Q.私がS市に持っている土地について、数年前からS市施行の土地区画整理事業が行われていましたが、最近事業が完了し換地処分の公告が行われました。私の換地は従前の土地とほぼ同じ位置に定められ、道路部分に相当する分が減少し、清算金300万円の交付を受けることになりましたが、この清算金に対しての課税関係はどうなりますか。 A.交付を受けた清算金は収用等の場合の課税の特例の適用を受けることができます。土地区画整理事業で換地を定めた場合、従前の宅地と換地の位置、地積、土質、水利、利用状況、環境等を総合的に考慮し、もし不均衡が生じると認められる場合、金銭でこの不均衡を是正することができます。この金銭を清算金と言います。土地区画整理事業の施行による換地処分に伴い、換地とともに清算金を取得する場合、従前の土地のうちその清算金に対応する部分について譲渡があったものとみなされます。この清算金に対応する部分は、収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例の適用を受けるか、5,000万円特別控除の特例の適用を受けるかのいずれかを選択できます。土地区画整理事業の施行により交付される清算金には、換地とともに交付されるもののほかにもいくつかの形態があります。たとえば換地が定められない過小宅地や公共施設用地についての清算金、または土地所有者の申出等によって換地が定められない場合の清算金があります。過小宅地や公共施設用地に関する清算金は収用等の場合の課税の特例の適用が認められていますが、土地所有者の申出による清算金は私人間の任意の売買と同様に通常の譲渡として課税されます。
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譲渡所得等の課税の特例
Q.私は、土地区画整理事業により仮換地の指定を受け、そこに家屋を新築し住んでいます。ところがその土地に小学校を建てる計画があるため、仮換地の買取りの申し出を受けた後に同意しました。しかし、売買の対象となる土地は元の土地であり、その元の土地は小学校の建築計画区域外です。この場合でも収用等の場合の課税の特例の適用を受けることが可能でしょうか?
A.はい、収用等の場合の課税の特例の適用を受けることができます。土地区画整理事業では、公共用地等は換地処分を通じて確保されるべきですが、仮換地の指定から換地処分まで時間がかかることがあります。急を要する事業では、換地処分を待たずに仮換地を使用することがあります。従前地が事業地外にあっても、仮換地が事業地内にあり、かつ以下の条件に該当する場合、補償金や対価について収用等の場合の課税の特例が適用されます。1) 仮換地が土地収用法等の規定に基づいて使用され、その結果使用収益権が消滅する場合。2) 仮換地に関する使用収益権の消滅を拒んだ場合でも、土地収用法等に基づいて仮換地が使用されて権利が消滅する場合において契約により権利が消滅する時です。あなたのケースでは、これらの条件に該当するため、特例の適用が可能です。
譲渡所得等の課税の特例
Q.父からの相続で母と共有で取得した宅地が、A市の小学校用地として買い取られました。私は持分に相当する全額で代わりの資産を取得し、収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例の適用を受けようと考えています。収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例の適用を受けると、5,000万円控除の特例は受けられないと聞きましたが、私の譲渡について収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例の適用を受けた場合、母の譲渡について5,000万円特別控除の特例の適用が受けられなくなるのでしょうか。
A.あなたの母は、収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例または5,000万円特別控除の特例のいずれかを選択できます。つまり、あなたとあなたの母はそれぞれ異なる特例を選択することができます。公共事業のために土地が買い取られた場合、買い取りの申出を受けてから6か月以内にその土地を譲渡した際、納税者はこれら二つの特例のうちどちらかを選ぶことができますが、両方を適用することはできません。しかし、この選択権は譲渡者ごとに与えられているため、共有者の1人が収用等に伴う代替資産の特例を選択しても、他の共有者に影響はありません。
同一事業について2年にまたがって買い取られた場合
Q.令和4年に市から小学校用地として農地を買い取られ、代替資産を取得し、特例を適用して確定申告をしました。令和5年にも同じ用地のため隣接農地が買取られましたが、令和4年分については特別控除の特例の適用を受けていないので、令和5年分について特別控除の特例の適用ができると思っても良いですか? A.令和5年に買い取られた分については、5,000万円の特別控除の適用を受けることはできません。資産が収用などによって譲渡された場合、その5,000万円の特別控除の特例は、同一の事業に関して行われる譲渡が複数回にわたる場合でも、その中の最初の譲渡のみに適用されるという規則があります。つまり、一度特例を適用した事業に対しては、それ以降の譲渡では特別控除の特例を再度適用することはできないのです。
