会を通じて取得した株式の譲渡所得の計算時の取得費はどう計算すればよいですか? A.従業員持株会から提供された「退会(引出)精算書」に記載されている1株当たりの取得単価(簿価単価)を基に、取得費を計算することができます。この簿価単価は、持株会からの通知書によく記載されているもので、これを使って取得株式の価額を出すことができます。もし簿価単価が記載されていない場合や、それらの通知書が提供されていない場合は、支出した拠出金額を取得した株式数で割って計算することもできます。もっともない場合は、株券の裏にある名義替えの日の市場価格を基にして計算しても構いません。さらに、同一銘柄の株式を持株会以外でも取得している場合には、持株会を通じて取得した株式と持株会以外で取得した株式の取得費を合わせる形での計算方法、つまり総平均法に準ずる方法を用いて計算することで、売却する株式の取得費を出すことができます。

ゴルフ会員権を譲渡した場合の取得費及び譲渡費用

Q.ゴルフ会員権の譲渡所得の計算上、控除することのできる取得費及び譲渡費用は、どのようなものがありますか。

A.ゴルフ会員権を譲渡した際に考慮される取得費には以下のものがあります。

1. 入会時に支払った入会金、預託金、株式払込金など。

2. 第三者から会員権を購入した場合は、その購入価格、名義変更手数料、会員権業者への手数料など。

3. 会員権取得のために借入れた資金の利息で、取得資金の借入れから使用開始日までの期間の利息が該当します。「使用開始日」は会員権を使えるようになった日で、オープン前に取得した場合はゴルフ場のオープン日、「オープン後」は会員権を得た日と定義されています。

譲渡費用としては、会員権を譲渡するために直接かかった費用、例えば会員権業者に支払う手数料などが挙げられます。ただし、年会費は持続的な維持管理費であるため、取得費や譲渡費用には含まれません。

外国の金融取引市場で上場されている株式を外国法人である金融商品取引業者を通じて譲渡した場合の上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の適用について

Q.外国の金融商品取引市場に上場されている外国法人の株式を、内閣総理大臣の登録を受けていない外国法人である金融商品取引業者を通じて譲渡しました。この譲渡による損失について、上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除を受けられますか?

A.内閣総理大臣の登録を受けていない金融商品取引業者を通じて外国の金融商品取引市場で譲渡した外国法人の株式に関する譲渡損失は、上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の対象外です。これは、租税特別措置法で規定されている損益通算や繰越控除が適用されるのは、内閣総理大臣の登録を受けた金融商品取引業者を通じて行われた譲渡に限られているためです。ただし、同年中に他の株式譲渡から生じた譲渡益との通算は可能です。

金貯蓄や金地金累積投資に係る所得の課税

Q.サラリーマンであり、証券会社を通して純金の投資商品である金貯蓄口座と純金積立(金地金累積投資)に毎月2万円を積み立てていますが、純金積立による金地金が一定量になり、本年初めて売却しました。この場合、確定申告は必要ですか?

A.純金の投資商品には、金地金や金貨の現物売買、証書や通帳方式など多くの種類があります。純金積立で得られた金を一定量売却した場合、これは金の売買とみなされます。所得の種類には事業所得、雑所得、譲渡所得がありますが、サラリーマンであること、月々の積立金額、売却の回数等を考慮すると、一般的に譲渡所得とされる傾向があります。譲渡所得は、収入から取得費と譲渡費用を差し引き、さらに特別控除額を引いた残りの金額として計算されます。買付手数料や売却手数料は取得費や譲渡費用として扱われますが、管理料はこれらには含まれず、控除できません。また、金の売却で損失が発生しても、金は生活に通常必要ない資産に位置付けられるため、損益通算の対象とはなりません。金貯蓄口座については現物価額と将来買取される価額の差から得られる利益は金融類似商品として扱われ、源泉分離課税の対象となり確定申告に含めることはできません。

役員賞与を定期同額給与に含めることの税務上の問題

Q. 当社は従来、年間の役員給与を月々の給与と年2回の賞与に区分して支給し、賞与については事前確定届出給与の手続きを行ってきました。この手続きが煩雑なので、年間の賞与支給予定額を12等分して毎月の役員給与に加算し、定期同額給与に合めることを考えています。税務上問題が生じるでしょうか。

A. 税務上、賞与を損金算入するためには、事前確定給与に関する届出書を期日までに税務署に提出する必要があります。実際の支給額と事前確定額が異なる場合、損金不算入となります。賞与支給予定額を12等分して毎月の役員給与に加算することは、定期同額給与とみなされます。しかし、賞与の一部を毎月支給せずに賞与支給時期まで未払いにしたり、会社が預かり簿外預金としてプールする方法では、損金不算入になります。また、役員給与が過大とされる場合、税法では相当と認められる金額を超える部分は損金に算入しません。毎月の役員給与に年間賞与の月割額を加えると、従業員の給与の支給状況と比較して過大な給与が生じる懸念がありますが、年間を通じての職務執行の対価としての給与額は変わらないため、問題はないと考えられます。

抵当証券に係る利子及び売買益

Q.会社員である私は、このたびA抵当証券会社から抵当証券を購入しました。この場合の利子は、利子所得となるのでしょうか。また、抵当証券を譲渡した場合の所得は何所得となるのでしょうか。

A.抵当証券は、抵当証券会社が資金を集めるために発行するもので、法律による有価証券とは異なります。そのため、抵当証券から得られる利子は利子所得とはみなされず、抵当証券の売却から得られる利益も譲渡所得とはされません。これらの収入は雑所得として扱われ、15%の税率(居住者の場合は地方税5%が加わる)で源泉分離課税されます。ただし、平成25年から令和19年までの期間、復興特別所得税(基本所得税額の2.1%)が加算されます。抵当証券の発行と流通の仕組みについては、資金を必要とする人が抵当証券会社に融資を申し込み、不動産などに抵当権を設定した後、法務局に抵当証券の発行を申請しています。投資家はこれらの抵当証券を購入し、元本と利息を受け取ります。ただし、投資家はモーゲージ証書を直接売却することはできず、抵当証券会社への譲渡のみが可能です。

定期同額給与の意義

Q.法人税法第34条第1項で、損金不算入となる役員給与から除外されているものの第1に掲げられている定期同額給与とは、どのような給与ですか。

A.定期同額給与とは、法人が役員に支払う給与のうち、定期的に同じ額が支払われる給与を指します。この給与には、特定の手続きや報告が必要な「事前確定届出給与」や「業績連動給与」とは異なり、申告や記載の要件がなく、比較的手続き上の自由度が高いです。定期同額給与は主に以下の条件を満たすものが該当します:1) 一定期間(1ヶ月以下)ごとに支払われる給与で、各支払い時に同一の額が支払われること。2) 給与の額が改定された場合でも、改定前後の特定の期間において各支払い時に同一の額が支払われること。3) 継続的に供与される経済的な利益で、その提供される利益額が毎月大体一定であること。また、支払額から源泉徴収税や社会保険料等を差し引いた手取り額が同一であっても、定期同額給与として扱われます。