admin のすべての投稿

上場株式等に係る譲渡損失の損益通算

Q.私はサラリーマンであり、株の売買も行っておりますが、令和5年の上場株式の譲渡により30万円の損失が発生しました。上場株式の譲渡損失と配当所得の損益通算について改正があったと聞きましたが、私の場合の計算はどうなりますか?また、30万円の譲渡損失、20万円の一般株式に係る譲渡所得、50万円の上場株式に係る配当所得があり、令和4年に生じた譲渡損失10万円が令和5年に繰り越されます。

A.平成28年度から、上場株式等の譲渡による損失が発生した場合、上場株式等に係る配当所得までの額を限度に、その年の上場株式等に関する配当所得から損失額を差し引くことができます。この特例は、その年に他の上場株式等の譲渡所得から差し引くことができずに残った損失額に適用されます。あなたの場合、上場株式の譲渡で生じた30万円の損失と50万円の配当所得がありますので、損益通算後の配当所得は20万円となります。更に、令和4年の譲渡損失10万円を繰り越し、配当所得20万円から差し引くことができるため、最終的な配当所得は10万円となります。この処理を行うためには、配当所得に対して申告分離課税を選択する必要がありますが、一度選択すると後から変更することはできませんので注意が必要です。

上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除

Q.上場株式等を譲渡したことにより生じた損失の金額がある場合の損益通算と繰越控除について概要を教えてください。

A.上場株式等を譲渡して損失が出た場合、それを配当所得と通算できる制度があります。この損失は、その年で全額控除できない場合、次の3年間で上場株式等の譲渡所得や配当所得から控除することができます。この制度を利用するためには、確定申告時に特定の書類を提出して通算を申請し、その年の配当所得の計算から上場株式等の譲渡損失を引くことができます。しかし、申告分離課税を選択した配当所得に対してのみ適用でき、総合課税を選択した配当所得には適用できません。さらに、譲渡損失がすぐには控除しきれない場合、翌年以降3年間にわたって控除することが可能ですが、そのためには毎年、連続して確定申告を行い、必要な書類を添付する必要があります。年度によっては譲渡損失と譲渡益の通算が認められる年と認められない年がありますので、詳細は最新の税法を確認する必要があります。

株式の譲渡損失の損益通算

Q.一般株式等の譲渡による譲渡所得の損失70万円は、他の所得と損益通算できるのでしょうか?

A.一般株式などを売却して生じた損失は一定のルールによって扱われます。具体的には、一般株式等の売却に関連する事業所得で発生した損失は、その損失によって生じた譲渡所得や雑所得から差し引かれます。また、譲渡所得の計算で出た損失は、事業所得や雑所得から差し引かれます。そして、雑所得で発生した損失も、同様に事業所得や譲渡所得から差し引かれます。ただし、これらの損失をすべて差し引いた後にまだ損失が残る場合は、その損失は無かったことにされ、他の所得と合算して扱うことはできません。ですので、質問者のケースでは、譲渡所得に関連する損失70万円は雑所得50万円とのみ差し引かれ、不足分の20万円は無かったことにされます。

信託財産の取得費

Q.信託財産を譲渡した場合において収入金額から差し引くことができる取得費とはどのようなものをいうのですか。私の場合、売却する信託財産は、信託の設定以前に1,000万円で購入しています。

A.信託財産を売却するときに収入から差し引ける取得費は、信託財産となる前に支払った購入金額1,000万円と、あなたや受託者がその後に費やした設備費や改良費の合計です。これらを合わせた金額が取得費として考慮されます。信託財産の譲渡所得を計算する際、取得費には以下のようなものがあります。一つ目は、信託財産になる前の資産の取得費です。これは、委託者がその資産を引き続き所有しているものと見なし、所得税法に基づく計算によって算出されます。二つ目は、信託期間中に信託財産となった資産の取得費で、受託者がその資産を購入するために使った金額を所得税法に基づいて計算したものです。この際、資産取得に際して受託者に支払われた信託報酬も取得費に含まれます。さらに、算出された取得費が収入金額の5%未満である場合は、5%相当額を取得費として適用できます。

信託受益権の譲渡

Q.土地、建物を信託財産とする信託受益権を譲渡した場合、譲渡所得が課税されるかどうか聞きたいです。

A.はい、信託財産である土地や建物を譲渡した場合、譲渡所得として所得税がかかります。信託受益権の譲渡は、その受益権が対象とする信託財産全体(受益権の割合に応じた部分も含まれる)が一括して譲渡されたとみなされます。

