Q. 売買における有価証券の評価方法は?
A. 事業所得と譲渡所得または雑所得とで有価証券(株式など)の取得価額の計算方法が異なりますので、注意が必要です。まず、事業所得に該当する場合、評価方法を選択しなかったか、選択した方法で評価しなかった場合は、総平均法を用いて1単位あたりの金額を計算します。ただし、事業所得の計算では移動平均法は適用できません。次に、譲渡所得や雑所得の計算では、取得費用または必要経費を総平均法に準ずる方法で算出した1単位あたりの金額で計算します。この「総平均法に準ずる方法」は、その有価証券を最初に取得した時から譲渡した時までの期間を基に計算し、この期間内に取得した有価証券と既に所有していた有価証券の平均を取ります。例えば、1年間に取得した有価証券はそれぞれの種類と銘柄によって分けて計算し、譲渡の都度、総平均法で1単位あたりの原価を計算します。具体例では、5月31日に譲渡した有価証券の1株あたりの取得原価は120円で、総額では240万円。8月30日に譲渡したものは1株あたりの取得原価が200円で、総額200万円でした。結果、A銘柄の譲渡による雑所得の計算で必要経費に算入できる取得原価は、合計で440万円となります。