Q. 法人の設立に際して、個人事業当時に所有していた事業用資産を法人に引き継ぎましたが、その引継価額の適切さについて教えてください。
A. 個人事業を法人に変える際、個人が持っていた資産や負債を法人に引き継ぐことがあります。このとき、どのように評価するかが問題になります。通常、固定資産のような物は市場価格で売買されるため、個人から法人へ譲渡する際も、市場価格に基づいて行うのが一般的です。譲渡価額が市場価格より高い場合、個人は法人から贈与を受けたことになります。逆に、譲渡価額が市場価格より低い場合、その差額は個人が法人に贈与したことと見なされます。税法上では、市場価格の半分以下で資産を譲渡したとき、実際は市場価格で譲渡したと見なされ、所得申告が必要です。また、設立した法人が同族会社で、時価より低く譲渡し税負担が不当に減少する場合、税法上その行為は否認されます。法人税法では、市場価格より高く購入した場合、その超える部分は事実上の贈与と見なされます。また、市場価格より低い価額で引き継いだ場合、その差額は法人の利益に入ります。したがって、通常は市場価格を基準にすることが望ましいとされています。あなたが引き継いだ車両の価額は、市場価格に基づいているため、問題ないと思われます。商品についても、その引継価額が通常の販売価格の70%以上であれば問題ないとされています。