同一事業について2年にまたがって買い取られた場合
Q.私の所有地が、令和4年に市立小学校の建設用地として市に買い取られ、5,000万円の特別控除を適用して申告しました。令和5年に、同じ小学校の建設用地として更に私の所有地を4,500万円で譲渡しました。この譲渡も事業施行者より買取りの申出を受けてから6か月以内に行われたものです。この場合の税金について教えてください。
A.同一事業のために買い取られた用地が2年にわたり2回譲渡された場合、2回目の譲渡については5,000万円の特別控除の特例が適用されないことが一般的です。これは、同一の事業に関して買取りが年をまたがって複数回行われた際には、最初の譲渡に対してのみ5,000万円特別控除が適用されるというルールがあるためです。ただし、公共事業が合理的な理由で複数回に分けて行われるときは、それぞれの譲渡が別個の事業として扱われる可能性があります。5,000万円特別控除の特例が適用されない場合でも、他の譲渡資産に特別控除が適用されていない場合、特定の代替資産を取得することで、譲渡によって得た資産の課税特例を受けることが可能です。
譲渡所得等の課税の特例
Q.私の所有していた土地が学校用地として買い取られました。代替資産を取得するつもりだったので、代替資産の明細書を提出し、代替資産を取得した場合の課税の特例の適用を受けました。しかし、取得期限までに代替資産を取得できなかったので、修正申告をしようと思います。この場合、5000万円の特別控除の特例の適用を受けることができるでしょうか。
A.取得期限を過ぎた後、4ヶ月以内に修正申告書を提出することで、収用などによる5000万円の特別控除の特例を利用することが可能です。当初、代替資産の取得を計画し、そのための明細書を提出していた場合ですが、予定していた期間に代替資産を取得できなかった場合、その期間終了後4ヶ月以内に修正申告を行うと、5000万円の特別控除の特例を受けられます。ただし、この特例は、公共事業のための買取り提案を受けてから6ヶ月以内に資産を譲渡した場合にのみ適用される点に注意が必要です。
譲渡所得等の課税の特例
Q.私は十数年来漁業を営んでいますが、公有水面埋立法に基づき工業用地造成のため海面埋立てが行われ、漁業権が消滅し補償金として5,500万円を受け取ることになりました。この譲渡所得に対し、収用等の場合の5,000万円特別控除の特例の適用を受けたいと思っていますが、総合課税の譲渡所得の計算で、50万円が控除されるのは本当ですか。
A.はい、総合課税の譲渡所得に関しては、譲渡所得の計算において、収用等の場合の5,000万円特別控除の他、追加で50万円の特別控除を受けることが可能です。具体的には、譲渡による収入金額から取得費と譲渡費用を引き、その残額から5,000万円(残額が5,000万円未満の場合はその残額に等しい金額)をさらに控除し、最後に50万円を控除できます。もし取得費が450万円で、譲渡費用が0円だとすると、特別控除の合計としては5,050万円が控除されることになります。
代替資産の取得時期
Q.昭和56年に取得した宅地が令和元年に国道工事の施行により2,000万円で買収され、自己資金を1,500万円追加して3,500万円の土地を取得し、代替資産の課税の特例を適用して譲渡所得に関する申告をした場合、令和5年にこの3,500万円で取得した土地を5,000万円で売却した際、追加資金1,500万円に相当する部分は短期譲渡所得として課税されるのでしょうか。
A.あなたが昭和56年に取得し、令和元年に国道工事で買収された後、追加で1,500万円を使って購入した3,500万円の土地を売却する場合、全額が長期譲渡所得として課税されます。これは、収用等で失った資産の代わりに取得した資産に関する課税の特例を適用した場合、その資産の取得費や取得時期は、新しく追加した出費に関わらず、以前所有していた資産と同様に扱われるためです。
代替資産の所有期間
Q.同一年内に二箇所の宅地を譲渡した際、短期間保有した宅地が代替資産として認められますか?
A.はい、B市内の宅地をA市内の譲渡資産の代替資産として特例の適用を受けることが可能です。代替資産の取得には期限が定められていますが、所有期間については別途定めがないため、短期間の所有でも問題ありません。代替資産の取得期限には以下の規定があります:
1. 資産を譲渡した年の12月31日まで。
2. 資産を譲渡した日から2年が経過した日まで。
3. 資産を譲渡した日から3年が経過した日まで。
4. 資産を譲渡した日から4年6ヶ月(特別な場合は8年6ヶ月)が経過した日まで。ただし、この期限は税務署長への代替資産取得期限延長承認申請を行い、承認を得る必要があります。
代替資産の取得価額
Q.私は居宅とその借地権をA市に小学校用地として譲渡し、代替資産として宅地を取得し、居宅を新築しました。この場合、居宅の新築に当たって支出した次の費用は代替資産の取得費に加算できるでしょうか。① 上棟式に要した飲食の費用 ② 落成式に要した飲食費、記念品 ③ 居宅の移転に要した荷造費、食費、運搬費
A.上棟式や落成式で発生した通常とされる費用は、その資産を獲得するために直接かかった費用とみなされるため、建物の取得価額に加算することができます。一方で、居宅の移転にかかった費用は、代替資産の取得費に加えることはできません。