信託財産の議渡

Q.私は、S信託銀行と土地信託契約を締結しました。その内容は、私所有の土地の上にマンションを建築して、その賃貸収入を得るというものです。ところが、信託銀行では、マンションの建築資金を調達するため、信託財産である土地の一部を売却するということです。この場合、その土地は信託銀行の名義となっていますが、譲渡所得についての課税関係はどうなるのでしょうか。

A.信託財産である土地の一部が売却された際、その譲渡所得については、受益者であるあなたに所得税が課税されます。信託契約が結ばれると、その信託財産の名義は信託銀行になりますが、土地の譲渡が行われると、その行為は信託銀行名義でされます。しかし、信託の受益者は、信託財産(資産や負債)を所有しているとみなされるため、このケースではあなたが直接土地を売却したと見なされます。そのため、譲渡収入から信託財産の取得費や譲渡費用を差し引いて、譲渡所得の計算が行われることになります。控除される取得費や譲渡費用の詳細については、他の資料を参照してください。

売買における有価証券の評価方法

Q. 売買における有価証券の評価方法は?

A. 事業所得と譲渡所得または雑所得とで有価証券(株式など)の取得価額の計算方法が異なりますので、注意が必要です。まず、事業所得に該当する場合、評価方法を選択しなかったか、選択した方法で評価しなかった場合は、総平均法を用いて1単位あたりの金額を計算します。ただし、事業所得の計算では移動平均法は適用できません。次に、譲渡所得や雑所得の計算では、取得費用または必要経費を総平均法に準ずる方法で算出した1単位あたりの金額で計算します。この「総平均法に準ずる方法」は、その有価証券を最初に取得した時から譲渡した時までの期間を基に計算し、この期間内に取得した有価証券と既に所有していた有価証券の平均を取ります。例えば、1年間に取得した有価証券はそれぞれの種類と銘柄によって分けて計算し、譲渡の都度、総平均法で1単位あたりの原価を計算します。具体例では、5月31日に譲渡した有価証券の1株あたりの取得原価は120円で、総額では240万円。8月30日に譲渡したものは1株あたりの取得原価が200円で、総額200万円でした。結果、A銘柄の譲渡による雑所得の計算で必要経費に算入できる取得原価は、合計で440万円となります。

新株予約権付社債に係る新株予約権の行使により取得した株式の取得価額

Q.私は新株予約権付社債の新株予約権の行使により株式を取得しました。この株式の取得価額はどのように計算するのでしょうか。

A.新株予約権付社債から株式を取得する際のその株式の価値は、新株予約権を行使することで出資される財産の価格が、その社債を発行した時点での企業の株価を基に適切に設定されている場合に計算できます。取得する株式一株あたりの価格は、特定の式を使って計算された金額になります。その計算式は、新株予約権付社債の行使直前の払込みに関する新株予約権付社債と、その取得株式数に基づいています。

 信託の取扱い

Q.私は土地を信託して、ビル経営を始めることにしました。信託契約では土地の所有権を受託者に移転させることになっていますが、これによって私に課税問題が生じるでしょうか。

A.信託契約に基づいて土地の所有権の移転が行われ、一定の要件を満たしている場合は、課税の対象になりません。所得税では、信託の受益者は信託の財産や負債を有しているものとみなされます。ですから、あなたが信託の受益者であれば、土地の所有権を受託者に移転させても、あなたが土地の所有者であるとみなされ、税金の問題は起きません。ただし、このように扱われるのは集団投資信託、退職年金等信託、法人課税信託といった特定の信託に限定されます。

新株予約権により取得した株式の取得価額

Q.私は新株予約権の行使により株式を取得しました。この株式の取得価額はどのように計算するのでしょうか。

A.新株予約権を行使して株式を取得した場合、その株式の取得価額は二つの方法で計算されます。まず、発行法人が与えた新株予約権に基づいて株式を取得した場合、その取得価額は権利行使日の株価から新株発行価額を差し引いた金額になります。つまり、権利行使日の株式の市場価格が基準になります。しかし、市場などで自己調達した新株予約権の場合、取得した株式1株あたりの価額は特定の計算式に基づいて決まります。この計算式では、新株予約権の行使直前の取得価額と自身が支払った金額を含めて算出します。これにより、新株予約権を行使して取得した株式の正確な取得価額を求めることができます。